読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

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新訳 ハムレット
W・シェイクスピア著/河合祥一郎訳/ /角川書店







先日、バッグへ入れっぱなしだったので、再読しました。
よく知ってる話だから、ちょっと空いた時間などに
読むのに、丁度いいかな、と。持ち歩いていたのですが(笑)
改めて読んでみると、すごかった。
あらすじは覚えていたが。これほどまでとは(><;

四大悲劇のなかでも、最も有名なお話なので、
レビューとして書くのは、ちょっと気乗りがしない…へへ;
そんな訳で…
以下、先日息子へ説明した内容文を。。(笑)
息子にとっては、初の W・シェイクスピアです。


* * * * * * * * * * * * * * * * *

ハムレットはデンマークの王家の男の人、だから王子ね。
ある時、王であるお父さんが、突然死んでしまってね。
お父さんの弟であるクローディアス(叔父さん)が
王位を継いだんだけど…
お母さん(ガートルード)も、そのまま叔父さんの
お嫁さんになっちゃうんだ。 
(グロテスクだなぁ…)

ある日、ハムレットはね、お城の中で、
亡霊となったお父さんに会うんだ。
そしてお父さんが死んだ、真相を聞くの。
クローディアス(叔父さん)が、王様になりたくて、
毒を使ってお父さんを殺したんだって。
それを知って、ハムレットは怒り狂ったの。
お父さんからも、復讐を命じられたんだ。

亡霊となった父から聞いた事実をね、暴きたいんだけど…
証拠がないでしょ。
結局何も出来ずに、ハムレットはいろいろ悩んでいたの。

対外的には、父(亡霊)と話してからのハムレットは、
気が狂ったんだ、と、思われていたんだよ。
ハムレットが父の復讐のために考えた演技なんだけどね。
狂ったふりをしていたの。

残念なことに、
お母さんには亡霊となったお父さんの姿が見えないの。
見えなければ、信じてもらえないかもしれないでしょ?
だからお父さんの亡霊のことは、話さなかったの。

そんな時、旅役者の一行が街に来たの。
そこで、王・クローディアスの前で、父を殺した顛末をね、
演じて貰うことを思いついたの。
そして、劇団の人たちにお父さんの死の真相の場面を
劇にしてもらったの。
その劇を、王・クローディアスと母・ガートルードに
見せたんだけど…

王は、退席してその罪を懺悔していたの。
母と話すためにそこを通りかかったハムレットは、
クローディアスの懺悔の姿を見て、父の復讐を思い留まったの…。

母・ガートルードの部屋では、言い争いになってね…
お母さんは、いまの王がハムレットの父を殺したなんて、
知らなかったのね。 
このときはもう、クローディアスを愛していたんだと思う。
だから、ハムレットは悔しかったんだと思う。

言い合いをしていたら、物音がしたの。
たまたま近くにいたポローニアス(国王の顧問官)だったんだけど、
ハムレットは、王・クローディアスがいると勘違いして… 
ポローニアスを殺してしまったの。

装っていたとはいえ、狂人呼ばわれされ…
勘違い(人違い)とはいえ、ポローニアスを
殺してしまったハムレットは、宮廷から出ることになる。
王の命令でイギリスへ行かされたの。

でも実は、王・クローディアスはね、すぐにハムレットを
殺そうと考えていたんだ。
イギリスの王へ宛てた手紙を、ハムレットは船の中で
読んじゃったんだ。
そしたら、すぐに処刑してって、書いてあったの。
だからハムレットは、こっそり自国に戻ることにしたんだ。

そうそう、
そのハムレットが殺してしまったポローニアスはね、
ハムレットと愛し合っていたオフィーリアのお父さんなのよ。
でもオフィーリアは、大好きなお父さんを失ったことと、
ハムレットに捨てられたと思い込んでしまったことから
気が狂ってしまってね・・・
終いには、川で溺れて死んでしまうんだ。
(弱いなぁ・・・。ジュリエットより若いからねぇ)
ハムレットはこのことを自国へ戻る途中で知るんだけどね。


