読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『もしかして聖人』 Anne Tyler 

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アン・タイラー/Anne Tyler 1941-
1941年アメリカミネソタ州生まれ。
コロンビア大学院でロシア文学研究に専念した後、図書館勤務を経て、
1964年より小説を書き始める。
1982年の『 ここがホームシック・レストラン 』 以来、
アメリカでは発表する作品がベストセラー。

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彼女の作品は、どの作品も、あらすじを聞いたら、
おそらく誰も気にも止めないような…極めて、至極、地味なお話。
普通の人々の、普通の生活を、普通に書いている、のが特徴と言えるのでは?! 
なのに、読み始めると、途中で頁を閉じるのが、惜しくて大変。
それだけ、不思議な魅力がある。不思議だ。

我が愛する北村氏のように、
一見つまらないエピソード(笑)から、細部を丹念に積み上げてくことで、
登場人物同士の関係をリアルに描きだす。  それはそれは、驚くほど緻密。 
人物描写のリアリティは、ずば抜けて上手い。


<あらすじ>
教師の父親と優しい母親、三人の子供達。
(長男ダニー30歳、次男イアン17歳、長女クローディア・既婚)
典型的なアメリカン・ファミリー♪ ベドロウ家の24年間を綴った物語。

長男ダニーが、二人(3歳と6歳)の子連れのルーシーと結婚したことから、
一家の幸福が崩れはじめる。
7ヵ月後、ダニーとルーシーの間に子供が生まれる。
しかしルーシーは、イアンにベビーシッターをさせ、子供(ダフニ)の世話もせず、
気分転換を口実に外出三昧。
そんな彼女を見て、イアンは浮気をしているのでは? と感じる。
そしてある日、イアンは兄ダニーに、ルーシーの浮気を告げる。
するとダニーは自らの命を絶ってしまった。
その後、しばらく三人の子供たちと暮していたルーシーも、自殺をしてしまうのだ。 

アン・タイラーの作品には、ショッキングなことが起こることは、ない。
本書内でも、この部分が唯一のショッキングなのである。

残された三人の子供のうち、連れ子であった上の二人は、
ルーシーの前の夫に引き取ってもらおうとしたが、彼の所在が、わからない。
結局、三人の子供はそのままベドロウ家に引き取られる。
両親は、子育てをするには…既に年をと取り過ぎていた。
兄の死に責任を感じたイアンは、贖罪を求め、
たまたま入った教会の牧師の勧めに従い人生の転機を迎える。
大学を辞め、子供たちの面倒をみる決心をするのだ。 
教会の名は「セカンド・チャンス教会」(苦笑)

言ってはなんだが、ここからは、ただの日常。日常。日常。日常。日常。日常! 
18歳だったイアンが、22歳、30歳、そして40歳になる。
生まれたばかりだったダフニも成人に。

ほぼ内容の全体とも言える、日常。
この、日常の面白さといったら!アメリカのホームドラマそのもの。
子供たちとイアンには血の繋がりは無い。
なのに誰よりも、強くしっかり繋がっている。
明るく、楽しく、ステキな家族なのだ。
一人一人のキャラが…イイ!  細かい描写に魅了されまくり。

日々さりげな~い、暖か~い、可笑しさが溢れています。  
子供ってサイコー! 本当に面白い!
ごく普通の日常や人生模様が、
これほどまでに読み応えある物語になってしまうとは。
さすがです。
アン・タイラーの得意とする描写は「子供」。  右に出るものは、いないと思う。

自分自身の人生を、この物語のように傍観してみたい気分になった。 

本来なら、重苦しくなるはずのテーマも、彼女の手にかかるとユーモアたっぷり。
且つ淡々と、休みなく描かれている。
24年間という、長~い時間をかけて、家族の姿を追っている作品です。

読後、様々な情景が、映画のシーンのように浮かび、頭から離れない。
今また、「ヘリコプター」を思い出しちゃった(笑)
  
少しでも、興味をお持ちいただけたら…  
是非、本書、読んでみてください。m(_ _)m
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by merrygoround515 | 2007-03-14 13:15 | Book