読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『Miss You 』 柴田よしき

Miss You (文春文庫)
柴田 よしき / / 文藝春秋
ISBN : 416720309X
スコア選択: ★★★★







有美は26歳。文芸編集者。
業界ではかけだしながら、生真面目さと熱意で
仕事は軌道にのりつつある。
しかし、同僚の女性が殺され、
元流行作家の奇妙な電話を受けてから
有美自身も狙われはじめた。
事故か。人ちがいなのか。
婚約者、新人作家、流行作家などの輪が
平凡なヒロインを目眩く翻弄する。待望のミステリー長篇。      
(「BOOK」データベースより)



中学・高校を女子校で過ごし、東大へ進学。
卒業後、大手出版社の編集者となった26歳の女性、
江口有美が主人公。
優秀で容姿端麗、性格も育ちもイイ。そして誰からも好かれている。
私生活も安泰。
交際相手からプロボーズされ、順調な人生を送っていた。
たが・・・
有美の周囲に奇妙な出来事が続き… というサスペンス物語。

大手出版社の文芸編集者の日常や、
作家デビューを巡る状況は、見事なまでのリアル感。 
まるで実状を描いているようだ。(描いたのでしょうね^^;)
作家になりたい、とうい志を持った人には…
ちょっとキツイ現実かもしれない。
本書に出て来る作家たちは、
他人に与える影響に恐怖を憶え、書けなくなった大御所作家。
書きたい“モノ”を盗まれ、核心が書けず、逃げ悩む新人作家。
小説に己が持つ本来の健やかさを奪われ、
最低な人間に成り下がった新鋭作家と、様々。
もちろん、真っ当な(笑)作家さんも登場していますが。
要するに、“書く“ということは、我が身を削り、曝け出す作業なのだ。
シアワセな人間には、小説など…書くことはできないのかもしれない。
まぁ、シアワセであれば、小説を書く必要はないのでしょうが。

文芸編集者である有美は、とても魅力的だ。
我が儘な人気作家や一風変わった新人作家たちに翻弄されたり、
事故や怪我などのハプニングから、我が身に不安を覚えながら、
自ら犯人探しを始め…理不尽な呪詛に立ち向かうのだ。
また、絵に描いたような優等生ぶりは突っ込みたくなるほど(笑)。
しかし東大卒なのに謙虚なのだ。 性格も多少天然で(笑)。
人間的にハングリー精神は、弱いタイプですね。
そんな有美が、編集者としても人間としても成長していく過程が、
本書の醍醐味だといえるのではないでしょうか。
他社の編集者と意気投合するラストシーンは、印象的です。 
柴田さんの芸の細かさ、好きだなぁ。

惜しむらくは… 
意外性に欠ける点。犯人が、よめてしまう人が多いはず。
でも、脇役一人一人にまで色と味を持たせているところや、
素晴らしい心理描写で、人間関係を見事に表現している巧妙さ、
展開のスピーディさは、抜群ですね。
流れるような優しい文体の中に、ミステリィが満載なので、
ノンストップで楽しめます。

人は、自分の知らないところで誰かを傷付けている…
これは、生きていく上で、防ぎようのないことなのだろう。
が、傷付けられた方は、忘れられず、次第に膿となり、
やがて悪意に変わる。 ついに放たれた悪意は……。
人間関係の難しさを痛感。

柴田女史、追いかけることに決めました!www




次作を決めるの当たって、ちょっと著者の作品を調べてみたのですが…
「猫探偵正太郎シリーズ」と「花咲慎一郎(ハナちゃん)シリーズ」に
好奇心が疼いています(笑)。
でも、大勢の方からオススメいただいた 『聖なる黒夜』(上・下) を楽しむため、
「RIKO」 「聖母の深き淵」 「月神の浅き夢」 の三作を、読んだ方がいいかしら。
う~ん、嬉しい悩みです、ね(^▽^)
先ずは一番に気なる 『フォー・ディア・ライフ』 で
ハナちゃんに会うことにしようかなぁ。 買ってこよ~☆  ルンルンo(*^▽^*)o~♪

あっ!昨年、読書家のブログ友さんに、本書の他に
『ミスティー・レイン』 と 『激流』 を読むと誓ったんだわ…(><;
『激流』 は、まだ文庫落ちしていないので…
『ミスティー・レイン』 (角川文庫)と 『フォー・ディア・ライフ』(講談社文庫) を買いましょ♡
[PR]
by merrygoround515 | 2008-01-31 09:56 | Book