読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『世界の終わり、あるいは始まり』 微妙です・・・

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
歌野 晶午 / / 角川書店
ISBN : 4043595042
スコア選択: ★★★





読み方を間違えてしまった。

物語をなかなか素直に読もうとしなくなっている・・・
自分が全て悪かったのですが。
そう、ひねくれ者の私が悪いんです。
島田荘司氏の推薦で本格一期生としてデビューされた方ですよ。
スリリングなストーリーやあっと驚かされる展開を、
もちろん期待するじゃないですか。
予備知識が、歌野氏ってことだけだったのも災いしました。

この作品、深読みも頭を働かせながら読み進むのも・・・
NGです。
素直な気持ち、素直な心で、純粋に、猜疑心を抱かず、
読み進んでいくことが絶対にベスト。


物語は、一つの誘拐殺人事件から
すぐに連続誘拐殺人事件へ突き進みます。
犯人である可能性を息子に見出した父親。
その父親の息子に対する疑惑と苦悩。
疑惑が確信へと変わり、父親の精神状態は崩壊寸前。
父親の(というか人間の)内面を
見事に描ききっていると思う。エグイ作品です。

だからあれこれ考えたりせず…
わくわくしながら読むべきだったのです。
今更、後悔しても仕方ありませんが。

作品自体は、凝った語りで、身に詰まされ、
同情したり、共感を抱きながら・・・
グイグイ読まされました。
好きです。出会えてよかった!と思っています。
だからこそ、後悔しているの。  
普通に読みたかった・・・。

父親の人間性を表した箇所引用します。

『誘拐事件は、ごく近所で発生したとはいえ、
 しょせん他人の不幸でしかない。』

『世の中で何が発生しようと、
 たとえロシアの原子力発電所がメルトダウンしようと、
 いやそんなに遠くなくていい、
 東北の核燃料施設で放射能漏れが発生しようと、
 その汚染が直接わが家に届かないかぎり、
 自分はきっと平和を感じているに違いない。』

その通り。
みんな自分が、自分の家族が、自分を取り巻く家庭環境が、
何よりも可愛いし、大切!
この父親の本音いいですよ。
何処にでもいそうな普通の父親なのですが。

で、ラストです。
結構、危険かも。 
真っ二つに分かれそうですね。

ちなみに、私の感想は・・・
読了直後は・・
「このラストはダメだわ。イヤ。気に入らない。」
一夜明けた時点では・・・
「有りなのかも。これがベストなのかも。」(笑)


父親の深層心理、ドギツイ描写には、胸が打たれました。
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by merrygoround515 | 2007-01-19 23:30 | Book