読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

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グロテスク
桐野 夏生 / / 文藝春秋
ISBN : 4163219501
スコア選択: ★★★





江戸川乱歩賞受賞(「顔に降りかかる雨」にて)作家であり、
『OUT』 では、出版から七年後に、米エドガー賞にノミネートされるなど、
国内外での人気を誇る方。  容姿は端麗で、知的美人。 
新刊を追っている作家さんの一人なので、発売当時(2003年)読みました。

本書のモチーフとなっているのは、「東電OL殺人事件」。
慶応大学経済学部を卒業し、東京電力という一流企業に勤務していた、
39歳のエリート女性の絞殺死体が、1997年3月に渋谷の円山町で発見された。
生前、彼女は売春行為を行っていたことが、明らかになった事件である。
この事件を取材し、題材に書かれた作品。

多分、私の読書人生史上…最高に疲れた作品。
また、ある意味強烈な印象が残ってる作品。

  
「勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい。  一番になりたい。尊敬されたい。
 凄い社員だ、佐藤さんを入れてよかった、と言われたい。 」

決して逆転などできない社会。
「世間の論理」=付属学校のヒエラルキー、競争原理に貫かれた男社会の掟、
無限に張り巡らされた差別の構造。
それらへ向かい、戦いを挑み、 挫折に次ぐ挫折を繰り返す、主人公和恵。
和恵は頑張っていた。努力すれば報われる、と信じて。
和恵はとにかく、頑張ります。 それなのに彼女の努力は、何故か痛々しい。
なぜだろう…。決して勝てないと分かっているからかしら? 
小説全体から漂う人間不信も相まって、和恵には常に負の雰囲気が。
そして、和恵は壊れていきました。
やがて「怪物」へと変貌した彼女は、叫びます。
「光り輝く、夜のあたしを見てくれ」 と。
落ちれば落ちるほど、輝きながら高みに昇っていく主人公の壮絶な姿に
読んでいて言葉を無くしました。

「誰か声をかけて。あたしを誘ってください。
 お願いだから、あたしに優しい言葉をかけてください。
 綺麗だって言って、可愛いて言って。   お茶でも飲まないかって囁いて。」

本書は、見事なまでに和恵の崩壊する過程を、最後まで描いています。
一切、救いのない小説だ。 でも、女性なら読んでみるべき作品ではないだろうか。

 
実際の事件で容疑者となったのは、ネパール人の男性だったそうです。
ですが、この作品では中国人の設定になっています。
そして、中国という国の農村に生まれた人間の差別や、そこから這い出す壮絶さをも
本書では描かれています。

物凄いネガティブなパワー。 
そのパワーがギラギラと燃え上がり、炎上していくのです。
何とも言えない、毒という毒を、全部吐き出したような作品です。
読後、スッキリ感は、微塵も得られません。気持ち悪くて、吐き気がします。
そう、ただただ唸るばかりです・・・。


以前、ダーリンに「東電OL」の話をふったら
「頭がおかしいんでしょ?狂ってるんだよ」 と言われたことがありました。
そうかしら・・・? そんな単純なことなのかしら・・・?
どんな女性の中にも、その“芽”は潜んでいるのではないでしょうか。 もちろん私にも。

主人公の行動云々以上に、自分の中に恐ろしく、不気味な存在を感じたとき…
嗚呼! なんて「グロテスク」なんだ・・・ と、感じ入ってしまいました。


女性のグロテスクを、直視する勇気のある方は、是非どうぞ 。
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by merrygoround515 | 2007-02-20 10:21 | Book
ぼくのキャノン (文春文庫)
池上 永一 / / 文藝春秋
ISBN : 4167615045
スコア選択: ★★★★





タイトルだけ見て、これが何のお話なのか、分かる人は、
一人もいないでしょう。
カメラの話?とかいう人が大半ではないかしら。
タイトルから、
この本のストーリーを予測することは、無理だと思う。

私も(勧めてもらった身なので)少し知識があっただけ。
「沖縄」のストーリーなのだとね。
そうでなければ、もちろん想像もつかないわ。
それに、まさかこれほどの傑作だとは、ね。


 今、砲台が正午を告げた。

この一行から物語は始まります。
はあ?砲台?何だ? 
訳が分からないまま、読み進めることになりました。
実は、この砲台がキャノン。「キャノン様」です。
本書の主人公!と言ってもいいのではないかしら。

