読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『ワセダ三畳青春記』 高野 秀行  羨ましいけど憧れない…

ワセダ三畳青春記
高野 秀行 / / 集英社
スコア選択: ★★★★





何て言っていいのか。すごい。
早稲田大学の学生貧乏話って、原田宗典氏だったのだが・・・。
上には上? はっきり言って、原田氏・・・完敗だ。

高野氏、かなりやばい・・・。
無鉄砲者というか、そうですね、変人であって、凄い人?かな。
この作品が自伝的 「小説」っていうんですから。 さぁ大変!

本書は・・・
「酒飲み書店員さんたちが強引にオススメする1冊」 なんだって。
この、酒飲み書店員とは、
本と酒をこよなく愛す千葉近辺の書店員&出版社の集まり。
第一回コンペにより最多得票を獲得したのが本書です。(帯より) 
それだけでも一読の価値ありそうじゃない? ハハハ

まずは作風、
一言で言うと、椎名誠氏の『哀愁の町に霧が降るのだ』(新潮文庫)みたいだ。
雰囲気しかり、ガーッと読ませる文体が、とてもよく似ている。
魅力的で個性的な文章。
読み出したら、もうあっという間!気付けば、読了だった。
読ませ方も酷似しているかな。
まぁ、私が椎名氏のファンだというこもあるかもしれないけど。
『哀愁の・・・』と、似た感を得た人は、多いらしいので、概ね間違いではないね。


内容を可能な限り・・・。
タイトル通り早稲田大学へ徒歩5分圏に建立する、
「野々村荘」での著者の体験記。
一階は、三畳間が二部屋に、四畳半が一部屋。
二階が、三畳間三部屋に四畳半が一部屋の木造アパートでの生活記録。
追記として、トイレ及び炊事場は共同。もちろん風呂無し。
ここの住人が、著者を含めて奇人変人。
まぁ、凄い思考回路と訳の分からんモットーを翳してて。
笑いが止まらない。   
個性派揃い!入れ替わりもありますが、新旧共々皆、凄い。(笑)
高野氏は、三畳一間、家賃月1万2千円の生活を11年続けました。とさ!

住人例、このアパートを高野氏に紹介した、
一階の住人で後輩の、長野県出身イシカワ氏。
あっ彼、カーリーヘアー。(後にポニーテール) 
で、高野氏はレゲエ風アフロヘア。(当時)
40代で司法浪人中の安部ケンゾウ氏。
(特殊な倫理に基づいた正義感が強い。常軌を逸した方)
守銭奴とよばれる新潟出身の50代の松村氏。(ケチの粋を超えた方)
他には、テンヤ君、ケガワ君・・・・と、ツワモノ揃い。

物語? は、高野氏がここで生活した11年の流れを記しているが、
読後は11年の歳月を感じなかった。 5年くらいの早さだったかな。
早稲田を7年で卒業しても、なお「野々村荘」で暮すわけだが、
人間一度馴染んだ環境からは、
そうそう簡単には、抜け出せないものなんだな~と感じた。

忘れていたが、この高野氏が在籍するのは、早稲田の探検部。
探検とは、
国内の山登り、ラフティング、ケイビング、フリークライミングといった
アウトドア的な活動から、
アマゾン河の筏下りやサハラ砂漠のバイク横断 e.t.c.
とにかく、好奇心の赴くまま行っている(少々オタク気もある)部のこと。

この、部活の活動内容もめっちゃ面白い!例えば、人体実験。
三畳一間に四人が集まり・・・   こ
こは、声出して笑うこと間違いない。要注意!
笑いたければ・・読んでください。
でもやっぱり、部活動より「野々村荘」が最高!
生活環境を取り巻く事件も、高野氏はもちろんのこと、
外部の人をも巻き込んだチン事件も、信じがたいほど、面白い。
でもなぜか有りがちで、分かる気がしてしまう・・・。

一番のお気に入りは、大家さん♪
70代のおばちゃんなのだが、凄い。
人がいいのに、きっちりしていて。とても優しいのに、厳しくもあり。
アイドル性もバッチリ!
エピソードとして、高野氏の後輩の学生と卓球対決があるのだ!
すごいよ~!読んでね。
大家さんの出番はたくさんある。
きっとその箇所は、全部気に入ってもらえるはずだ。

後半、恋人?のような女性が現われ、
なんと高野氏は・・・・
「野々村コンプレックス」 に陥ります。
この 「ノノコン」 面白っ~~~ぉ! 読んでね。
要するに、「彼女が部屋に合わない」んだと。  アホかー?

でも、ついに? 高野氏を『粋』だと断言する女性が身近に現われ・・・。
高野氏の、決意がまたいい。     読んでね。
散々笑っていたのに、最後に来て、不覚にも涙してしまった。

爽快感!たっぷり味わえます。
面白おかしくて、ちょっと切ないのが、またいい。
自身の青春時代とリンクさせても、楽しめる。
でもまぁ、バブルの全盛期の90年代初めに、
こんなに貧乏な人たちって、私の周りには居なかったけど・・・。(笑)

空いた時間にちょこっと、どうぞ。
声を出して笑うのを、抑える自身があれば、場所は選ばなくてもいいかも。
くすっ!くすっ!のテンコ盛り♪ 
フフフ~♪が主でしたからね。何処でも大丈夫かな?


この「野々村荘」のステキな大家さんが詠んだ句を、記します。(本文より)

「探検部雄々しき若人こたつに入り   からみ餅にて未来を語る」

「ドンマイと励まされつつなにくそと  力みすぎてのオーバーホルト」

「試合後の興奮さめぬ後の宴  戦果語りてつくることなし」
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by merrygoround515 | 2007-03-05 13:47 | Book