一方、ハムレットが生きて戻った宮廷ではね…
ポローニアスの息子のレイアティーズ(オフィーリアの兄)に、
ハムレットを殺害させようと、王が、卑怯な計画を立てていたの。

オフェーリアの兄・レイアティーズにとって、
ハムレットっていうのは、父と妹を殺した張本人なの。
殺してやりたい、と思っていたはずだからね…。
王・クローディアスにとっても、
自分の命をつけねらうハムレットは厄介者。
ここは、決闘という形でレイアティーズに殺してもらおう。と。

とにかく、ハムレットはレイアティーズと剣術の試合を
することになるんだ。
王・クローディアスは、レイアティーズの剣先に毒を塗ったの。
念には念を入れて、杯のワインにも毒薬を入れておいたの。
戦いの後「よくやった!さあ飲め!」と言って殺せるように。

だけど、こんな卑怯な計画はね、通らなかったのよ。

毒薬の入ったワインの杯は、
王妃(ハムレットの母ガートルード)が喉が渇いたと言って、
飲んじゃったの。

レイアティーズが持っていた剣で切られたハムレットはね、
剣先を見て、毒に気付くの。
そして、毒の剣を奪って、レイアティーズを刺し返したの。
と、同時に、杯のワインを飲んだ王妃が、「毒が入っている」
ことを告げて… 死んでしまうの。
その直後、レイアティーズから、全ては王の策略だと聞かされ、
レイアティーズも死んでしまうの。

ハムレットは、怒ったよ。
そして、毒が回った身体で、最後の力を振り絞って、
王・クローディアスを刺し殺したの。
そしてノルウェーのフォーティンブラス王子にね、
デンマークの王を継いでくれるように頼んで… 
ハムレットも死んでしまったの。



と、まぁ…だいたいこんなお話。
息子相手だし・・・こんなもんで。

ホレイシオは大事な存在だけど・・・省いてもいいよね。
政治的背景の説明も…いらないものね。  アハハ


まぁ、いいか(笑)   ダメかしら???


* * * * * * * * * * * * * * * * *


やっぱり『ハムレット』は面白い♪
(本書は、河合祥一郎・翻訳 角川文庫刊です)

『ロミオとジュリエット』も大好きなの♡再読もイイかな(^^;
でも…よしっ!今度は喜劇がいいな♪
『ヴェニスの商人』にしよう (゚▽^*)☆


河合氏の『謎解き「ハムレット」』 と 『ハムレットは太っていた!』 も
読んでみたいなぁ。  チェックしてみよう。
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by merrygoround515 | 2007-08-30 10:19 | Book

子どもたちへの願い

世界がもし100人の村だったら
/ マガジンハウス
スコア選択: ★★★★






『 世界がもし100人の村だったら 』  マガジンハウス刊
(池田 香代子/再話  C.ダグラス・ラミス/対訳)


もしも今日がついていない一日だと感じたあなたも
これを読んだら現実が違って見えるかも。


もし、現在の人類統計比率をきちんともり込んで、 全世界を
100人の村に縮小するとしたらどうなるでしょう。

その村には…
57人のアジア人
21人のヨーロッパ人
14人の南北アメリカ人
8人のアフリカ人がいます。

52人が女性で
48人が男性です。

70人が有色人種で
30人が白人。

70人がキリスト教以外の人で
30人がキリスト教。

89人が異性愛者で
11人が同性愛者。

6人が全世界の富の59%を所有し、
その6人ともがアメリカ国籍。

80人は標準以下の居住環境に住み
70人は文字が読めません。
50人は栄養失調に苦しみ
ひとりは瀕死の状態にあり、
ひとりはいま、生まれようとしています。
ひとりは(そう、たったひとり)は大学の教育を受け
そして たったひとりだけがコンピューターを所有しています。

