読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『さよなら妖精』 米澤穂信

さよなら妖精 (創元推理文庫)
米澤 穂信 / / 東京創元社
ISBN : 4488451039
スコア選択: ★★★






本書は、東京創元社のミステリ・フロンティア第3弾
として発表されたそうですが、ミステリィなのだろうか?
確かに「日常の謎」は多々点在している。
でもミステリィと言えるのかな?
これが「ライトノベル的社会派ミステリ」ってことなのかなぁ。

結構スロースターターな作品だった。
そうです、序盤から中盤は、とても退屈でした。
何度、このまま半永久的に閉じてしまおうかと思ったことか・・・
実際のところ、中断に継ぐ中断でやっと読了したのだ。
米澤氏の文体は、好きな方だ。(まだ二作目だが…) 
だから諦めきれなかったのかも、しれない。
終盤になってからというもの、意外や意外!
流れというか展開が、絶妙だった。

物語は、
ユーゴスラビアの解体が始まった1991年~1992年のこと。
主だった主人公は、
ユーゴから来たという、マーヤと名乗る17歳の少女と、
偶然出会った高校三年生の守屋路行と太刀洗万智。
2ヶ月間、日本に滞在するのだが、
行き場が無くなり途方に暮れているというマーヤ。
行きがかり上、マーヤの面倒を見ることになった主人公たち。
マーヤは、彼らの同級生、白河いずるの許で暮すことになる。
いずるの家は、民芸旅館「きくい」を営んでいたからだ。
果たして、主人公たちがマーヤとともに過ごす2ヶ月間が始まった。
それは、ささやかな謎に満ち満ちたた2ヶ月間。
そして、主人公たちの人生に、また心の中に、
深く刻み込まれた2ヶ月間となるのだ。

物語は、2ヶ月の滞在を終え、
必ず手紙を書く、と約束を残し、
マーヤが日本を去ってから1年後・・・
それぞれ大学生になった守屋たちが、
手紙の約束が果たされないことからも、
マーヤの謎について調べることへ展開している。
この物語は、
「マーヤはユーゴの何処へ帰ったのか?」
という謎が仕掛けられているのだ。

終盤・・・
マーヤの帰国前日、「きくい」で開かれた送別会で、
守屋の懇願をにべも無く断るマーヤ。

一年が経ち、ユーゴを調べ・・・
それでもマーヤの力となり、助けになりたい、と決心した守屋。
マーヤの居所を探求することが、自身のやるべき事だと信じる守屋。

届いた手紙。
太刀洗の心の内。 
次々と明かされる驚愕の数々。

惜しむべきは、
彼女の国名から、ある程度このラストが見えてしまったことかな。

スタート時の苦痛はどこへやら(笑)
深い余韻を感じながら、満腹で読了。



私、ユーゴに関する知識を、全く持っていなかった^^;
読後、気になったので、少しだけ、調べてみた。

≪ユーゴスラビア≫
クロアチア、セルビア、モンテネグロ、マケドニア、
ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロヴェニアの六つの
共和国から成る多民族国家。
その統治の難しさは
「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、
 3つの宗教、2つの文字により構成される1つの連邦国家」
と表現されたらしい。

≪ユーゴスラビア紛争≫
1991年
クロアチア(クロアチア紛争)→ 4年後、独立。
スロヴェニア(十日間戦争)→ 独立。
マケドニアが独立宣言 → 翌年、独立。  
1992年
ボスニア・ヘルツェゴビナ
(ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争)が独立宣言。
残ったセルビアとモンテネグロが、
『ユーゴスラビア連邦共和国』に改名。
しかし、この力関係が、セルビア>モンテネグロ。

そして2003年
「モンテネグロの独立を、向こう3年間凍結すること」を条件に、
力関係をセルビア=モンテネグロとしようとした
『セルビア・モンテネグロ』が誕生。

しかし2006年
やっぱりモンテネグロは独立したかった。
欧州連合の条件を満たす国民投票により、
『モンテネグロ』は独立。
承認した『セルビア』は単独国家となった。
“ユーゴスラビア”を構成していた6共和国は、
それぞれ完全に独立した。
ほんの16年ほどで、急変してしまった国だった。
「哲学的意味がありますか?」
※参考「ユーゴスラビア」Wikipediaにて


次は 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 にしよう!
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by merrygoround515 | 2008-01-28 10:22 | Book