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読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『Capote』 (2005)

カポーティ コレクターズ・エディション
/ ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★






素晴らしい映画でした。
TSUTAYAさんへ行くたびに、
常にレンタル中で…;;
なかなか借りられなかったのですが
やっと私にも回ってきたんです(笑)
それも閉店直前に。 あはは
レンタル中だったこと、無理も無いですね。
じんわりと感動させられました。

<STORY>
1959年11月15日、
カンザス州の田舎町で一家4人惨殺事件が発生する。
ニューヨークでこの事件を知った
作家のトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
これを作品にしようと思い立ち、すぐさま現地へと取材に向かう。
同行した幼なじみのネル(キャサリン・キーナー)と共に
事件現場や関係者を訪ねて回るカポーティ。
やがて2人の容疑者が逮捕されると、カポーティは彼らへの接近を試みる。
その一人ペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)の不思議な魅力に
創作意欲を刺激される。
そして、ペリーとの面会を重ねる中で
次第に彼の信頼を得ていくカポーティだったが…。


文学界に名を残す作家トルーマン・カポーティが、
ノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを切り拓いた
傑作『冷血』の完成までの6年間に迫るシリアスな伝記映画です。

一家4人惨殺事件の詳細を本にすることで、
新たな成功を目論むカポーティ。
しかし取材に協力する犯人との間に屈折した関係が生まれ、
ミイラ取りがミイラに…とまでは行かないのですが、
己の名声のために、
狡猾に事件にアプローチしていたカポーティが
その事件の毒を呑み込みきれず危うくなっていきます。

殺人犯の絞首刑の現場に立ち会うに至り…
自分がしてきたことの重大さに気付く。
モラルを越えたジャーナリズム。 
作家とは、大変なビジネスであることを痛感。

最後にテロップで流れる
「『In Cold Blood』made Truman Capote the most famous writer in America.
He never finished another book.
He died in 1984 of complications due to alcoholism.」

「『冷血』によりカポーティの名声は高まった。
その後、彼は一冊も本を完成させなかった。
1984年アルコール中毒が原因となって彼は死んだ」
一読後、グッとこみ上げるものがありました。

淡々とした物語展開…
のんびりとしたカンザスの田舎、
まるで絵画のようなニューヨークの街角。
ゆっくりと流れる時間と、美しい映像にうっとり。
ホフマンのカポーティは、さすがオスカーの演技です。
高い声のしゃべり方は勿論ですが、ちょっとした仕草などが、
屈折したカポーティ像をリアルに表現して、素晴らしい。

カポーティの『冷血』が、どうしても読みたくなりました。



恥ずかしながら、本音を言うと、
私は本作に誤った先入観を持っていたんです。
トルーマン・カポーティといったら、
公私に渡って実にスキャンダラスな作家。
社交界では一際華やか。常に酒を飲み、ウィットに富んだ会話を繰り返し…
麻薬中毒で、ホモセクシュアルをもカミングアウトしていて。
ゴシップに事欠かない作家だったはず。
なので本作で、
彼のスキャンダラスな人生をクローズアップしたのかと思ったら
そうではなかった。 全く違っていて(><;
シリアスなドラマでした。  参りました。 ほほほ

『Capote』 (2005)_e0115884_20371758.jpg
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by merrygoround515 | 2008-05-02 15:10 | Movie