読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

『空の中』 有川浩

空の中 (角川文庫 あ 48-1)
有川 浩 / / 角川グループパブリッシング
ISBN : 4043898010
スコア選択: ★★★★






何が良かったかって、
人類の敵が、知的生命体だということ。
そして
武力ではなく、平和解決の道を探る展開が
なんともステキだった。

冒頭、いきなり立て続けに飛行機事故が発生!
二件の事故により、
テストパイロットと自衛官が亡くなってしまう。
これは、もしやハードな物語なのか?
と、少し身構えたのだが、話は全く違う方向へ。
怪物モノだった…。 あはは

事故で亡くなった自衛官の息子、
高校生の斉木瞬が、偶然見つけたナゾの物体。
彼は「フェイク」と名づけ、共に暮らしだす。
「フェイク」と彼は、面白いことに亡き父の
携帯電話を通じて意思疎通をはかることができるのだ。
父を亡くした哀しみから、
まるで逃げるかのように「フェイク」にのめりこむ瞬。
その様子を心から心配する幼馴染の天野佳江。
偉大なる優しさと強さをもった老人、宮ジイこと宮田喜三郎。
この三人の交流に、物凄く心が和み、温かくなった。

一方、
スワロー事故(テストパイロットが犠牲に)の
調査委員である、春名高巳と自衛官の武田光稀は、
事故調査中、「フェイク」の仲間である「ディック」と出会うのだ。
そしてその後、
人類の代表として「フェイク」とコンタクトをとり続ける。
この空中に浮かんだ巨大な生命体は、
後にいろいろ起こり「白鯨」と呼ばれることになる。

高度な知的生命体である「ディック」が、
次から次へと言葉を覚えていくところが面白い。
地上からの電波によって単語を習得していたため、
「ディック」の言葉は
「こんにちは、お昼のニュースです・・・・・・」から始まる
などなど、ユーモア満載だった。 ははは
だが、もうひとり遺族(テストパイロットの娘)
美少女・白井真帆は…
そのなんとも言えない切なさに、胸が苦しくなった。

とにかく、
白鯨との大騒動からラブコメ路線も楽しめて、
ちょっと欲張り過ぎじゃない?と、言いたいくらい(笑)
内容は盛りだくさんの一作だった。

また、作者の巧い会話作りから、
「言葉」の難しさを改めて感じました。
「説明する」「論じる」…
「話し合う」「討論する」…って、
どれも凄いことなんだ。
根気よく、着実に任務を遂行した高巳が、
めちゃくちゃ恰好良かった。

本書は、戦う自衛隊三部作のひとつ。
いや、戦うだけではないね。
恋する自衛隊三部作だ。
『塩の街』の陸自に続いて、空自の物語。
後りの一作は、海自の物語『海の底』。
残すところ最後の『海の底』。
近日中に読み出す予定です。
楽しみだなぁ。



もしも、ふと空を見上げたとき
正体不明の楕円形の物体が浮かんでいたら…
それは、「白鯨」かもしれない。
私は、存在している気がしてならないのですが…。
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by merrygoround515 | 2008-09-26 13:47 | Book