読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

タグ:作家名別  あ行 ( 49 ) タグの人気記事

『空の中』 有川浩

空の中 (角川文庫 あ 48-1)
有川 浩 / / 角川グループパブリッシング
ISBN : 4043898010
スコア選択: ★★★★






何が良かったかって、
人類の敵が、知的生命体だということ。
そして
武力ではなく、平和解決の道を探る展開が
なんともステキだった。

冒頭、いきなり立て続けに飛行機事故が発生!
二件の事故により、
テストパイロットと自衛官が亡くなってしまう。
これは、もしやハードな物語なのか?
と、少し身構えたのだが、話は全く違う方向へ。
怪物モノだった…。 あはは

事故で亡くなった自衛官の息子、
高校生の斉木瞬が、偶然見つけたナゾの物体。
彼は「フェイク」と名づけ、共に暮らしだす。
「フェイク」と彼は、面白いことに亡き父の
携帯電話を通じて意思疎通をはかることができるのだ。
父を亡くした哀しみから、
まるで逃げるかのように「フェイク」にのめりこむ瞬。
その様子を心から心配する幼馴染の天野佳江。
偉大なる優しさと強さをもった老人、宮ジイこと宮田喜三郎。
この三人の交流に、物凄く心が和み、温かくなった。

一方、
スワロー事故(テストパイロットが犠牲に)の
調査委員である、春名高巳と自衛官の武田光稀は、
事故調査中、「フェイク」の仲間である「ディック」と出会うのだ。
そしてその後、
人類の代表として「フェイク」とコンタクトをとり続ける。
この空中に浮かんだ巨大な生命体は、
後にいろいろ起こり「白鯨」と呼ばれることになる。

高度な知的生命体である「ディック」が、
次から次へと言葉を覚えていくところが面白い。
地上からの電波によって単語を習得していたため、
「ディック」の言葉は
「こんにちは、お昼のニュースです・・・・・・」から始まる
などなど、ユーモア満載だった。 ははは
だが、もうひとり遺族(テストパイロットの娘)
美少女・白井真帆は…
そのなんとも言えない切なさに、胸が苦しくなった。

とにかく、
白鯨との大騒動からラブコメ路線も楽しめて、
ちょっと欲張り過ぎじゃない?と、言いたいくらい(笑)
内容は盛りだくさんの一作だった。

また、作者の巧い会話作りから、
「言葉」の難しさを改めて感じました。
「説明する」「論じる」…
「話し合う」「討論する」…って、
どれも凄いことなんだ。
根気よく、着実に任務を遂行した高巳が、
めちゃくちゃ恰好良かった。

本書は、戦う自衛隊三部作のひとつ。
いや、戦うだけではないね。
恋する自衛隊三部作だ。
『塩の街』の陸自に続いて、空自の物語。
後りの一作は、海自の物語『海の底』。
残すところ最後の『海の底』。
近日中に読み出す予定です。
楽しみだなぁ。



もしも、ふと空を見上げたとき
正体不明の楕円形の物体が浮かんでいたら…
それは、「白鯨」かもしれない。
私は、存在している気がしてならないのですが…。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-09-26 13:47 | Book
イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
乾 くるみ / / 文藝春秋
ISBN : 4167732017
スコア選択: ★★★





ネタバレを含みます。 未読の方はご注意ください。






一読で、6割以上理解した上で読了しました。
残念ながら、最後の二行を読んでも、
全くもって驚きはなく、
へぇ、前の彼は“辰也”だからたっくんなんだ、
その為に夕樹でたっくんかぁ、可哀相に…って感じでした。
なもので、
えっ?これで終わりなの???
と、消化不良を起こして、読了でした。

そのまま解説を読みましたが、
私自身がどっぷり同じ世代なので、ハッキリ言って
特筆の意味が分からなかった(苦笑)。
作中、言ってた、言ってた。 出てきた、出てきた。
おお、これも言ってたな。って感想呟いていました。