読み出して、しばらくは???のまま。
「騙されたか」などと、失礼な思いが浮かんだ。
いやいや、あっという間に読了。止められません。(笑)
早いテンポで読ませる筆力も然り、内容の濃さにびっくり! 
何より一番は、面白い!こと。

ミステリィに読み慣れていると、つい、先読みしたり、
頭の中で好き勝手に料理してしまいますよね。
作品に対しても、変な力が入ってしまってさ。
まあ、それが醍醐味の一つなのですが。
だから、読み出した当初は、いろんなことが頭の中で駆け巡って
???に拍車をかけてしまった。

人間、素直がいちばん。
物語の一員となって、すんなり入り込めばイイ。ただそれだけです。
面白可笑しく進みながらも、シリアスに村の謎を散りばめて・・・。 
池上氏、上手いですね。

「 マカト(オバァ) 」 「 樹王 」 「 チヨ 」の三人は、
共に60年間村を守り続けてきた。
──我らは村を守るために命を捧げると決めた。
  たとえ時代が変わっても、我らの思いは変わらない。
  たとえ歳月が我らを衰えさせても、決して思いは枯れない。
  たとえ命果てても、我らは永遠に村を守り続ける────。
                    (本文より)

村の謎も、何故マカトオバァたちが命を賭けてまで村を守るのかも
終盤までわかりません。
こんなにも辛い過去が、待ち受けていたとは。
一気読みになるのも、無理ないですよ。
 
その謎は、とても奥深い。  
村の謎の一端を担う戦争、考えさせられます。
このテーマは、とても重く、本来、暗いもののはずなのに。
登場人物がアホみたいに元気よすぎて。
その上、アニメやコメディー映画を思わせる破天荒な展開!
本書に盛り込まれまくった、ワクワク要素!
そこまでするの?(爆笑)だらけです。  
この楽しさ!お知りになりたければ、是非、ご一読を!

読んだ人だけが、味わえます。今はヒ・ミ・ツ。
               
意外な展開をひた走る中、
大笑いしてしまったのが…(一部だけ特別に)

村の秘密を守るため、4年生の男子生徒である雄太に、
日本国内で発禁処分になった大ベストセラー、
国際女優、北崎倫子のヘアヌード写真集が、宛がわれたの。
小学生によ!
北崎倫子さんとやらは、アカデミー賞作品の主演女優!
知名度がピークになった時、このヘアヌードが
出版されたそうだ。
海外をも巻き込んで空前のベストセラーになった。
ただし、日本では発禁処分(笑)
よって、プレミアもプレミア、超プレミアもの。
誰もが誇大妄想を胸に、欲する一冊なのだそうだ。

本書の初版は、2003年。
2007年現在で読んだ私ですもの…
ここの場面ですぐに菊地凛子さんが浮かんでしまったわ………
やっぱり、ダメ?「りんこ」繋がり・・だけですが。スミマセン。
なわけで、個人的に、雄太に仕込まれた一ネタに、ウケテしまった。

終盤は、事態が一気に流れ出すので、泣いたり怒ったり、
私・・・大忙しでした(苦笑)
デイゴの木の秘密を知ったときは…胸がいっぱいで、たまらなかった。
とにかく、楽しくて、悲しくて、喜怒哀楽を堪能できる…
お得な一冊です。
特筆するなら・・・
はっきりくっきり、頭の中でイメージが映像化できた作品でもあります。

私の中で、春のドラマが…ワンクール終了した感じです。(笑)

この村の謎である問題は、永遠に続きます。
マカトオバァから次世代へ、そしてこれからも永遠に。
結末は、爽快爽快この上なし! 
心が温かくなります。 
村の未来にエールを送って読了。

いろいろ考えさせられる作品ではあるが、 
気持ちよかったぁ~。きっと、読み返したくなりますね。

沖縄~☆ 本土へは以前、立ち寄っただけなので。
一度は行ってみたいな。
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by merrygoround515 | 2007-02-13 11:30 | Book
でんでら竜がでてきたよ
伊藤 英一 / / 理論社
ISBN : 4652002327
スコア選択: ★★★★



まず、帯からの紹介文を。

     ありこはでんでらりゅうの絵をかきました。
     絵を封筒に入れて枕の下に。するとふしぎなことが。
     竜が生まれたのです。
     でも紙でぺらぺら。「ほんものの竜になりたい!」
     ありこはミルクを飲ませたり、歌を歌ったてあげたり、
     一生懸命育てます。
     すると竜はぐんぐんと大きくなっていきました。。すると・・・。
     「でんでらりゅうば」の歌から生まれた、ひとつのすてきなファンタジーです。


※巻末には、楽譜がついています♪


紹介文の通り、 ありこと竜の物語。 
この帯を一読しただけで、十二分に魅力的な物語でしょ?



