読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『 リミット 』 野沢尚  母性、素晴らしい!

リミット
野沢 尚 / / 講談社
ISBN : 406273172X
スコア選択: ★★★★★




『深紅』を、勝手気ままに薦めている私。
『深紅』と抱き合わせで薦めているのが本書。

『深紅』を若いママさんや10代、20代の
友人知人に積極的に薦めながら… 
年齢を問わず母親には(これまた勝ってに…)
本書『リミット』を薦めている。

*  *  *

連続幼児誘拐事件が発生。
この事件を追うのが
警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務、有働公子。
一児の母だ。

本件で彼女は、同じ親としての立場から
被害者のフォローの役目を担う。
ほんのちょっと目を離した隙に…
子どもたちが消えている。
決して我が子を放任したわけではない親たち。
心の傷と我が子の安否…e.t.c.

ところが、彼女も…
彼女の息子もターゲットになってしまうのだ。
ひとりの母親として、
事件の当事者となってしまった彼女は、
息子を取り戻すため、たった一人で立ち向かう。

同僚も上司も充てにはならない…。  
警視庁4万人を敵にまわし、裏切り者にされ…  
誰も信じられない状態… 内通者の存在が…?
そんな状況下、彼女はただひたすら、
仲間を欺き、犯人を追う。

私が息子を助ける。

ただそれだけ。  
理由は他には、ない。 周囲は関係ない。 
助けるのは自分だ、自分しかいないのだ、と。 
必ず息子を救う、強い信念。  
息子が寄せる母への信頼。  
親子それぞれの描写が、たまらない。 
 
今、思い出してみても、涙が流れます。

彼女からは、全く見えない犯人。 
無視できない怪しい密告者の存在。
彼らの誘拐の目的は・・・? 

目的は、臓器売買。   
臓器売買という恐ろしく、 また思いも依らないものだった。

日本ではまだ、
子供の臓器移植は認められていない。
医者は、臓器があれば助かる子供の命を
みすみす見逃してしまい、救えない。
親は、どんなに高い金を払っても
子供に健康な臓器を移植させたいと願うものだ。
お金が無くては、助からない。 
お金があっても、移植は出来ない。 
そう、結局誰も救えない。

とにかく、驚愕です。


この犯人たちの状況や、
誘拐の目的に関するディテールがまた細かく、凄い。 
怖いくらい。
果たして、戦慄の結末がまっています。

ひとりの人間として、ドップリ引き込まれてしまい…
本当に心臓に悪いくらい怖くて、 もう恐ろしくて…   
また、とっても切ない物語なのだけれど…
これは、親のとるべき姿を、在るべき姿を、
親の姿勢を描いているのだと思う。

日本は、臓器移植法があるため、
この犯罪が成り立つということが、とても印象的だった。
脳死と臓器移植についても、考えさせられ、
臓器売買という現実問題にも、
少なからず、目を向けさせられた。




簡単に言うと、和製「ターミネーター」かな。  フフフ。
ストーリーは、ジャットコースターの速度で展開する。
文庫で500頁だが、一気読み、間違いない。
しっかり時間を確保して、読んでください。




私は、ヒッキーの『B&C』を聞くと…  本書が浮かびます。
同じ人・・・ いないかしら?
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by merrygoround515 | 2007-04-27 10:30 | Book