読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『檸檬のころ』 豊島ミホ

檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)
豊島 ミホ / / 幻冬舎
ISBN : 4344409221
スコア選択: ★★★





書店に行くだびに、気になっていた。
映画化(最近この言葉に釣られまくっているなぁ~)されたということで(笑)
思い切って手に取りました。  豊島さん作品、お初です。 


東北の田舎町。コンビニの一軒もない、とある県立高校が舞台。
一話ごとに主人公が代わり、物語は一人称で進みます。
主人公は女性だけでなく、男性も登場(担任の先生も登場)。
連作短編集の特性を生かした作品。とても、上手な繋げ方です。
全7編収録。

作中の田舎町では、事件も事故すら起きません。
ただ、淡々と流れている日常が描かれていました。
あまりに平凡で、なだらかなので…
読後、物語の内容が消えてしまいそう…。
つまらないわけでは、ないのに。 
今一つ、物足りない感じが残るの。
それに、一見平易な文章で綴られている作品なのに、何故だろう?
登場人物たちから、あまり幸せな感じを受けなかった。
決して不幸でも、悲しい物語でもないのに。 
感情移入が出来なかったこと、物足りなさの要因かもしれない。

ううむ、実に不思議な作品だ。


「タンポポのわたげみたいだね」
「金子商店の夏」
「ルパンとレモン」
「ジュリエット・スター」
「ラブソング」
「担任稼業」
「雪の降る町、春に散る花」


何だろう、作品を楽しむというより・・・
むしろ、自分自身を振り返りたくなって、おセンチになれる。
読むものを、懐かしい気持ちでいっぱいにしてくれる…
懐古趣味などないのに…
何故だろう? 気付くと若かりし頃の自分が目の前にいるの。
何とも、稀有な作品ですね。

高校時代の思い出は、既に遥か彼方にあるのだが
本書を読了後は、懐かしく、ちょっと色褪せた出来事が
自然に浮かんでは、消えていきました。


純粋な恋愛や進学に悩んだ高校時代、誰もが経験してきた日常、
こんな風に一つの作品に仕上がってしまうのですね。
豊島さん、是非、他の作品も読んでみたいな。


個人的には 「担任稼業」 好きなんです。 アハハ
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by merrygoround515 | 2007-11-27 12:29 | Book