でも、もうすこし内容を。

お母さんが、友人の結婚式に出席するため、長崎へお出かけします。
ありこは、お父さんと二人でお留守番です。
以前、お母さんから教わった歌を、お父さんはありこに歌ってあげました。
でも、ありこは得意気! ありこもお母さんに教わっていたからです。
ありこはお父さんのために、自由画帳をだしてきて、
「でんでら竜」の卵の絵を描いてあげました。
お父さんはありこが「でんでら竜」の卵と一緒に眠りたいと言ったので、
絵を封筒に入れて、枕の下に敷き、
「ありこ母さんに、まくらの下で、あたためてもらいな」 と言いました。
ありことお父さんは「でんでら竜」が生まれた時のために、
名前を付けることにしました。決まった名前は「タブラッサ」。
さて、ありこは枕の下の卵を温めます。子守唄を歌いながら。
もちろん、「でんでら竜ば」です。
すると…夜、卵の中から「でんでら竜の赤ちゃん」が生まれたのです。
ぺらんぺらんの紙の竜。
しかしありこは大変な思いをしながらもタブラッサを育てます。
どんどん大きくなって………。           


続きは、読んでのお楽しみです。


本書を読んでもっらたり、読み終えた子供たちの多くは、
きっと、自分の自由画帳に、竜の卵の絵を描いたのではないでしょうか?


息子が毎晩一緒に寝ているぬいぐるみの中に、
「ヨッシー」(マリオブラザーズのキャラクター)がいる。
……多分ヨッシーは、竜なのだろう。
読後「ヨッシー」は…「タブラッサ」に改名を余儀なくされた。(笑)




久しぶりに、読んでいる私も、ワクワク&ドキドキできた一冊でした。


   ♪  でんでら竜ばあ  出てくるばってん   ♪ 
   ♪  でんでら竜ばあ  出ーてこんけん   ♪ 
   ♪  こんこられんけん   こられられんけん  ♪
   ♪  こーん  こん   ♪        (本文表記より)
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by merrygoround515 | 2007-02-11 11:58 | 絵本 & Comic
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)
/ 光文社
スコア選択: ★★★★★






ついに、最終作!われらの(私の♡)みゆきちゃんです♡
アンソロジー・シリーズの発案者だけあって、〆に相応しい作品です。
(すご~く怖かったけど)

まずはじめに、注意事項が。

宮部女史の作品紹介文は、絶対に後から読むことを、オススメします!


文庫版のためのまえがきで、編者もおっしゃっていますが、
作品のネタバレがいつくもあります。
私自身は、作品紹介を一読後に、収録作品を読んでも、
その怖さや、面白可笑しい展開に、悪影響はなかったのですが。 
あくまでもそれは私の感想であって、少しでもネタバレはイヤだ、という方は
必ず収録作品から、お読みください。

本著は、
海外のホラー小説(古今東西の名作古典)から、とにかく有名作品を中心に、
みゆきちゃんが一押しばかりを集めセレクトした15編。
みゆきワールドのルーツと言える。恐怖三昧♪怖い怖~いのオンパレード♪

はじめに、を一読すると…もう本書は手から放せません。
アンソロジーの編者で、収録作品の紹介文で、
ここまでわくわくさせてくれる、案内文を書ける人は、他にいない。
幸いなことに、海外作品 (こはひ。こはひ。) の合い間に
「 COFFEE BREAK 」として、みゆきちゃんのコラムが掲載されています。

ゲームの攻略本における人物像について語るくだりも、
ゲーマーではない私が…うむむ?
もしかしてゲームって、面白いのかも~♪と、ちょっと惹かれてしまいました(笑)
このコラムもまた、見逃してほしくない。 

さて、どうしよう。
昨夜、下書きをしようと思ったのだが…
夜、この作品を手にすることは…ちょっと無理だった(苦笑)
入浴も、家族と一緒でなければ…しばらく怖いかも。。・゚・(。つ∀≦。)・゚・。
情けない?怖がり屋なんです。(^^;

