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by merrygoround515

『行きずりの街』 シミタツ節に萌~♡

行きずりの街 (新潮文庫)
志水 辰夫 / / 新潮社
ISBN : 4101345112
スコア選択: ★★★★


徹頭徹尾、男のロマン。
これぞ王道。

どうやら本書、またブームがきているらしい。
書店で平積み+POPが多くみられる。
シミタツファンとしては嬉しい限り。
1990年度このミス大賞作。はい、古い作品です。


畳み掛けるような心に響く言葉の数々。
あっぱれな描写力にリリカルな文体。
闊達な文章力。 とまぁ、志水節をこれでもかー!と、
噴出している作品でもある。
「志水節」に酔いしれる読者、続出なのではないかな。

ストーリーは、ミステリィとは言い難い…。
ハードボイルド色の強い、恋愛(夫婦)小説だね。

12年前、私立高校で教師をしていた主人公・波多野。
生徒との恋愛沙汰からその職を追われ、結果、
結婚生活も職場も失い、東京から逃げ出した…。
郷里の丹波で塾を経営している40歳のオヤジだ。
ある日、彼の教え子が東京で失踪。
教え子の伯母に頼まれ、少女を捜すため東京へ。
すると、背後に以前の職場である学園の存在が。
物語の展開は、主人公が上京後から急ピッチに進みます。
敵か?味方か?わからない登場人物の出現。
徐々に明らかになってゆく主人公の過去。
そして嘘、裏切り。
でも、
失踪事件をきっかけに、主人公と学園の関係しかり、
過去の追放劇との絡ませ方は、賛否両論。
確かに考えてみると、ちょっと無理がある気もする。
でも、背景の人間ドラマは、心にグッと添うはず。

物語の中の、別れた妻との12年ぶりの再会劇。
いくつものわだかまりを抱えた元夫婦。
事件と平行して展開する二人の関係は、絶妙です。

恋愛小説としても一級品ではないかしらん。
最後に
解説でも取り上げられている志水節を…

「雅子はわたしのすべてだった。いつだってかぐわしく、
温かく、やわらかくて、しなやかで、強靭で、無限だった。
それはなによりもすべすべした感触であり、過敏で、
貪婪で、疼きやまない官能を持っていた。
腕の中で小さな叫び声をあげている雅子の肉体こそ、
わたしの夢と欲望の出発点であり同時に到達点でもあったのだ」


素晴らしいとは思いませんか?



きっと本書に対する皆さんの評価は
手厳しいものだと思うので…
あえて、☆4つ行かせていただきます!

※日本冒険小説協会大賞受賞作
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by merrygoround515 | 2007-09-07 16:40 | Book