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by merrygoround515

『心臓と左手』 石持浅海

心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)
石持 浅海 / / 光文社
ISBN : 4334076610
スコア選択: ★★★★






主な登場人物は、二人。
警視庁の大迫警視(ベテラン刑事)と、
11年前のハイジャック事件をきっかけに知り合った
「座間味くん」というニックネームをつけられた青年(30代半ば)。
偶然の再会後、親交を深めた二人は、時々待ち合わせては、
食事をします。酒を酌み交わしながらの話題は、
大迫による、すでに“終わった”事件の顛末。
大迫が座間味くんに、警察により解決した事件を語ると…
座間味くんの鋭い推理から、違った一面が垣間見えはじめ、
思いもよらなかった事件の別の姿が、次々とあらわになっていきます。
いわゆる「安楽椅子探偵モノ」。 
『月の扉』 の続編を含む、全7編の連作短編集。

特筆すべきは、
やはり「安楽椅子探偵」である座間味くんの存在。
その全てが魅力的なのだ。
常に冷静で、出しゃばらず、しかも頭がすこぶるキレる。
子煩悩で家族思い。仕事もきっとやり手なのだろうな。
奥さんと夫婦揃って沖縄が大好きで、ダイビングが趣味。
幼稚園に通う子どもと、10年後には沖縄へ行きたいと画策している。
一見大人しそうに見えるが、意外にもハッキリした性格なのだ。
残念ながら(前作同様)、最後まで彼の本名が
明かされることはなかった。 あくまでも「座間味くん」でした。

大迫警視と座間味くんが待ち合わせをするのは、
新宿の大型書店。 (二人が偶然に再会した場所である)
いつも、座間味くんが先に着ており、彼は雑誌のコーナーにいるのだ。
そこから、場所を移し、主に個室のある、料理屋へ直行します。
毎回、違ったお店に入るのですが、登場する料理の数々は、
高級で美味しそうなものばかり。 流石は大迫警視(笑)。
食欲をそそられること、間違いない。
空きっ腹には辛いので、空腹時の読書は避けた方がイイです(笑)。

最後に特筆しておきたいのは、真相の意外な壮大さです。
大迫によって、語られる事件からは、予想もつかないようなドラマが、
座間味くんの口から語られるのです。
よく、この小さな謎から、これほどまでの大きな真相へ物語を
膨らませられるものだなぁ、と感心させられました。
『月の扉』 が好きではなかったので、躊躇していた作品ですが、
爽快感に満ちた読みが楽しめました。 眼福眼福。 お腹も満腹。

是非、座間味くんには長編でも活躍して欲しい。



積読を確認したところ、『顔のない敵』 を発見!
次は、『顔のない敵』にしよーっと。
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by merrygoround515 | 2008-01-29 14:20 | Book