少しだけ、みゆきちゃんの
(・・・記事内でみゆきちゃんは、マズイかしら?まっいいかm(_ _)m )
「はじめに」 を、紹介。抜粋引用します。


★。、::。.::・'゜☆。.::・'゜★。、::。.::・'゜★。、::。.::・'゜☆。.::・'゜★

帯から : 身体の芯から震え上がる恐怖の館へご案内いたします。

もしも、今このページを御覧の皆さんが、
ホラーやサスペンス小説のファンであるならば、目次を一瞥しただけで、
「あれ?なんか有名な作品ばっかり並んでるじゃん」
と、思っていることでしょう。そうなのです。
本書の収録作品をセレクトするとき、わたしは、
  ・ 既存のアンソロジーから採ること。
  ・ そのアンソロジーは、入手が比較的容易であること
    (新刊書店で買える、もしくは図書館や古本屋さんで見つけられる)。
このふたつの条件を定めました。
ですから、ちょっとでもこの分野に興味のある本好きの方ならば、
親本の方を読んでいたり、手元にお持ちの可能性が高いと思います。
だから、そういう方は、この本を買っちゃいけませんのよ。

    ~~~~~ 中略( 本書お読みになってね。フフフ )~~~~~

「じゃ、どうして怖い話ばっかりなの?」
これも、もっともなご質問です。答えは簡単。
わたしはコワイお話、とりわけ英米の短編恐怖小説が、死ぬほど
好きで好きで好きで大好きでたまらないのです。
子供の頃から青春時代まで、もっぱらこの手のものを読んで過ごしましたし、
今でもしょっちゅう書店を彷徨しては、何処かで美味しそうな匂いがしないかと
鼻をクンクンさせています。ですから、どうしても、一度は自分の好きな作品を
セレクトしたアンソロジーを作ってみたかった。
また、これはほんのおまけ要素ですが、ここ数年、
「作家になる前のミヤベさんはどんな本を読んできたんですか」
というお問い合わせをいただくことが多く、もしも自分の好きな短編アンソロジーを
作ることができれば、そういうご質問に対する、いちばん率直なお返事になるだろう
という希望もあります。

    ~~~~~ 中略 ~~~~~

そんなこんなで、本書は誕生しました。
本はその読み手に忠実な、心の広い親友です。
知ってる作品ばかりでも、「もう一回読んでみるか」と手に取っていただけるも好し、
「クリスマスだから、誰かに贈ろう」と思っていただければまた好し。
どうぞお心のままに、本書を貴方の良き友として遇してくださいませ。
もしもそれがかなえば、編者にとって最高のクリスマス・プレゼントになります。
それでは、恐怖の本館へとご案内いたしましょう。

存分にご堪能の上、身体の芯から震えあがっていただけると信じています。
どうぞ良き読書のひとときを──恐怖の宴をお楽しみくださいませ。
                         (文庫版のためのまえがき より)


★。、::。.::・'゜☆。.::・'゜★。、::。.::・'゜★。、::。.::・'゜☆。.::・'゜★

※以下、目次です♪

       はじめに   怖いお話へのご招待と、本書の使用法について
       文庫版のためのまえがき

      第一章   知りたがるから怖くなる

     『 猿の手 』   W・W・ジェイコブズ
     『 幽霊(ゴースト)ハント』  H・R・ウェイクフィールド
     『 オレンジは苦悩、ブルーは狂気 』  デイヴィッド・マレル

      第二章   狼なんか怖くない?

     『 人狼 』  フレデリック・マリヤット
     『 獲物 』  ピーター・フレミング
      COFFEE BREAK  1

      第三章   怖がることと、笑うこと

     『 羊飼いの息子 』  リチャード・ミドルトン
     『 のど斬り農場 』  J・D・ベレスフォード
     『 デトロイトにゆかりのない車 』  ジョー・R・ランズデール
     『 橋は別にして 』  ロバート・L・フィッシュ

      第四章   子供たちは恐怖と仲良し

     『 淋しい場所 』  オーガスト・ダーレス
     『 なぞ 』  W・デ・ラ・メア
      COFFEE BREAK  2

       第五章   生者の恐怖と悲しみと
     『 変種第二号 』  フィリップ・K・ディック
     『 くじ 』  シャーリー・ジャクスン
     『 パラダイス・モーテルにて 』  ジョイス・キャロル・オーツ