もし、このように縮小された全体図から私たちの世界を見るなら、
相手をあるがままに受け入れること、自分と違う人を理解すること、
そして、そういう事実を知るための教育がいかに必要かは
火を見るより明らかです。

また、こんな視点からも考えてみましょう。

もし、あなたが今朝、目が覚めた時、
健康だなと感じることが出来たなら…
あなたは今週生き残ることができないであろう
100万人の人たちより恵まれています。
もしあなたが戦いの危険や、投獄される孤独や、獄門の苦悩、
あるいは飢えの悲痛を 一度も経験したことがないのなら…
世界の30億人の人たちより恵まれています。

もしあなたがしつこく苦しめられることや、
逮捕、拷問または死の恐怖を感じることなしに
望む場所へ行くことが出来るなら…
世界の30億人の人たちより恵まれています。

もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、
頭の上には屋根があり、寝る場所があるのなら…
あなたはこの世界の75%の人々より裕福です。

もし銀行に預金があり、お財布にお金があり、
家のどこかに小銭の入った入れ物があるのなら…
あなたはこの世界の中で最も裕福な上位8%のうちの一人です。

もしあなたの両親がともに健在で、そして二人がまだ一緒なら…
それはとても稀なこと。

もしこのメッセ-ジを読むことができるなら、
あなたはこの瞬間、2倍の祝福を受けるでしょう。
なぜならあなたのことを思ってこれを伝えている誰かがいて、
その上、あなたは全く文字の読めない世界中の20億の人々より
ずっと恵まれているからです。

昔の人がこういいました。
「わが身から出づるものは いずれわが身に戻り来る」 と。

お金に執着することなく、喜んで働きましょう。
かつて一度も傷ついたことがないかのごとく、人を愛しましょう。
誰も見ていないかのごとく、自由に踊りましょう。
誰も聞いてないかのごとく、のびやかに歌いましょう。
あたかもここが地上の天国であるかのように、
生きていきましょう。

…………………………………………………………………………

今更かとは思いますが…
新学期が始まり、本書再読しました。
息子に読んでほしいな、と思って引っ張り出してきたのだが
残念ながら「ルビ」ありませんでした(泣)
読み聞かせ、することにします。

多くの子供たちに
できるだけ早い時期に、本書を知って欲しい。
勉強ができる幸せを、生きていることへ感謝の気持ちを、
少しでも感じて欲しい、と… 願っています。


本書、パート4まで刊行されていたんですね。
今度立ち読みしてみよう。
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by merrygoround515 | 2007-08-30 08:55 | Book
出口のない海 (講談社文庫)
横山 秀夫 / / 講談社
ISBN : 4062754622
スコア選択: ★★★★★





基本的に、戦争物はあまり読みたくない。  
だが…。
著者の描く戦争が、どんなものなのか・・・ 
新刊を追っている作家さんでもあり、
やはり読んでみたい気持ちが強く、
結局、単行本刊行当時、読んだ作品。
 
読む決意は、大正解だった。


映画化されたため、あらすじは省略します。
(私は、主人公に海老蔵のイメージを持てません)


映画はともかく、小説が戦争を描くとき、
そこに悲しみのドラマだけが浮き上がるのは、嫌いだ。
戦争を利用しただけなのではないか? 
何故かやたらと陳腐に感じてしまう。
しかし、本書は違った。 
声高に戦争を非難するわけではなく、
かといって
お涙頂戴の月並みなドラマ仕立てでもなく、
変なあざとさも、なかった。
並木浩二という男の半生を、真摯に描いていていた。

野球という、
青春と若者の象徴のようなスポーツと、
「回天」という、海の特攻兵器。
戦争の“陰”を表すものを対比させたところが、
この作品のうまさの一つではないだろうか。