やはり、「side-A」、「side-B」という区切りが
分かり易くしていたんだと思う。
そんなに真剣に読み込んだ訳ではなかったが
明らかにたっくんは、別々の人だったもの。
交際の時期も、有る程度は普通に読んで気付いた。
男女7人が解り易過ぎでした。
また、物語の時代背景と、私が同世代だったこと…
これが一番のポイントでしたね。
作者の意図が容易に見て取れてしまって、
評判通りには、騙されなかった。
残念ながら騙されないと、あまり物語には
魅力を感じないかも。
まぁ、一応ハッピーエンドなので良しとします。
しかし、残念だ。

男性は本書を読んでどうなのだろう。
やはり驚かされて、絶賛するのだろうか?
俄かに信じがたい気がしないわけでもない(笑)


しかし、繭子…
恐ろしい女性だわ。
「私、今日のことは一生忘れないと思う。
……初めての相手がたっくんで、本当に良かったと思う」
~中略~
「ううん。二度目の相手もたっくん。三度目の相手もたっくん。
これからずっと、死ぬまで相手はたっくん一人」
ゾッとして、背中が寒くなりました。


次は『リピート』にする予定。
予備知識ゼロなのだが、
どんな物語なのだろうか?
期待して、大丈夫かなぁ。


私、どんでん返しモノといわれる作品、
最近、あまり合わないのかも。
面白いんだけれど、楽しめるんだけど
絶賛はできないなぁ。
『葉桜の・・・』や『七回死んだ・・・』もダメだったもの。
うむむ、どうぞ
変わり者と、呼んでください(苦笑)。

『慟哭』や『十角館…』や『ロートレック荘・・・』は
大好きです。あしからず。 ほほほ
[PR]
by merrygoround515 | 2008-06-09 10:03 | Book
クレオパトラの夢 (双葉文庫)
恩田 陸 / / 双葉社
スコア選択: ★★★★





シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。
その彼が北国のH市を訪れた。
不倫相手を追いかけていった双子の妹の和見を連れ戻すためだが、
もう一つ重大な目的があった。
それはH市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。
人々の思惑や駆け引きが交錯するなか、恵弥は何を知ったのか。
粉雪舞う寒空に広がる、恩田陸の無限のイマジネーション。
(文庫本、裏表紙より)


『MAZE』の続編。(と言っても、前作との関連性は全くなし)
神原恵弥のスピンオフって感じの作品。

う~ん、スコア④をつけましたが、甘いかな。
恵弥に会える!と喜び勇んで購入し、
殆ど恵弥と和見の物語だと知り、大喜びで手にした。
結果からいうと…
とにかく、「クレオパトラ」の設定に無理があると思う。
ネタバレになってしまうので記さないが、
もっともっとスケールの大きい物語にすべきモノだ。
また、恵弥の特殊能力の扱いも低レベルな気がする。
どうやら彼は、ハンターの腕は確かかもしれないが
探偵としては三流。 向いていないわね(笑)
彼の推理を、十分に楽しませてもらっていたが
実際の真相は違うんだもん。 
でも、キャラ的には、大好き。 
容姿端麗、頭脳明晰、腕っ節も強い、オネエキャラ。
超格好イイ男前なのに、口から出るのはオネエ言葉。
見た目とのギャップが、恩田さんの筆致により
リアルに浮かんで楽しめました(笑)。
でもってこの恵弥の魅力的なキャラが、
本書のスコア④の、一番の理由でもある。

どうしても恩田さんには多くを期待してしまう。
ミステリィだと信じて読み進んだが、
まさかこんなドラマのような展開が続くとは。
やはり期待をするのなら、満じゃないと、ダメなのかしら。
でもまぁ、本書はミステリィではない、と認識すれば
面白かった気がする(苦笑)。
如何せんラストは、勿体無さ過ぎる。

私にとっては、
万人へのオススメ作品、とは、言えない。


う~ん、次言ってみよう! あはは
[PR]
by merrygoround515 | 2008-06-09 09:34 | Book

『MAZE』 恩田陸

MAZE (双葉文庫)
恩田 陸 / / 双葉社
ISBN : 4575509086
スコア選択: ★★★★






アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。
いったん中に入ると、
戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。
その「人間消失のルール」とは?
謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちは、
果たして真相を掴むことができるのか?
異国の迷宮を舞台に描かれる、幻想的な長編ミステリー!
(「BOOK」データベースより)



