読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『親不孝通りディテクティブ』 北森鴻

親不孝通りディテクティブ (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062754746
スコア選択: ★★★★







博多の長浜で、おでんとラーメン、そしてカクテルを出す屋台を営む
テッキこと鴨志田鉄樹。  テッキとは腐れ縁な同級生、
華岡結婚相談所の調査員、キュータこと根岸球太。
高校時代は「鴨ネギコンビ」と呼ばれた、どちらも29歳。
という二人が主人公だ。
どう云う訳か…二人の下へ日常的に調査依頼が舞い込んでくる。
その結果、様々な事件に巻き込まれることに。
そして、それぞれのやり方で解決していく。
センチメンタル&ハードボイルドなミステリィ連作短編集。全6編。
手法がまた、面白い。
テッキとキュータが、それぞれの一人称で交互に語っていくのだ。
短編の作中でいきなり語り手が代わるのって、掛け合い的で、
なかなか面白い経験だった。

北森作品とは、『花の下に春死なむ』で出会い、本書はまだ二作目。
今回も、『花の下・・・』程ではないが、調理師免許を持つ北森氏らしく、
おでんとカクテルがいくつか登場する。  アルコール片手が必須の作品だww

萌えポイントだったのがww テッキの許に難題が持ち込まれる前触れ・・・
≪いやな予感がした。こうした夜に限って、疫病神はこの店に降臨する。≫
そして、キュータが現れる。そう、疫病神とはもう一人の主人公のキュータ。
この二人、お互いを理解しているからだろうが、ホントにいいコンビなのだ。
行動力と話術に長けたキュータと、頭脳と冷静さで事の真相を見極めるテッキ。
お互い話し合って調査に当たるわけではないのに、自然と分担されているのが
心地イイ。 相手を理解する心意気も実に、頼もしい。

またサブキャラも個性的!凄いのばかりが登場する。
一押しは、何といっても “歌姫” だ。
ライブハウス<ヘブン>の経営者&シンガーなのだ。
彼女の物語だけで、一冊書けそうなインパクトなんだもの。
あっ!ハードボイルドに欠かせない悪徳警官も、もちろん登場しますよ(笑)。

キュータの博多弁に、ついつい笑ってしまったが、
「~ったい」 「~やろうもん」 「~じゃと」 という聞きなれない言葉の数々に
なんかこう、温かみがあってテンポがあっていい感じ。(*^^)v
博多には、全く馴染みはないが、読後は近くに感じたもんなぁ。
 
 
「セブンス・ヘヴン」  登場人物紹介編といった感じ。
キュータが勤める結婚相談所で出会い、結婚したカップルが心中した。
発見者は、キュータ。でもって容疑者。

「地下街のロビンソン」 サブキャラ「歌姫」登場。
歌姫から人探しを依頼されるが、複雑な人間関係から事件が入り組み…
結末は、重くて辛い。

「夏のおでかけ」  テッキの謎に迫るサスペンス劇、かな?
テッキは毎年、夏の間の二週間だけ店(屋台)を閉める。
その理由が明かされ、さらには別な事件へと発展。
軟派なキュータに、イラッとしたww

「ハードラック・ナイト」  二人の本名とコンビ名が判明!
過去も明らかになる重要な作品。テッキの元カノ小坂奈津美が登場。
女子校生の暴行屍体を軸に事件の真相解明は楽しめる。が、
女子高生の考えていることには、納得できない。

「親不孝通りディテクティブ」  テッキの店では、カクテル「雪国」は永久欠番。
その理由となった、ホームレスのヒデさんが巻き込まれた、二年前の事件を語る。
事件の裏には、ヒデさんの人柄が、人間味が溢れていた。情感たっぷりな表題作。

「センチメンタル・ドライバー」  二人の高校生活の一部が明らかに。過去の因縁物語。
性根の腐りきった悪党には、どう対処したらイイのだろうか。
本書はこれで完結なんだと、締め括られた作品。  
結末には、いろいろと考えさせられた。  
   

しかし、北森氏って、すごい多作な方なんですね。
「蓮丈那智シリーズ」や「冬狐堂シリーズ」というのもあるらしい。
これからも地道に追い続けたいと、思う。
先ずは、「香菜里屋シリーズ」二作目からだけどね。
既に刊行されている 『親不孝通りラプソディー』 は、
本書の「ハードラック・ナイト」にちょこっと出てきた・・・
二人の高校時代のエピソードが描かれているみたいですね。
文庫落ちしたら、そちらも読んでみようっと。  ワクワク

北森氏、ついて行きまぁ~す。
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by merrygoround515 | 2008-01-23 11:48 | Book