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by merrygoround515

『七回死んだ男』 西澤保彦

七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤 保彦 / / 講談社
ISBN : 4062638606
スコア選択: ★★★★






どうしても殺人が防げない!? 
不思議な時間の「反復落し穴」で、
甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人──。
「落し穴」を唯一認識できる孫の久太郎少年は、
祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。
孤軍奮闘の末、少年が思い付いた解決策とは? 
時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
(「BOOKデータベース」より)


「あたしを信用していただけますか?あたしがあなたの話を
全部信じているというまさにその事実を信じていただけますか?
~略~
本当に心の底からあなたの話を信じているとそう信じていただけますか?
あなたの話を信じているからこそあなたの疑問をあたしが解明できたのだと?」
――友理絵美

感服。
このセリフは、もう完璧にストライク。あはは
このセリフを読めて、物語の本筋の謎解きなど
どうでも良くなってしまったほど。
謎解きと愛の告白とが一緒になってラストを迎えるなんて。
ドラマチックな結末に、気分爽快でした。


この作品が万人受けするのは
ひとえに、とってもシンプルなSF設定だからだと思う。
何しろ設定がユニークなのである。
“同じ日を九回繰り返す”という体質を持つ青年が
祖父の死をなんとか撤回しようと奮闘するSFミステリー。
そう、それが全て(笑)
登場人物も実に簡略化されており、コメディタッチ(違う?)。
何回も生き返るのだから、
もちろんタイムループものですが、(ワープはしません)
何故?とか、事の理由は「体質」の一言で終わり。
文体や話の進むスピードもスッキリしていて読み易く、
殺人事件の描き方さえも軽~く感じられて、コミカル。
最後になって、じっくりと謎解きを楽しむ作品ですね。


とにかく
この、“同じ一日を九回繰り返す”という説明だけで
十分に、物語を想像し易く、結果、全てに納得できる。

ただ、個人的には期待過多でした、ね。
謎解きを聞いても(読んでも)、それほど驚かなかった。
答えのシンプルさが、かえって無感動に繋がったみたい。
素直さが足りないのかしら…。

でもまぁ、誰でも楽しく読める作品という事は、
間違いないですよ。
読み出したら面白くて止まらないし。
読み易いから、あっという間ですし^^;
誰にオススメしても間違いのない作品です。




信じられないことに、
本書は、日本推理作家協会賞の候補になっていたんですね。
こんなにもコメディ要素のある作品で…受賞は無理でしょー。
と誰しも思うところですが。
案の定、一抜けだったみたい。トホホ
まぁ、他の受賞作を含む候補作が、
京極氏の『魍魎の匣」』 梅原氏の『ソリトンの悪魔」』 
真保氏の『ホワイトアウト」』 香納氏の『梟の拳』 ですよ。
これでは、相手も悪かったといわざるを得ない(苦笑)


次の西澤氏は『麦酒の家の冒険』です。
どんな物語なんだろう。 楽しみだわ。
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by merrygoround515 | 2008-06-06 15:37 | Book