『チルドレン』 伊坂 幸太郎 陣内、憎めないなぁ
2007年 08月 03日
チルドレン (講談社文庫 (い111-1))
伊坂 幸太郎 / / 講談社
ISBN : 4062757249
スコア選択: ★★★★★
「短編集のふりをした長編小説」
五つの短編からなる作品。
作者もあとがきで 『はじめから終わりまで、
一つの長い物語として読んでいただければ幸いです』
と、語っている。
でも、一つずつの短編として読んでも、十分に面白い。
「バンク」
あっという間に、引き込まれ、戻れなくなる。
銀行強盗と被害者の心理描写、不思議と違和感がない。
陣内のはちゃめちゃな個性は、立派です!(笑)
人質が銀行強盗の前で突然歌いだすなんて…
カッコイイ~! アハハ
「チルドレン」
家裁調査官として働く、陣内と武藤。
もちろん、破天荒な陣内に翻弄されまくる武藤。
陣内の乱暴な主張に影響された武藤の行動、
そして、謎が少しずつ明らかになっていく様子…
テンポよく、とても面白かった。
「自分で買えよ」は、私も異口同音(笑)
「レトリーバー」
『あらゆるものごとのなかで一番悲しいのは、
個人のことなどおかまいなしに、世界が動いて
いることだ。 もし誰かが恋人と別れたら、
世界は彼のために動くのをやめるべきだ』
という、カポーティ小説にでてくるの言葉の通り…
自分の失恋によって、「世界が止まった」
と、陣内は主張するのだが…。∴∵ゞ(゚ε゚ )ブッ
陣内、永瀬&恋人優子が登場。
告白に挑む陣内には、大爆笑させられた。
陣内の語りべは、参りました。
「チルドレンⅡ」
再び、陣内と武藤が活躍する。
冒頭の
「飲みに行こうぜ」「何を飲みにですか?」
「麦を発酵させて作った酒を、五百ミリリットル
くらいのジョッキで五杯ほどだよ」
最高です!
強引で横暴でスーパー自分勝手な陣内だが
彼の発する言葉の意味は、深い。
単なる屁理屈だと一蹴できない。
この一遍は、本書の中枢を担う位置づけです。
ラストは爽快この上ない!
カッコイイ。の一言だ。
「イン」
デパートの屋上でアルバイトをしている陣内に、
永瀬と優子が会いに行く日のエピソード。
オチはよめた。
永瀬の視点で語られるこの物語は、彼らしく
とても静かで、ジンワリと温かみを感じられる一編だ。
最後に本書で一番好きな陣内を。
とにかく、一貫して盲目の永瀬を特別扱いしない。
常人と同じく接する陣内の姿が好きだ。
中でも…
見知らぬ女性が、永瀬に5,000円札を握らせる。
それを知った陣内の言葉。
こんなこと…絶対言えない。
気になった方、どうぞ、本書お読みください。
「チルドレン」=全ての人間はだれかの子供である。
陣内の歌うビートルズ、聞いてみたい。
伊坂 幸太郎 / / 講談社
ISBN : 4062757249
スコア選択: ★★★★★
「短編集のふりをした長編小説」
五つの短編からなる作品。
作者もあとがきで 『はじめから終わりまで、
一つの長い物語として読んでいただければ幸いです』
と、語っている。
でも、一つずつの短編として読んでも、十分に面白い。
「バンク」
あっという間に、引き込まれ、戻れなくなる。
銀行強盗と被害者の心理描写、不思議と違和感がない。
陣内のはちゃめちゃな個性は、立派です!(笑)
人質が銀行強盗の前で突然歌いだすなんて…
カッコイイ~! アハハ
「チルドレン」
家裁調査官として働く、陣内と武藤。
もちろん、破天荒な陣内に翻弄されまくる武藤。
陣内の乱暴な主張に影響された武藤の行動、
そして、謎が少しずつ明らかになっていく様子…
テンポよく、とても面白かった。
「自分で買えよ」は、私も異口同音(笑)
「レトリーバー」
『あらゆるものごとのなかで一番悲しいのは、
個人のことなどおかまいなしに、世界が動いて
いることだ。 もし誰かが恋人と別れたら、
世界は彼のために動くのをやめるべきだ』
という、カポーティ小説にでてくるの言葉の通り…
自分の失恋によって、「世界が止まった」
と、陣内は主張するのだが…。∴∵ゞ(゚ε゚ )ブッ
陣内、永瀬&恋人優子が登場。
告白に挑む陣内には、大爆笑させられた。
陣内の語りべは、参りました。
「チルドレンⅡ」
再び、陣内と武藤が活躍する。
冒頭の
「飲みに行こうぜ」「何を飲みにですか?」
「麦を発酵させて作った酒を、五百ミリリットル
くらいのジョッキで五杯ほどだよ」
最高です!
強引で横暴でスーパー自分勝手な陣内だが
彼の発する言葉の意味は、深い。
単なる屁理屈だと一蹴できない。
この一遍は、本書の中枢を担う位置づけです。
ラストは爽快この上ない!
カッコイイ。の一言だ。
「イン」
デパートの屋上でアルバイトをしている陣内に、
永瀬と優子が会いに行く日のエピソード。
オチはよめた。
永瀬の視点で語られるこの物語は、彼らしく
とても静かで、ジンワリと温かみを感じられる一編だ。
最後に本書で一番好きな陣内を。
とにかく、一貫して盲目の永瀬を特別扱いしない。
常人と同じく接する陣内の姿が好きだ。
中でも…
見知らぬ女性が、永瀬に5,000円札を握らせる。
それを知った陣内の言葉。
こんなこと…絶対言えない。
気になった方、どうぞ、本書お読みください。
「チルドレン」=全ての人間はだれかの子供である。
陣内の歌うビートルズ、聞いてみたい。
by merrygoround515
| 2007-08-03 12:11
| Book