誰もが知る、ラヴェルの「ボレロ」。
戦争に、この音楽を合わせるとは…思わなかった。
ひっそりと始まり、ラストにクライマックスを迎えるこの音楽は、
特攻隊として命を散らした人たちの、
人生そのもののようでもある…。
なんて効果的なのだろうか。上手いですね~。

小学校の音楽室で、オルガンによって奏でられた「ボレロ」を、
並木はどんな想いで聞いたのだろうか。
おそらく彼は、
特攻隊のはかなさを連想したのではなく、
自由の素晴らしさを思い、
また生きる躍動を感じたに違いない。
私はそう信じたい。

魔球がミットに吸い込まれる瞬間が、
この音楽のクライマックスに相応しい。


予想外だったのが、回天の大きさ。
2m前後だと思っていたが、いやはや大きい。
14.75mもあったんだ……。
人間魚雷「回天」  脱出装置なし。   合掌
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by merrygoround515 | 2007-08-17 08:50 | Book

殺人症候群 (双葉文庫)
貫井 徳郎 / / 双葉社
ISBN : 4575510149
スコア選択: ★★★★





文庫といっても厚い。
ドン引きするくらいの厚さ!
怒涛の1100枚です。

前作二作を未読で、この『殺人症候群』を
手に取る方は、果たしていないと思います。

では、環敬吾率いる必殺仕置き人、最終章。
今回もまた通常では、無理難題が押し寄せます。

視点は四つ。それしか言えません。
四つの話というか、四つの事件がクライマックスヘ。
ものすごい運命で突き進んでいきます。

テーマは『復讐』。
本筋の事件とは別に…
二作目から芽生えたメンバーとの僅かな確執。
この三作目に一気に爆裂です。
作品の読ませ方も特異で、
過去二作から順当に流れてきたファンは…
え?え?え?何?何?何?そうくるの? です。
事件や犯罪とは別な意味で引き寄せられてしまいます。

三部に渡り環チームに魅了され、
彼らの日常生活を窺い知り、故に
彼らの生活の深い部分に疑問を抱き…
前二作は単なる序章に過ぎなかったのか!
そう繋がるの? そう思っていたの?
と思わせ、うねらせる作品に仕上がってます。

伏線爆裂!

必殺仕置き人のメンバーは第一作から変わりません。
ですが、ドラマですね。
この最終章は倉持氏の物語。といっても過言ではありません。
また、犯罪者に対する報復殺人の是非…を問いています。

でも少し残念なのは、
犯罪・事件の辺りに物足りなさを感じました。

まっ、最後は、深~い人間味をご堪能ください。
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by merrygoround515 | 2007-08-14 13:26 | Book
コンビニ・ララバイ (集英社文庫)
池永 陽 / / 集英社
ISBN : 4087478297
スコア選択: ★★★★




最愛の息子をひき逃げで亡くし、
続けざまに交通事故で妻を亡くした男が
妻子の死を引きずったまま… 
無気力にコンビニを営んでいる。
そのコンビニ「ミユキマート」を舞台に人生を語る
7つの物語。連作短編集。

暗い。全体的に暗い。
妻子の死が、底辺にこびり付いているからなのか…
主人公堀幹郎の持つ雰囲気があまりに暗くて。
読み出しはしばらく引いてしまった。
個人的に好きではないタイプの店主でもあり…。

そんな主人公を取り巻く、
ミユキマートに勤める治子、常連客の老若男女。
皆が其々に抱える実生活には、上手く言えないが
生きることの「一生懸命」を考えさせられた。 深いんだ…。

はっきり言って、本書は私の中で
それほど記憶に残らない作品になるのかも知れない。
だが、様々な人生模様が、心に沁みたのは確かだ。
とにかく、どの人生もリアルなのだ。

