読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『しゃべれどもしゃべれども』 佐藤多佳子

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子 / / 新潮社
ISBN : 410123731X
スコア選択: ★★★★







映画化されたこともあり、あまりに皆が絶賛するので… 読んでみることにした。
実は、積ん読作品の中に埋もれていたため、見つけるのに苦労してしまったのだ。
毎月、読もう、読もう、と思っていたが、ついつい後回しにしてしまっていた。
今は、穴があったら入りたい心境です。 
何ヶ月放置したんだろう… 本書にお詫びを申し上げたいわ(笑)。

先に言ってしまおう。 
私は主人公の三つ葉さんに、国分太一くんのイメージは持てない。
何故国分くんだったのだろう・・・  解せない。 それに、十河さんも香里奈とは違うわ。
映画を観るつもりは無いので、イイのですが。


俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。
三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。
自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。
そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。
だけどこれが困りもんばっかりで…
歯切れの良い語り口で、言葉に出来ないもどかしさと不器用な恋を描き、
’97年「本の雑誌選ぶ年間ベストテン」第一位に輝いた名作。     (裏表紙より)

この三つ葉さん、最高にステキなの。江戸っ子の代表!気さくでキップがいい!
が、鈍感だし(笑)けっこう悩んでばかりだし、如何せん気は短いし…
まぁ、そこそこのダメな奴なんだけど。 でも、でも全く憎めないのだ。
だって彼、むちゃくちゃいい奴なんだもん。
そんないい奴、三つ葉さんの他に、困りもん達四人衆がまた、魅力的。

●三つ葉のいとこで、大学生の綾丸良。 
 吃音気味で、気の弱~いテニスコーチをしている。テニスの腕は立つ。
●失恋した、女優崩れのOL=黒猫(三つ葉命名)こと、十河五月。
 他人に対し、無愛想で、攻撃的になりがちで、なかなか素直になれない女性だ。
●都内へ転校して来た小学5年生の村林優くん。
 関西弁を話すことで、周囲から孤立し、苛められている。
●毒舌家なのだが、取り繕うことが出来ない元プロ野球選手の湯河原太一。
 表舞台に立つと、信じられないほど、口下手になる野球解説者。

これら個性的な四人の面々が、
揃って三つ葉さんを師とし、会話(話し方)指導教室を受けるのだ。
落語を覚えることが基本だが、初めは皆が揃っても、落語どころではない(笑)
彼らは、無事落語を覚え、話すことにより、
己の話し方の欠点を克服することが出来たのか。 出来るのか?
彼らの行く末は… それは読んでのお楽しみです。 アハハ

落語の魅力もふんだんに散りばめられ、
三つ葉さんの現代人とは思えない古風な考え方や、落語に対する情熱には感服。
しかし、彼ら四人の変調は、決して「落語」のおかげではなく、
「仲間」のおかげなのではないかと、感じる。
本書は、芸道小説ではなく、あくまで下町人情物語であるからだ。

よっ、達也! 粋だぇ~。


読後はきっと、誰もが皆「いい人」になっているはず。 ほっこり♡
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by merrygoround515 | 2007-09-21 15:10 | Book