読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『夏の名残りの薔薇』 恩田陸

夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)
恩田 陸 / / 文藝春秋
ISBN : 4167729024
スコア選択: ★★★★★




先日、マイミクさんよりオススメいただいた本書。
昨日一日中雨模様だったので、
家族で“雨読”を決め込みました(笑)

内容は、
沢渡三姉妹が山奥のホテルで毎秋、開催する豪華なパーティ。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。はたして犯人は──

そう、舞台は山奥のクラシックなホテル。
閉鎖された感じの館で起こる変死事件?!
わぁ~いいじゃないかぁ~!本格ぽくて。 素敵~(笑)

と、こんな取っ掛かりだったのに
私、読後、しばし放心状態に陥りました。
本書の揺らいだ世界観、漂う濃密な雰囲気… 
恩田女史の見事な筆致と相まって、心地よ~く酔えました。


『麦の海に沈む果実』や『黄昏の百合の骨』、
三月シリーズを愛しているんです。 
理瀬が好きで、好きで、大好きなんです。
『黒茶・・・』は宝ものですし(〃▽〃)
マイミクさんもそこのところを知った上で、
本書をオススメしてくれたのですよ。  よって期待大!!

前述の通り、放心状態になったわ。 
ええ、期待通り(笑)。いや、期待以上の作品でした。
どっぷり、すっかり魅了され、
山頂のクラシカル・ホテルから、簡単には帰って来れなかったし、
桜子さんに感情移入してしまって、すぐには抜けられなかった(苦笑)。


本書は、第一変奏から第六変奏という
六つの変奏から構成されており、
六人のそれぞれ異なった視点で語られ、
都度変化する相関!  まさに変奏。 上手いですね~。
現実と幻想(いや妄想かな?)の間で、
錯乱させられながらも、大いに魅了されまくった(笑)。

また、三人称多視点という演出は、
グランドホテルという舞台をますます現実化してくれた。
その上、主要登場人物は六人+三人と、捕らえやすい人数(笑)
それぞれの繋がり方、人間関係、その関係性においても
効果絶大だった。
男女の距離感の描き方といったら、それはもうピカイチ。
本来ならドロドロするはずの関係性なのに、
何故なのか、サラッと乾燥していて、嫌悪感が生まれない。
恩田女史の筆致のなせる業、深~く、感心させられました。

ラストの記憶の操作・・・ 身震いが起きました。
でも…何故ラストがあの人なのか? ちょっと腑に落ちない。
やはり、三姉妹の誰かにして欲しかったかも。
それじゃ、ダメだったのかしら、ね。 うむむ。。。




作中で物語と並行するように引用されている書籍があります。
『去年マリエンバートで/不滅の女』 (アラン・ロブ=グリエ著)。
映画 『去年マリエンバートで』 を元に書かれた作品らしいのですが
残念ながら映画そのものを見たことがありません。
『夏の名残りの薔薇』 が 映画 『去年マリエンバートで』 から
どのくらい影響を受けているのか、全く分らないのが残念です。
(本書内での引用箇所が多すぎて、途中何度もイラっとしましたww)

まぁ、機会があったらレンタルしてみようと思います。
と言っても(何とな~くですが、フランス映画だからなのか…)
あまり、その映画に興味が持てないので、悩んでいます(苦笑)。
その映画・・・面白いのかしら???

巻末に杉江松恋氏による
評論とインタビューが収録されています。
インタビューは恩田女史の人間性が表れていて、
もしかしたら…
本編より楽しめてしまう人がいるかもしれない、
って思ったほど、面白かったです(笑)。
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by merrygoround515 | 2008-03-21 09:31 | Book