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by merrygoround515

『センセイの鞄』 川上弘美

センセイの鞄 (文春文庫)
川上 弘美 / / 文藝春秋
ISBN : 4167631032
スコア選択: ★★★★





この作品は、うまく説明ができない。
なんて言ったらいいのか・・・  
ううむ。 言葉じゃ無理だ。

30歳の年の差カップルの出会いから別れまでの物語。
恋愛に駆け引きも、波風も、もちろん支障すらない、二人。
ツキコ37歳&センセイ70歳手前。 共に一人暮らし。
それぞれが行きつけにしている駅前の居酒屋「サトルさんの店」
そこで偶然に再会した二人は、教え子と恩師だった。

飄々としたセンセイと、ちょっととぼけた感じのツキコさん。
二人の会話はとても楽しい。
センセイは、どこまでも丁寧な言葉で話し、ツキコさんはきちんと敬語を使う。
惹かれ合う二人の会話に、不思議な面白さが滲み出る。

日常は、まったり、のんびり。
二人の生活は、極々普通。
そんな中、第一印象は、美味そうに酒を飲むなぁ(笑)。
それに注文する酒の肴が、やたらとシブい。
無類の酒好きである私。もちろん焼酎グラスを片手に読んでいたが、
何かあてが欲しくなってしまった。
主人公のツキコさんとは、年齢が近いので共感する点が多かった。
日常に起こる些細な状況は、誰にでも経験があるような感が強い。
ツキコさんの生活観には、簡単に感情移入してしまった。

あえてマイナス面を挙げるなら、
ツキコさんの気持ちには、最後まで同感できなかった。
どうしても想像しにくい展開なのだ。(あくまで、私がね)
至極自然に描かれており、微笑ましいのだが…。
当事者目線に立つことは、やはりちょっと苦しい。

本当の愛ではないのではないか?と、
最後まで、素直になりきれない自分がいた。
そんな私の邪念はムダ骨だったのですが(苦笑)

心からの安らぎは、自分にとって最高のパートナーと
出会ってこそ、得られるものなのだ、と教えられました。
他に類をみない「恋愛小説」だった。

本書は、寒い冬に、ぴったり。 
心から暖まりますよ。  ほっこり♡
二人の人生、是非覗いてみてください。


『センセイの鞄』 というタイトルの上手さに、脱帽。
ラストは、私にも「センセイの鞄」が見えた気がする。


※2001年谷崎潤一郎賞受賞
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by merrygoround515 | 2007-12-05 20:36 | Book