舞台設定、登場人物、背後関係、
現地での一週間という時間の流れ…
とにかく、上手い。 恩田ワールド満開だった。
導入部分から、神秘な古代ミステリィかと思いきや、
すーっと現代に遡り…
もしやファンタジィ?って展開も感じられるんだ。
そして、主人公によって、
謎解きが繰り広げられ、あっという間に夢中になった。

その雰囲気しかり、展開の適度な速さも実に魅力的。
謎がもたらす影響の濃さには、ただただ、びっくり。
ページを捲る手が、途中で止まらないんだもの。
正に、一読巻措く能わざる、だった。

この作品は、ラストに何かが起こるタイプではなく、
読中にこそ、醍醐味がある。
読んでいると次々謎解きに関連した状態が浮かび上がり、
知らぬ間に、物語の世界に入り込み、そして──
最後まで抜けられないのだ。

最初から最後まで面白い上に、
読み進む速度が変わらない作品も珍しい。

「存在しない場所」「あり得ない場所」といわれた白い建物。
その建物の歴史と不思議を、是非堪能してください。

しかし、「豆腐」とは上手いネーミングですね(笑)
イメージし易いし、親近感が持てる(笑)。
個人的に気になったのは、
恵弥と双子の妹の和見。欲を言えば、その姉たちにも興味がある。
何かの作品へ特別出演はないのだろうか。
恵弥と満だけでも、また会いたいなぁ。


読後、
読中のハラハラドキドキ&ワクワク感が
すーっと消え、全体にサラッとした感覚が残った。
その理由がすぐには解らなかったのだが、
一晩経ってみて、何となく解った(苦笑)。
どうやらストーリーそのものに無理があるからだね。
全く現実的ではない、からでしょう。
そこに、ラストの微妙な結末が加わって、
全体を軽い感じにしたのだと思う。

でも、恩田ワールドを堪能できる作品。
読んで損はない、よ。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-04-07 13:19 | Book
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
乙一 / / 集英社
ISBN : 4087471985
スコア選択: ★★★☆(3.5かな…)




九歳の夏休み、少女は殺された。
あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく──。
こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような
四日間の冒険が始まった。
次々に訪れる危機。
彼らは大人たちの追求から逃れることができるのか?
死体をどこへ隠せばいいのか?
恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を
驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作、文庫化なる。
(「BOOK」データベースより)


なんて言ったらいいのか…
とにかく上手い言葉が見つからなくて。
読後一週間も過ぎた今、勢いに任せて書くことにした。(4月3日現在)


確かに上手い。 素晴らしい観点。
それも17歳という年齢の男性が書き上げたのだから、
尚のこと、凄さは増す。
解説では、
小野不由美女史がベタ褒め&絶賛しっ放しでしたが、
どうしても素直に賛同できない自分がいました。  
何故なのだろう…か。


考えてみると…
作品の展開も結末も、凡そ先に読めてしまったことが、
最大の原因ではないかと、思う。
最も、サラーっと読んでしまった私がイカンのだが。
きちんと熟読すれば、女史の言わんとする
著者の驚異的な描写力、観察力や構成力や得がたい個性を
感じることができたのではないだろうか。

また、言い訳でもなんでもないが、
乙一氏の著書を、既に何冊も既読だ、ということも…
大きな要因だと思う。
このデビュー作より、遥かに近年の作品のパワーの方が上だ。
その素晴らしい筆力と発想力に圧倒され、
著書を読み進んできたのだから。

もっと早く・・・
ないし一番最初に、本書で乙一氏に出会っておけばよかった。
後悔先に立たず。・゚・(*ノД`*)・゚・。


一読後私は、表題作よりも 「優子」 の方が好きでした。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-03-26 12:35 | Book

『木曜組曲』 恩田陸

木曜組曲
恩田 陸 / / 徳間書店
ISBN : 4198610932
スコア選択: ★★★★





『夏の名残りの薔薇』を読了後
恩田女史を続けて読みたくて
積読を漁りました。
発見したのが、本書 『木曜組曲』。

雰囲気も作風も全く前読作とは異なったこと、
内容の濃度も全く違ったこと、
今は、良かったのか悪かったのか、よく分からない。

一晩経過して言えることは、
本書、とってもシニカル。  アハハ

とにかく簡単に言うと、
女性が五人集まり(俗に言う、おばちゃん達だねぇ)
三日間、食べて飲んで、飲んで食べる。
べらべらしゃべって、日常に帰っていくお話。
まあ、それだけではないけれど、ね。 へへ;