       終わりに   なぜ人は怖い話をするのか
       出典一覧


* * * * * * * * * * * * * * * * * *


とにかく、怖かった。けど、面白いし、可笑しい。  
怖さはまだちょっと後を引いていますが…
読後感は、すっきりです。まぁ、“Terror” ですから。

読後は真冬並みの寒さが。 身体を芯から凍てつかせ… ブルっと、ね。

みゆきちゃんのオモウツボでした。   



重度の怖がりですが、ホラー映画も大好きです。 (変?)
これを機に、ホラー小説に、手を出してみようかなぁ。  
でも、怖いな。    でも、読んでみたいな。    
どうしようかな。  (^▽^)
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by merrygoround515 | 2007-02-09 13:32 | Book
贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)
瀬名 秀明 / / 光文社
スコア選択: ★★★★★






第一作の綾辻氏の「Mystery」は、純粋に名作を編んでいた。
中高生より、むしろ大人向き。
大人に多い、短編が苦手な方でも、意外なほど、楽しめるはずだ。
傑作ばかりだものね。

本書 『 贈る物語 Wonder 』すこしふしぎの驚きをあなたに は、
綾辻氏とはジャンルが異なるが…何て言ったらいいか…
奇妙で奇妙で…???ばっかり(笑)  
でも、とてもワクワクさせられた♪  
そうか!
瀬名氏が中高生時代に出会って、影響を受けた作品ばかりだから…
ワクワクさせられたのかもしれない。ね!

それにしても、瀬名先生の文章が…
(教授の方がイイのかな?やっぱり博士かしら?先生でいいかぁ)
小説とは180度違って(笑)とても分かり易い。 
そして、とても優しい。 
別人とまでは言わないが、ソフトです。 
作品への、懇切丁寧な解説も見所のひとつ!いいですよ~♡
「はじめに」を読み出した途端、引き込まれてしまって…
ノンストップ状態に陥ったわ。
中でも私は『画家から作家へ 絵の贈り物』画・福田隆義氏が好き。
鳥肌ものです。 作家六人ごとに描かれた画と物語は、
神秘的な雰囲気に包まれ…酔えます。 読んでみてくださいね♪
収録作品には、コミックもあるの♪
最初から最後まで飽きることなく、気付いたら読了。
楽しめること、間違いなし!です。

綾辻氏同様に、瀬名先生のお言葉、引用します。
すごいですよ!  
以下読後…あなたは書店へ走ってしまうかもしれません。( v^-゜)イエィ♪


帯から :
「さあ、魔法の絨毯に乗って、一緒に不思議と驚きの世界へ旅しましょう。」

すこし不思議の奇妙な王国へ、ようこそ。
案内役を仰せつかりました瀬名秀明です。
ぼくは子供の頃から不思議な物語が大好きでした。
    ~~~中略~~~
クリスマスの季節にふさわしい、驚きに満ちた贈り物──
どんな本にしようかといろいろ考え、次の三つのテーマを絞りました。

1 子供時代の自分にプレゼントしたくなるような、
 ぼく自身がこれまで何よりも楽しんで読んできた物語。
 ですからぼくが少年時代に読んで感激した作品が大多数を
 占めています。
2 これから不思議の物語を読み始める人にも、
 すれっからしのファンにも、新しい物語の地平線を
 お見せできるような、そんなちょっと変わった物語。
 自らを枠に填めてしまうジャンル意識は
 とりあえずどこかへ置いてゆくのです。
3 大切な人に心を込めて贈ることができるような、
 いつまでも読んだ人の記憶に残るような、そんな素敵な物語。
 たとえ以前に読んだことがあっても、再読や三読が可能で、
 その度に楽しめる作品を選んだつもりです。

