読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『GOTH』 乙一  (夜の章&僕の章)

GOTH 夜の章 (角川文庫)
乙一 / / 角川書店
ISBN : 4044253048

GOTH 僕の章 (角川文庫)
乙一 / / 角川書店
ISBN : 4044253056

スコア選択: 夜&僕  ★★★★





単行本は 『GOTH リストカット事件』 として発表され、
「第三回・本格ミステリ大賞」 を受賞した。
文庫化に当たり、編集者が「夜の章」と「僕の章」に分けたらしい。
それぞれ三作を収録。

「夜の章」
 ① 暗黒系 Goth
 ② 犬 Dog
 ③ 記憶 Twins  

「僕の章」
 ① リストカット事件 Wristcut
 ② 土 Grave
 ③ 声 Voice


主人公の「僕」は、
クラスでは明るい生徒を装う高校2年生。
彼は、常に闇を見つめて暮らしている。
とにかく死体や殺人、殺人方法や犯行状況などに、
異様なまでの興味を覚える人間なのだ。(><;
彼は自らの位置づけを
「自分は人を殺す側」だ、と認識している。
彼は、同じ臭いを感じる…趣味や性格が似通った
クラスメイト、森野夜と話しをするようになる。 
森野さんは、僕以外の人間とは口を聞かない。
いつも「死」をみつめている森野夜は、僕に言わせると
「僕は殺す側の人間、彼女は殺される側の人間」なのだそうだ。
言い得て妙である。
彼女が殺される側ということは、読めばはっきりします。
そんな二人が出会う、暗くて不気味な事件の数々が、
薄気味悪~~く、連作で綴られる短編集。

物語は、摩訶不思議な恐怖に包まれている。
「僕」の殺人鬼的な思考しかり、猟奇殺人の描写まで、
ダークでグロテスクな世界が広がっている。

なんでそんなに人の死が魅力なの?
何に惹かれるの?
知人が死んでも平気なの? 悪魔だ…。

サイコサスペンスの怖さは、もしかしたら自分も
そんな精神状態に陥ることがあるのかもしれない…
という不安が含まれている気がする。
でも、本書はそんな次元の話ではなかった。
突飛過ぎて、はっきり言って理解できないほどだ。
彼らには、世間一般の道徳観が一切ない。
だからこそ、何とも言えない…初めての恐怖を感じた。
気味が悪くて、異様な怖さだった。

主人公たちの倫理観も、ちょっと普通ではない。
●残虐な行為をする犯人を見つけても、
 警察には届けない。届けるつもりも無い。
●今後の犯罪の進行をじっと見守り、次の被害者を待つ。
常に、彼らはそういった状況下に置かれている。 
変だ、変。狂ってる。
彼らは単に「見たいから」そうしているだけなのだ。 
それが『GOTH』という題名に繋がっている…。

内容にはあえて触れないが、
新感覚の恐怖が体験できる、稀有な作品。
乙一という作家には、 一体どれほどの広い引き出しがあるのだろうか。
その頭の中には、
凡人には計り知れない才能が、溢れんばかりに詰まって いることだろう。


そうだ、言い忘れたが、
本書は、子供たちには、読んで欲しくない。
あくまでも、大人限定ですよね。
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by merrygoround515 | 2007-12-06 16:36 | Book