読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『ぼくのキャノン』 池上氏初読作品!

ぼくのキャノン (文春文庫)
池上 永一 / / 文藝春秋
ISBN : 4167615045
スコア選択: ★★★★





タイトルだけ見て、これが何のお話なのか、分かる人は、
一人もいないでしょう。
カメラの話?とかいう人が大半ではないかしら。
タイトルから、
この本のストーリーを予測することは、無理だと思う。

私も(勧めてもらった身なので)少し知識があっただけ。
「沖縄」のストーリーなのだとね。
そうでなければ、もちろん想像もつかないわ。
それに、まさかこれほどの傑作だとは、ね。


 今、砲台が正午を告げた。

この一行から物語は始まります。
はあ?砲台?何だ? 
訳が分からないまま、読み進めることになりました。
実は、この砲台がキャノン。「キャノン様」です。
本書の主人公!と言ってもいいのではないかしら。

読み出して、しばらくは???のまま。
「騙されたか」などと、失礼な思いが浮かんだ。
いやいや、あっという間に読了。止められません。(笑)
早いテンポで読ませる筆力も然り、内容の濃さにびっくり! 
何より一番は、面白い!こと。

ミステリィに読み慣れていると、つい、先読みしたり、
頭の中で好き勝手に料理してしまいますよね。
作品に対しても、変な力が入ってしまってさ。
まあ、それが醍醐味の一つなのですが。
だから、読み出した当初は、いろんなことが頭の中で駆け巡って
???に拍車をかけてしまった。

人間、素直がいちばん。
物語の一員となって、すんなり入り込めばイイ。ただそれだけです。
面白可笑しく進みながらも、シリアスに村の謎を散りばめて・・・。 
池上氏、上手いですね。

「 マカト(オバァ) 」 「 樹王 」 「 チヨ 」の三人は、
共に60年間村を守り続けてきた。
──我らは村を守るために命を捧げると決めた。
  たとえ時代が変わっても、我らの思いは変わらない。
  たとえ歳月が我らを衰えさせても、決して思いは枯れない。
  たとえ命果てても、我らは永遠に村を守り続ける────。
                    (本文より)

村の謎も、何故マカトオバァたちが命を賭けてまで村を守るのかも
終盤までわかりません。
こんなにも辛い過去が、待ち受けていたとは。
一気読みになるのも、無理ないですよ。
 
その謎は、とても奥深い。  
村の謎の一端を担う戦争、考えさせられます。
このテーマは、とても重く、本来、暗いもののはずなのに。
登場人物がアホみたいに元気よすぎて。
その上、アニメやコメディー映画を思わせる破天荒な展開!
本書に盛り込まれまくった、ワクワク要素!
そこまでするの?(爆笑)だらけです。  
この楽しさ!お知りになりたければ、是非、ご一読を!

読んだ人だけが、味わえます。今はヒ・ミ・ツ。
               
意外な展開をひた走る中、
大笑いしてしまったのが…(一部だけ特別に)

村の秘密を守るため、4年生の男子生徒である雄太に、
日本国内で発禁処分になった大ベストセラー、
国際女優、北崎倫子のヘアヌード写真集が、宛がわれたの。
小学生によ!
北崎倫子さんとやらは、アカデミー賞作品の主演女優!
知名度がピークになった時、このヘアヌードが
出版されたそうだ。
海外をも巻き込んで空前のベストセラーになった。
ただし、日本では発禁処分(笑)
よって、プレミアもプレミア、超プレミアもの。
誰もが誇大妄想を胸に、欲する一冊なのだそうだ。

本書の初版は、2003年。
2007年現在で読んだ私ですもの…
ここの場面ですぐに菊地凛子さんが浮かんでしまったわ………
やっぱり、ダメ?「りんこ」繋がり・・だけですが。スミマセン。
なわけで、個人的に、雄太に仕込まれた一ネタに、ウケテしまった。

終盤は、事態が一気に流れ出すので、泣いたり怒ったり、
私・・・大忙しでした(苦笑)
デイゴの木の秘密を知ったときは…胸がいっぱいで、たまらなかった。
とにかく、楽しくて、悲しくて、喜怒哀楽を堪能できる…
お得な一冊です。
特筆するなら・・・
はっきりくっきり、頭の中でイメージが映像化できた作品でもあります。

私の中で、春のドラマが…ワンクール終了した感じです。(笑)

この村の謎である問題は、永遠に続きます。
マカトオバァから次世代へ、そしてこれからも永遠に。
結末は、爽快爽快この上なし! 
心が温かくなります。 
村の未来にエールを送って読了。

いろいろ考えさせられる作品ではあるが、 
気持ちよかったぁ~。きっと、読み返したくなりますね。

沖縄~☆ 本土へは以前、立ち寄っただけなので。
一度は行ってみたいな。
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by merrygoround515 | 2007-02-13 11:30 | Book