というわけで、
ミステリーの「贈る物語」を編まれた綾辻行人さんや、
ホラーの「贈る物語」を企画された宮部みゆきさんとは、
少々編纂方針が異なることをご了解ください。
なぜぼくだけややマニアック寄りにしたかというと、
これはSFというジャンルの特殊性に関わっています。
いまSF小説の「ど真ん中」といわれる作品ばかりを集めて
「贈る物語」として提供するのは、
あまり意味がないと思っているのです。
    ~~~中略~~~
ぼくの大好きな映画に、
ディズニーアニメの『アラジン』があります。
アラジンはお姫さまのジャスミンが眠っている寝室に忍び込みます。
そして魔法の絨毯に乗り、お姫さまに手を差し伸べるのです。
「ぼくを信じて」と。
    ~~~中略~~~
だからこの本の中で紹介しているのは、どれもアラジンが
「ぼくを信じて」といってお姫さまに手を差し出した、
あの瞬間を大切にしている物語なのです。
主人公がぼくたちを異世界に連れて行ってくれるのです。
あるいは世界がばくたちの知らない間にゆっくりと変化してゆくのです。
ですからぼくたちに必要なのは「おや、あちらは面白そうだな」
と思う好奇心と、「こいつは不思議だな」と思う驚きの心だけです。
常にこのふたつの心を持っていれば、いつだって一歩踏み出せますし、
アラジンと一緒に魔法の絨毯にも乗り込めます。
もちろん、本書に収められている物語は、
アラジンとお姫さまが見たような心地よいものばかりではありません。
ときには恐ろしいものもあるでしょう。でも、これだけは保証します。
ページを捲ればどれもdazzling(目もくらみそう)で、
every moment,red-letter(すべての瞬間が忘れられない)、
そんな a whole new world(すべて新しい世界)が
あなたを待っています。
魔法の絨毯に乗って、一緒に不思議と驚きの世界を旅しましょう。
新しい地平線を探しに行きましょう。
 心を込めて、この本をあなたに贈ります。




※ 以下、目次を♪


      はじめに

      第一章  愛の驚き
          『夏の葬列』  山川方夫
          『愛の手紙』  ジャック・フィニイ
          『窓鴉』  式 貴士
          『雨傘』  川端康成

      第二章  みじかい驚き
          『よけいなものが』  井上雅彦
          『蟻の行列』  北野勇作
          『絵の贈り物』  画=福田隆義
(藤沢周平、皆川博子、眉村 卓、佐藤愛子、河野典生、赤江 瀑)
          『雪に願いを』  岡崎二郎

      第三章  おかしな驚き
          『ニュースおじさん』  大場 惑
          『江戸宙灼熱繰言』  六代目冥王右団次

      第四章  こわい驚き
          『鏡地獄』  江戸川乱歩
          『托卵』  平山夢明

      第五章  未来の驚き、「私」の驚き
          『戦士たち』  光瀬 龍
          『ひとつの装置』  星 新一
          『太陽系最後の日』  アーサー・C・クラー
         
      おわりに
      文庫版あとがき




どちらかと言えば、男の子向きな感じですね。 
なかなか、ブラックです。
SF特有の「不思議=読後の奇妙感」が存分に味わえました。

最後に、
SFとは、「すこし(S)ふしぎ(F)」なのだそうですよ♪
将来、息子に読んでもらいたい、一冊です。
ちょっと残酷でもあるので、中学生からかな~?


アンソロジー三部作♪ラスト、
宮部みゆき女史による 『 贈る物語 Terror 』 は……
また、明日にでも。     
(( 予想通り…怖かったよぉぉ~。 ))  
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by merrygoround515 | 2007-02-08 23:35 | Book
贈る物語 Mystery (光文社文庫)
綾辻 行人 / / 光文社
ISBN : 4334741436
スコア選択: ★★★★★






※まず、三部作について。

「贈る物語」と題されたアンソロジー・シリーズ♪
綾辻行人氏による“Mystery” 
瀬名秀明氏による“Wonder” 
宮部みゆき女史による“Terror”
この三作品は、2002年の初冬に光文社より三作同時期に刊行された。
クリスマスに充て込んで…(苦笑)
セット販売も(豪華ボックス入)されたが…現在は入手困難らしい orz

本書は昨年の文庫落ち時に購入し、一気に読んだもの。
2006年10月・11月・12月に前述の順でそれぞれ文庫化になったのです。。
文庫の特徴は…
副題が付いたことと、文庫版のあとがきなどが追加されたことかな。
そういえば、四年前の出版のきっかけは、宮部女史の発案だそうです。
やりますね~王女さま♡

綾辻氏の文庫版あとがきによると(三作とも、文庫版のあとがき♪好き)
宮部女史がホラー系、瀬名氏がSF系、綾辻氏がミステリー系の分担で
『贈る物語』を編んでみようという話になったそうです。
編纂方針は、
「あまり本(小説)を読まなくなったと云われている若い人たちに、
もっといろいろな小説の面白さを知ってもらいたよね」と、真摯な願いから。
なんという方々でしょう! 頭が下がります。m(_ _)m
間違いなく、素晴らしい作品と、出会わせてくださるんですよ。 
王女様は女神様だわ♡