飲み屋で意気投合した、見知らぬ人が…
自らの人生を語り出す… 私は隣で昔話に耳を傾ける…  
そんな雰囲気に包まれた作品。 語り部がいいんだ。

聞きながら、ふっと頬を涙が流れ、苦笑い。
また時には…相手を抱きしめたくなったりして…。
そんな風に、作中の登場人物が、とても身近に感じた。


物語に、型にはめた結論や結末がないことが、素晴らしい。


また生きる辛さの中に、優しさが溢れていた。
「悲しくも温かい」というのが、本書にぴったりだ。
私が嫌いだと感じていた、店主・幹郎を、知らぬ間に応援し、
彼の持つ雰囲気を次第に心地よく感じていたのだから。


強いて上げるなら、7つのうち第四話の「パンの記憶」がいい。
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by merrygoround515 | 2007-08-14 11:05 | Book
くちぶえ番長 (新潮文庫 し 43-10)
重松 清 / / 新潮社
スコア選択: ★★★★






30年以上前、当時小学四年生だったツヨシが書いた
『ひみつのノート』の内容を基に、現在のツヨシが読者へ
まことしやかに人探しを依頼することから始まる…

月刊誌『小学四年生』に一年間連載された作品に
書下ろしを加えた、文庫オリジナル作品。

基本読者は「子ども」であるが…
「かつて子どもだった大人」への物語でもある。


ツヨシの住む町に、父の親友一家が引っ越してくる。
偶然にも、その家にはツヨシと同級生の子どもがいた。
マコトという名の転校生が来る噂から始まり…
主人公ツヨシが自身の小学四年生の一年間を
鮮明に語り、色鮮やかに描いている。

小学四年生にとって、家庭と学校、友だちとの生活は… 
ほぼ世界の全てだ。
少しずつ、ゆっくりと成長するツヨシと
常に大人びた正義の味方、曲がったことが嫌いなマコト。
二人が、親友へとすすむ過程は、絶妙な背景も伴って
ドキドキ&ワクワクし、目が離せなくなった。
二人が駆け抜けた一年は、共に成長をし続けた友情物語だ。

あえて内容を取り上げる必要は、ないと思う。
本書を1ページ捲れば、あっという間に読了だ。
その後、じんわりと心が温かくなる作品。


今現在、小学四年生はもちろんのこと
三年生以上の全ての子どもに読んで欲しい。
そして色々なことを感じ取って欲しい。
大人は、自身の小学生時代にタイムスリップして
記憶の中を旅してみるのもいいだろう。
懐かしい思い出に、この夏は浸ってください。


「わたしの夢は、この学校の番長になることです」

番長のあるべき姿が、ここにあります。



早速、息子がお世話になっている近所の4年生のお兄ちゃんへ
感想を聞かせてもらう条件付で、贈っちゃいました(笑)
D君の感想・・・  すごく楽しみ\^○^/
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by merrygoround515 | 2007-08-10 11:47 | Book
死神の精度
伊坂 幸太郎 / / 文藝春秋
ISBN : 4163239804
スコア選択: ★★★★★




死神は、この世の自殺と病死以外の「死」を全て扱っている。
不慮の事故や殺人事件など、突発的に起きる人間の死は、
実は全て、死神によって決定されているのです。

先ず、情報部から調査部に、割り当てた人物の情報が渡される。
調査部の死神は、一週間相手に接触し観察を続ける。
そして「可」もしくは「見送り」を報告書に記入し監査部に送る。
そして「可」の場合、8日目に「死」が実行される。
調査部の死神が割り当てられた人の「死」を見届けて、
死神の仕事が終了するのです。

主人公である死神(調査部在籍)の千葉が、
藤木一恵・藤田・田中聡江・荻原・森岡・古川朝美の6名に
一週間ずつ張り付いて、観察し、判断を下していく。
6つの人生を死神の視点で語る、6編の連作短編集です。