内容は(笑)
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。
時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。
ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、
出版プロダクション経営の静子。
なごやかな会話は、
謎のメッセージをきっかけに、いつしか告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。
はたして時子は、自殺か、他殺か―? 気鋭が贈る、長篇心理ミステリー。
(「BOOK」データベースより)


そう、もちろん、本書はミステリィなので
おしゃべりで終るものではない^^;
その中に、有名女流作家の自殺、という
底辺ともいえる大前提を設定し、
その作家の血縁者並びに近しい人間を配置。
作家が薬物死したのは四年前。
「うぐいす館」と呼ばれる彼女の邸宅で。
その場に居合わせたのが、前述の五人の女性たち。

彼女達は時子を偲び、
翌年から「うぐいす館」に集うことにしていた。
物語は、
四年前の事件(?)を解明させるべく展開していく。
偲ぶ会も四年目にして馴れ合い、単調化気味。
その日の朝、
贈られた花束と添えられたメッセージカードから
四年前の、検証が始まった。

本当に観劇をしているような作品だった。
場面があまりに動かなすぎて、
リビングでのワンシーン、ワンシーンが
終始舞台上で行われているような感じだった。

でも、流石は恩田女史だけのことはあって、
女性特有の心理戦の楽しみがテンコ盛り。
また、女性ばかりだからなのか
とても分かりやすい言葉と、語りばかりだった。
誰か一人に感情移入することなく、
全員の立場になって、考え、疑い、飲みました(笑)
そして、それそれの感性によって、
時子という人をイメージすることができた。

五人の思考、駆け引き、言葉の選択、言葉の切り出し方・・・
とにかく楽しい。 
美味しい料理とお酒がちゃんと小腹が空くころに登場する。
登場人物が四人まで作家(物書き)、
残るひとり(えつ子)は、敏腕ベテラン編集者。
この設定も面白かった。 
よくまぁ、こんな魅力的な物語が書けるものです。
感心してしまった。  あ~面白かった。

気分がスグレナイとき、読み返したい作品になりました。



恩田女史は、誰に一番自分自身を反映させたのだろう。
ビール党は絵里子なので、絵里子かな? いや、安易過ぎだ(笑)
あまり大きな共通点が感じられなかったから…
きっと全員に、どこかしら投影したのでしょう、ね。

あっそういえば私、
木曜日が一番好き、って感覚、よく分からない(笑)
やはり金曜日が一番好きだもの!



昨日、積読から 『まひるの月を追いかけて』 も発見。
次は、一人称を堪能したいと思います(*^^)v
[PR]
by merrygoround515 | 2008-03-21 11:49 | Book
夏の名残りの薔薇 (文春文庫 お 42-2)
恩田 陸 / / 文藝春秋
ISBN : 4167729024
スコア選択: ★★★★★




先日、マイミクさんよりオススメいただいた本書。
昨日一日中雨模様だったので、
家族で“雨読”を決め込みました(笑)

内容は、
沢渡三姉妹が山奥のホテルで毎秋、開催する豪華なパーティ。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。はたして犯人は──

そう、舞台は山奥のクラシックなホテル。
閉鎖された感じの館で起こる変死事件?!
わぁ~いいじゃないかぁ~!本格ぽくて。 素敵~(笑)

と、こんな取っ掛かりだったのに
私、読後、しばし放心状態に陥りました。
本書の揺らいだ世界観、漂う濃密な雰囲気… 
恩田女史の見事な筆致と相まって、心地よ~く酔えました。


『麦の海に沈む果実』や『黄昏の百合の骨』、
三月シリーズを愛しているんです。 
理瀬が好きで、好きで、大好きなんです。
『黒茶・・・』は宝ものですし(〃▽〃)
マイミクさんもそこのところを知った上で、
本書をオススメしてくれたのですよ。  よって期待大!!

