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by merrygoround515

『包帯クラブ』 天童 荒太

包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)
天童 荒太 / / 筑摩書房
ISBN : 4480687319
スコア選択: ★★★★





刊行当時、話題に上っていたことは知っていた。単行本ではなく新書ということも。
しかし、「包帯クラブ」 という奇妙なタイトルに、微塵も魅力を感じなかった。
著者の名作、 『永遠の仔』 や 『家族狩り』 は既読だったが・・・
「包帯クラブ」 には、はっきり言って 「???」 パスだな。 と判断してしまった。

今年、映画化されることを知り、ええっ?面白いの?と、慌ててしまった。
一応、確認のためと、あまり期待はせずに読んでみた。

どっぷり感情移入。 共感しまくり。 ポロポロ、ポロポロ、涙が流れる。
際立つキャラだらけの作品に、読後真っ先に
「面白い・・・ おお!配役は?誰が誰だ???」と、 食い入るように表紙を確認した、
何ともマヌケな人間です。 m(_ _)m


物語は、映画も公開されたことだし、存じている人ばかりだろうと思う。
以下、筑摩書房の紹介文より。
関東のはずれ、とある町に暮らす高校生たち。
なんてことない毎日だけど、どこかで少しずつ傷ついている…。
ある日ふと、傷ついた場所に包帯を巻いてみたら、気持ちがすっと楽になった。
それが「包帯クラブ」のはじまりだった──。
天童荒太が「いまこれを書かなくては」という思いに後押しされ、
7年ぶりに書き下ろした、小さいけれど大きな物語。

登場人物は皆、極々普通の高校生なのに、
傍からは予想も付かない悩みを抱え、傷付いていた。
思春期ならではの悩みとも取れるが、一歩間違えば犯罪級の傷もある。
一人一人が無事乗り越え、やがて大人へと成長してく過程が、見事だった。

間違ってはいけないのは、この物語には「現在と過去」が存在していること。
主人公「ワラ」は高2の女子高生として登場するが、
実際は(現在)既に大人になっており、海外でのNPO活動に参加しているのだ。
彼女がNPOに参加することになったきっかけを振り返り、Webに投稿した文章!
と、いうのが物語のベースにあり、一つのスタンスにもなっている。
幕間には、Webの管理人ほか、「包帯クラブ」 のメンバー達による投稿記事という、
サブエピソードが組み込まれ、なかなか面白い構成になっていた。
ラストでは、思わず吹き出してしまったほどだ。  それもニヤニヤしながらね。


「包帯」という「痛み」のメタファーとして利用されるであろうオブジェを
「癒し」のオブジェとして利用する。   たかが包帯、されど包帯だ。
読後、不思議なことに、包帯を愛おしく感じる作品だ。


映画は多分、観ることはないと思う。 (レンタルになってもね)
でも、珍しく、ちょっと気になる作品ではある(笑)。
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by merrygoround515 | 2007-11-22 09:38 | Book