2002年12月の単行本刊行当時、
友人のY子が彼女の父親へ誕生日プレゼントとして、このセットを贈りました。
刊行は11月でした。
その話を聞いた時、それは良いわね!と、見習うことにしたの。
私の父も翌年すぐ誕生日が訪れることから、真似をしようと思ったのだ。
だが、残念なことに…
父の誕生日の数日前に、息子の誕生日がありまして、へへ;
父への贈り物の件は、頭からキレイさっぱり消えてしまいました。 ∴∵ゞ(゚ε゚ )ブッ

実家の父は、いつ眠っているのか…家族の誰にも分からない人。
訳あって、昼と夜二つの違う職に就いている。
夜の勤務では、仮眠もあるのだが…。なかなかねぇ。
ただでさえ、毎日睡眠不足のはずなのに、その読書量が尋常ではない。
お陰で若い頃、帰省すると、単行本を見繕って拝借できた。
返さないけどね~(笑)
父曰く、読了したものは「いらん」のだそうだ。 ルンルンo(*^▽^*)o~♪

この父、学生時代の娘に何か小包を…となると、図書券とビール券。
(商品券はなかったなぁ)
それから父のお薦め本が平均5冊入っていたわ。
新刊で購入してくれるので、有り難いのですが。それが年に1回よ。
って、気が利かないでしょ? 4年間で4.5回でしたね、多分。
一人暮らしの身とすれば…
お米や乾麺類とか、いろいろ生活上必要なものがあるでしょう?!
書籍の重量でも送ってくださるのなら、缶詰(蟹ね)や油とか、漬物とかさぁ~。 
食糧品や生活必需品の類を、送って欲しかったわ。(笑)

でも、今思うと
父が必ず新刊を送ってくれたことは、考えた上のことだったのかもしれない。

通常、父の読了本は、私が気に入らなかったとしても…売れないのよ。
父、読み始めるまえに、カバーと帯を外して、ゴミ箱へ入れちゃうの。ポイっ。
実家の書庫の本、み~んな裸んぼ!場末の図書館みたい。探し辛いのよぉ~。
若い頃から何回言っても、治らなかった。
きっと長年ポイッばかり繰り返しているから、癖になって染み付いているのね。
あー!勿体無い! ホント、罰当たりな人。

だから、送られてきた新刊本は、
読了後の私が「手元には、い~らない」って思ったら………そう!
売りに行けたのです(爆)
アハハ(*´∀`*)oO(新刊の単行本ですからぁ♡)

当時と違って今はメールがあるので、父ともたまに、やり取りします。
まぁ、ここ数年は、孫宛のメールばかりですが。フフフ
相変わらず、カバーも帯も…即効でゴミ箱だそうですよ。┐(-。ー;)┌ヤレヤレ
読書好きの父に対して、一つ残念な記憶がある。
森博嗣氏にはまってくれなかったこと。(;;)
10数年前、張り切って「F」を薦めたのに…
「うーん。なんかなぁ。」 だって。合わない人がいるのね。 ふん! 
あれ~?何だっけ? 違うじゃん!『 贈る物語 』 だった。  
ゴメンナサイ。


実は、
本書 『 贈る物語 Mystery 九つの謎宮 』 については、
もう読んでいただくしかない。
何も説明や感想を並べる必要がないの。とにかく、読んでください。m(_ _)m
なので…綾辻氏の「はじめに 本格ミステリーへの誘い」から抜粋します。
以下、ご一読ください。 綾辻氏からの誘惑がいっぱいですよ♪


本書『贈る物語 Mystery 』は、
僕こと綾辻行人が少年の頃からこよなく愛しつづけているミステリー
──中でも特に「本格ミステリー」と呼ばれている小説──の豊饒な魅力を、
一人でも多くの皆さんに伝えたいと願って編んだ、いわば「本格ミステリー入門書」的な
アンソロジーです。古今東西の名作から綾辻が選んだ本格ミステリーの短編九編、
ここには収められています。本の趣向として、それらを五つのグループに振り分けて
配置してはありますが、無視してどのような順番で呼んでいただいたとしても
面白いこと請け合い、の傑作揃いです。自分が書いたものではなく、
自分もまた単なる一読者として読んで面白かった作品ばかりであるからこそ、
ためらいなくそうお勧めできるわけです。