前述の通り、放心状態になったわ。 
ええ、期待通り(笑)。いや、期待以上の作品でした。
どっぷり、すっかり魅了され、
山頂のクラシカル・ホテルから、簡単には帰って来れなかったし、
桜子さんに感情移入してしまって、すぐには抜けられなかった(苦笑)。


本書は、第一変奏から第六変奏という
六つの変奏から構成されており、
六人のそれぞれ異なった視点で語られ、
都度変化する相関!  まさに変奏。 上手いですね~。
現実と幻想(いや妄想かな?)の間で、
錯乱させられながらも、大いに魅了されまくった(笑)。

また、三人称多視点という演出は、
グランドホテルという舞台をますます現実化してくれた。
その上、主要登場人物は六人+三人と、捕らえやすい人数(笑)
それぞれの繋がり方、人間関係、その関係性においても
効果絶大だった。
男女の距離感の描き方といったら、それはもうピカイチ。
本来ならドロドロするはずの関係性なのに、
何故なのか、サラッと乾燥していて、嫌悪感が生まれない。
恩田女史の筆致のなせる業、深~く、感心させられました。

ラストの記憶の操作・・・ 身震いが起きました。
でも…何故ラストがあの人なのか? ちょっと腑に落ちない。
やはり、三姉妹の誰かにして欲しかったかも。
それじゃ、ダメだったのかしら、ね。 うむむ。。。




作中で物語と並行するように引用されている書籍があります。
『去年マリエンバートで/不滅の女』 (アラン・ロブ=グリエ著)。
映画 『去年マリエンバートで』 を元に書かれた作品らしいのですが
残念ながら映画そのものを見たことがありません。
『夏の名残りの薔薇』 が 映画 『去年マリエンバートで』 から
どのくらい影響を受けているのか、全く分らないのが残念です。
(本書内での引用箇所が多すぎて、途中何度もイラっとしましたww)

まぁ、機会があったらレンタルしてみようと思います。
と言っても(何とな~くですが、フランス映画だからなのか…)
あまり、その映画に興味が持てないので、悩んでいます(苦笑)。
その映画・・・面白いのかしら???

巻末に杉江松恋氏による
評論とインタビューが収録されています。
インタビューは恩田女史の人間性が表れていて、
もしかしたら…
本編より楽しめてしまう人がいるかもしれない、
って思ったほど、面白かったです(笑)。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-03-21 09:31 | Book
どんなに上手に隠れても (講談社文庫)
岡嶋 二人 / / 講談社
ISBN : 4061854348
スコア選択: ★★★★





多くの人が出入りするテレビ局から、白昼、売り出し中の歌手が誘拐された。
しかもその直前、この誘拐を暗示する奇妙な匿名電話が警察に入っていた。
芸能プロやCMのスポンサーたちの対応、駆け引き、警察の地道かつ執拗な捜査、
そして事件の驚嘆すべきトリックまで、リアルに描ききった傑作長編推理。
(「BOOK」データベースより)

東野氏は、
岡嶋二人さんの作品の中で、特に本書がお好きだそうだ。 
で、お二人と話をしている時に
「この作品大好きなんですよ」と、言ったところ
「じゃ、書いてー解説、今度文庫になるんだ」と。
なんとも安易な展開で・・・事が運ばれたそうです。 アハハ
それにしても東野氏、ちょっと本書を褒めすぎです…ね(笑)


読んでいて、事件そのものの緻密さには感心していたが
作中の刑事が漏らしていたように
最初から、どこか狂言誘拐のような感じが漂っていました。
誘拐事件は単純な金銭目当てではなく・・・
何か利害関係が??? それとも人間関係の縺れか???
ついつい、先読みしようと思考回路をグルグル。

考え出してからは、物語の展開も然ることながら
犯人(というか黒幕、ね)当てに躍起になってしまった(笑)。
芸能プロや広告界の実像には、驚くほどのリアル感があり、
事件の背景などは、読んでいるというより、
ドラマを観ながら犯人探しをしている気持ちになった。

結果、ほぼ犯人は当てました。
と言っても、ねぇ。。。 
「株」やカメラマンの不信な行動が出始めてから、思い当たったので
勝負は、引き分けかな(笑) 
失礼^^ゞ

あまり、ハズレ作品の無い作家さんですから、
あっという間に読めるし、それなりに楽しめるし…
本書も、私的には大満足です!