伊坂作品で、一番好きな作品! とにかく、一押しです。
未読の方は是非、来年の映画公開前に、ご一読ください。


死神である千葉のキャラクターが最高に面白い。
基本的に人間にはな~んの興味もない。
生きようが死のうが、一切お構いなし。
もちろん悲しみなど、ない。
それでも千葉は、一週間という期限内、しっかり調査を行うのです。
仕事は一生懸命する。というなんとも律儀な死神なのです。
中には、ろくに調査もしないで、
「可」をつけて送ってしまう死神もいるのに。

死神たちは、共通して音楽が好きだ。
ラジカセを見て「ミュージック!」と叫んだりする(笑)

私的には、床屋の話で始まって、美容院の話で終わることが好き。
ラストで待っていた状況には、参りました。(感服)
また、作中ずーっと雨が降っているのに(死神の千葉は、雨男なの)
とっても乾いた印象が残った作品です。絶妙なドライ感。
何故なのか…ついまた読み返したくなる作品です。


ラストの海岸のシーンは圧巻です。早く映像で観たい。
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by merrygoround515 | 2007-08-07 16:34 | Book
チルドレン (講談社文庫 (い111-1))
伊坂 幸太郎 / / 講談社
ISBN : 4062757249
スコア選択: ★★★★★





「短編集のふりをした長編小説」
五つの短編からなる作品。
作者もあとがきで 『はじめから終わりまで、
一つの長い物語として読んでいただければ幸いです』
と、語っている。
でも、一つずつの短編として読んでも、十分に面白い。


「バンク」
あっという間に、引き込まれ、戻れなくなる。
銀行強盗と被害者の心理描写、不思議と違和感がない。
陣内のはちゃめちゃな個性は、立派です!(笑)
人質が銀行強盗の前で突然歌いだすなんて…
カッコイイ~! アハハ


「チルドレン」
家裁調査官として働く、陣内と武藤。
もちろん、破天荒な陣内に翻弄されまくる武藤。
陣内の乱暴な主張に影響された武藤の行動、
そして、謎が少しずつ明らかになっていく様子…
テンポよく、とても面白かった。
「自分で買えよ」は、私も異口同音(笑)


「レトリーバー」
『あらゆるものごとのなかで一番悲しいのは、
個人のことなどおかまいなしに、世界が動いて
いることだ。 もし誰かが恋人と別れたら、
世界は彼のために動くのをやめるべきだ』
という、カポーティ小説にでてくるの言葉の通り…
自分の失恋によって、「世界が止まった」
と、陣内は主張するのだが…。∴∵ゞ(゚ε゚ )ブッ
陣内、永瀬&恋人優子が登場。
告白に挑む陣内には、大爆笑させられた。
陣内の語りべは、参りました。


「チルドレンⅡ」
再び、陣内と武藤が活躍する。
冒頭の
「飲みに行こうぜ」「何を飲みにですか?」
「麦を発酵させて作った酒を、五百ミリリットル
くらいのジョッキで五杯ほどだよ」
最高です!
強引で横暴でスーパー自分勝手な陣内だが
彼の発する言葉の意味は、深い。
単なる屁理屈だと一蹴できない。
この一遍は、本書の中枢を担う位置づけです。
ラストは爽快この上ない! 
カッコイイ。の一言だ。


「イン」
デパートの屋上でアルバイトをしている陣内に、
永瀬と優子が会いに行く日のエピソード。
オチはよめた。
永瀬の視点で語られるこの物語は、彼らしく
とても静かで、ジンワリと温かみを感じられる一編だ。


最後に本書で一番好きな陣内を。
とにかく、一貫して盲目の永瀬を特別扱いしない。
常人と同じく接する陣内の姿が好きだ。
中でも…
見知らぬ女性が、永瀬に5,000円札を握らせる。
それを知った陣内の言葉。
こんなこと…絶対言えない。

気になった方、どうぞ、本書お読みください。


「チルドレン」=全ての人間はだれかの子供である。
陣内の歌うビートルズ、聞いてみたい。
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by merrygoround515 | 2007-08-03 12:11 | Book