面白い物語によけいな能書きは要りません。
どうぞごゆっくり、たっぷりとお楽しみくださいませ。

  ~~~中略~~~

先にも記したとおり、この本はそんな「本格ミステリー」の「入門書」となることを
めざして編まれたアンソロジーです。従って、収録作の選定・編集にあたっては
まず、おもな対象として次のような読者を想定しました。

1 「小説を読む」という行為にあまり慣れ親しんでおらず、
 なおかつ、これまであまり本格ミステリーというものに興味を
 持ったことがない人。
2 マンガやアニメ、ドラマその他のメディアで本格ミステリーとは
 接してしるものの、小説ではあまり読んだことがない人。
3 最近の日本の、いわるゆ「新本格」系の作品は読んでいるが、 
 それ以外の本格ミステリー作品には手を出しかねている人。読みたいとは
 思うけども、何から読んだらいいのかよく分からないという人。

1 に該当する方は、
 騙されたと思ってとにかく収録作を読んでみてください。 ~略~
 「驚き」が待ち受けているはずです。  (驚き=結末の意外性)
2 に該当する方は、
 すでに本格ミステリーの面白さの一端を知っておられるわけです。  ~略~  
 小説という「元々の形」でそれを読むことによってきっと、これまで
 気づいていなかったような幅や奥行きのある楽しみ方を発見されるはずです。
3 に該当する方は、
 できればぜひ、並べられたとおりの順番で収録作を読み進めていただきたい
 と思います。 ~略~ この本との出遭いをきっかけに、内外を問わず、
 もっといろいろな作家の作品に手を伸ばしていただければ、と切に願います。
       ~~~中略~~~

どうぞごゆっくり、たっぷりとお楽しみくださいませ。
 




※最後に、収録作品九作のタイトルを。


  『暗黒の館の冒険』 エラリー・クイーン
  『黄色い下宿人』 山田風太郎
  『密室の行者』 ロナルド・A・ノックス
  『妖魔の森の家』 ジョン・ディスクン・カー
  『長方形の部屋』 エドワード・D・ホック
  『カリバリズム小論』 法月綸太郎
  『病人に刃物』 泡坂妻夫
  『過去からの声』 連城三紀彦
  『達也が笑う』 鮎川哲也




三部作アンソロジー♪第二作目、
瀬名秀明氏による 『 贈る物語 Wonder 』 は……
また明日、もしくは夜にでも。




ミステリー好きさん♡ミステリーに少なからず興味をもたれた方♡
本書!最高の入門書です( v^-゜)イエィ♪

どうぞごゆっくり、たっぷりとお楽しみくださいませ。
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by merrygoround515 | 2007-02-08 11:40 | Book
11文字の殺人
東野 圭吾 / / 光文社
ISBN : 4334712541
スコア選択: ★★




ちょっと期待過多だった。。。


東野氏の得意とする、密室に代わるものとして、この作品では、
アリバイ・トリックが使われている。
しかし、本書のアリバイ・トリックは、それほどまでに上手いのもでは…。ないね。
全体的には、人情がメインだ。
よって、人間心理に焦点を当てた作品と言うべきかも。

第一の殺人から、最後の殺人まで、一貫して怨みを感じさせる。

事件の解決へと率先して取り組む主人公、女性推理作家は、友人の編集者と共に
亡くなった恋人の周辺から、事件を調べていく、展開だ。
犯人の動機のみならず、犯人を殺人へと追い込んだ人々の、其々の事情は、
とても上手いのだが……。 

なんか物足りない。
さらっとし過ぎていた。

残念なことに、途中でほぼ全体図が見えてしまったのだ。
もちろん、犯人も。その背景も。
私だけが、見えてしまったのだろうか。
いや、きっと、必ず他にもいるはずだ。 
  
東野氏の初期作品は、
やはり現在の作品よりも、深い感慨は与えてはくれないのかしら。

書店員オススメの、傑作!
という触れ込みに、ちょっと踊らされてしまったかな。

次は、どうしよう。
やはり、新刊にしようかなあ。

本人が最後のエッセイと断言した
『たぶん最後のご挨拶』 を、読むことにする!
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by merrygoround515 | 2007-02-02 10:29 | Book