さて、黒幕は、だ~れだ?!  
お楽しみください。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-03-19 12:32 | Book

『最悪』 奥田英朗

最悪 (講談社文庫)
奥田 英朗 / / 講談社
ISBN : 4062735342
スコア選択: ★★★★★





勿論本書の存在は知っていた。 

何故、今まで未読だったのか…
自分で自分が信じられない。
著者の他作品には
手を出していながら、本書を未読だった。
私はマヌケだ。 
こんなにテンポ良く、リアリティに富んだ作品を
知らなかったとは。
自分が情けない(苦笑)


春一番が吹き荒れた休日、
数日かけて読み通そうと、気軽に手にした本書。
文庫なのに約650頁。(¥920円もした)
大層な厚みがあるのに…まさか一気読みとは。
予想もしていなかった。 実に不経済な本だわww

でも、大満足の一冊だった。


内容は…
堅実経営でバブル崩壊を生き抜いた、 零細工場の主、川谷信次郎。
銀行という堅実な職場にありながらも、 人間関係に恵まれない女、藤崎みどり。
パチンコとカツアゲを生業に 転落人生を歩む青年、野村和也。
この主要3キャラの、ある一時の人生が舞台であり、 本書の全て。
この3人それぞれの視点で、入れ替わり立ち代り物語は進む。

分厚い本書を持ちながら、グイグイ引き込まれ読み進んだ。
3人の人生に襲い掛かるように振りかかる
俄かに信じられない災難と不運の連続。
しかし、不思議なほどリアリティがあるのだ。
まるでノンフィクションのよう。
3人が実在している錯覚をも、覚えたwww 

読みながら誰もが気付くことなのだが…
3人の接点を、 今か今かと心待ちにしてしまう展開なのだ。
しかしこの3人!
なかなかニアミス以上近付かない。  
いつ出会うんだ、いつ出会うんだ、 ワクワクしながらも、
次第にイライラ。
気付くと後半に突入していた。(〃´o`)=3 フゥ

が、しかし、期待させ、待たせるだけのことはある。
3者3様の災難が、やがて1つに収斂していく様は、圧巻。
とにかく繋がり方を深く考えている暇がない。
なんで?とか思いながらも中断することが出来ない。
この展開の早さこそ、まさにジェットコースター!!!
しかし、念願の接点は全体の5/6以降(苦笑)。 
ラストまで、息をする暇もなかった感じだわwww

最高です。 最高の犯罪心理小説。

しかし、よくこの設定と展開を思いつきますよね。
サブキャラなんて完全に、こういった人いる!だもの。
人物描写の詳細さと、凄まじいリアリティを、
読みながら、はっきりと映像で楽しめる作品だ。


読まなきゃ、買わなきゃ、損しますよ。
未読なんて、“最悪”だよ。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-02-25 09:25 | Book
KIDS (角川文庫 お 52-99)
乙一 / / 角川書店
ISBN : 4044253072
スコア選択: ★★★




「KIDS」は、「きみにしか聞こえない」(01年、角川スニーカー文庫)に
収録された短編「傷―KIZ/KIDS―」が原作。

小池徹平&玉木宏がピュアな友情・希望を描き出す映画「KIDS」の小説版。

「傷の深さも痛みも二人で半分」
子供の頃、父親にひどい傷つけられたタケオは、
ある日、寂れた町のダイナーでアサトと出会う。
やがてタケオは、
アサトが人の傷を自分の体に移すことができる、
特殊能力を持っていることに気づく。
タケオがアサトの秘密を知ったときから、二人の友情が始まった。
自分を痛めつけるかのように、自らに傷を移しつづけるアサト。
それが彼の辛い過去への贖罪の行為だと知ったタケオ。
やがて、2人はお互いの心の傷と向き合い……。

友情の深さと、アサトともちろんタケルの純朴さに、胸が痛い。
二人の過去の傷も、現在も、そして未来も、共に歩むことで
強く、明るく、幸せになって欲しいと願わずにいられない。



私が読んだのは、『失はれる物語』  (角川文庫刊)に収録の「傷」でしたが、
「傷」=「KIDS」 には、ちょっと感動してしまったわ。

とにかく原作も、映画も同等に素敵な作品であること、間違いないですね。
早く映画館へ行かなくちゃ。
[PR]
by merrygoround515 | 2008-02-11 20:21 | Book