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by merrygoround515

『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹 / / 東京創元社
ISBN : 4488023932
スコア選択: ★★★★





1953年から21世紀までの
女三代に渡る赤朽葉家の盛衰記。

鳥取県紅緑村に、鉄鋼業で財を成した旧家・赤朽葉家。
のちに「千里眼奥様」と呼ばれるようになる万葉が、
義母になるタツに望まれ、赤朽葉家に輿入れする。
万葉は「山の人」と呼ばれる辺境の住人により、「山の民」に置き去られ、
紅緑村に住む夫婦の手で育てられた。
この赤朽葉万葉の物語(1953年~1975年)が、第一部。

第二部は、万葉の娘・毛鞠の物語(1979年~1998年)。
暴走族、レディース、総番、ポニーテール、裾をひきづるセーラー服と
時代は不良文化の真っ盛り。
暴走族「製鉄天使アイアンエンジェルス」を率いた毛鞠が、卒業後
その当時を描き、連載十二年の人気売れっ子漫画家となる物語。

第三部が、毛鞠の娘・瞳子(2000年~未来)の物語。
祖母や母と違い、平凡で、語るべき物語がない語り手のわたし。(ニート)
本書は第一部から第三部まで、この瞳子が語り手となり、
赤朽葉家に関し、祖母や母や家族から聞いた話を、物語っているのです。

本書がミステリィとしても評価されているのは…
瞳子が、万葉の死に際に「むかし、人を殺した」という一言を遺され、
祖母の人生を振り返るべく、赤朽葉家の歴史をひも解いていくことにあります。

ひと言で表すならば、大河ドラマのような本でした。
戦後の昭和から平成まで、
当時の世相や流行、出来事を追いながら、
強烈な個性を放つ登場人物たちが、ストーリーを引っ張っていく・・・
赤朽葉家の三代の女たちの一大絵巻。
三者三様の生きかた、存在感がリアルに描かれていて面白く読みました。
千里眼の祖母、漫画家の母、何者でもない”わたし”。 実に巧妙。流石ですね。
……とはいえ、第一部と第二部に比べると、明らかに…
第三部は失速していた感が、強く残りました。   ちょっと残念。


桜庭女史、初作品。 とても楽しく読めました。


※第60回日本推理作家協会賞受賞。
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by merrygoround515 | 2008-01-29 13:58 | Book