読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『蛍坂』 北森鴻

螢坂 (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062758318
スコア選択: ★★★★





ビア・バー 「香菜里屋」シリーズ 第三弾。
マスター工藤が5つの謎を解き明かす、連作短編集。

毎度ながら、小さい店とはいえ、大繁盛。
一人で切り盛りしている工藤さん。
あなたには、目と耳がいくつあるのかしらん…?
それから前々から気になっていることがひとつ。
一体、ワインレッド色したヨークの刺繍入りエプロンを、
何枚お持ちなのでしょうか…?
決して判明し得ない疑問だとは、分かっています(笑)
一度言ってみたかったの。

本書、昨夜手にしました。連日ですねぇ。 
ええ、止まりません(笑)。     ∑(〃゚ o ゚〃) ハッ!!
『それが当店の陰謀なんです』    
  
   

「蛍坂」  元カメラマン有坂裕二。 (元彼女が常連客だった) 
16年前恋人・奈津実を残し、一人中東へ写真を撮りに行った有坂。
彼を待てずに結婚していた奈津実だが、5年前に事故死している。
ううむ、出だしにしては、重い。

「猫に恩返し」  タウン誌の編集人・仲河の話。
焼鳥屋で預かった一匹の黒猫の心温まる話を、タウン誌に採りあげた仲河。
すると店の面々から慰労碑の寄付を募る広告を頼まれる。
もしや、これは金集めの為のでっち上げだったのでは・・・?
猫の慰労碑問題が、とんでもない人情話に発展。奥が深い。

「雪待人」  元駅前の金物店主・南原の話。
駅前商店街の再開発に乗り遅れた老舗画材店が店を畳む。
南原は画材屋の一人娘と10年ぶり再会する。
彼女が皆に恨まれながらも同じ場所で待ち続けていたものとは・・・。
待ちきった彼女と待ちきれなかった彼。ちょっと切ない。

ここで、南原は工藤の薦めで香月へ行く。
そこで香月は工藤との関係を話します。「15年前に同じ店にいた」と。
そして工藤は「香菜里屋」で誰かをずっと待っているのだとも・・・。

「双貌」  常連客・多数登場!
同じ人でも服装髪型が違えば全く別の印象になる。
2つの貌を持つ人々をモチーフにした、作家秋津文彦の劇中作。
実に楽しい展開でした!ラストの余韻がタマラナイ。 ほっこり。
柏木彰が二次選考を通過した作品が…読みたい!

「孤拳」  ほぼ常連客・谷崎真澄の話。
病床の叔父(脩兄)との想い出、幻の焼酎”孤拳”を探したい。
真澄と脩兄のまっすぐな想いが切ないです。
真澄を傷つけまいとする香菜里屋の面々の優しさが沁みますね。
工藤さんをはじめ、石坂夫妻、有坂、七緒、東山…
そしてここでは、何といっても香月さん。 
可憐な物語です。 (゚ーÅ) ホロリ




次回作は最終話…。
だれかを待ち続けている工藤の過去が明らかになるのでしょうか。
知りたいような、知りたくないような。
知ってしまうと、香菜里屋も工藤も私の前から姿を消してしまう気がして、
哀しいかな、ちょっと怖い。

文庫落ち、気長に待ちます。
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by merrygoround515 | 2008-01-29 17:00 | Book