読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

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神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司 / / 角川春樹事務所
ISBN : 4758432333
スコア選択: ★★★★






留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、
不登校の女子学生・穂瑞沙羅華を
ゼミに参加させるようにとの無理難題だった。
天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。
だが、
究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、
なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。
僕は穂瑞と同じチームで、
宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。
第三回小松左京賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)


ジャンル的にはハードSFらしいが・・・
青春小説(学園モノ)なのではないだろうか。
とは言っても、ここまで壮大なSF的なテーマには、
いままで出会ったことがありません。
が、ジャンルで言うと、
うむむ、どっちつかずなんだものなぁ。
この点だけは中途半端な読後感でした。 
(きっと青春小説ですよね?)
それと前半と後半で、作品のイメージが随分変わる作品でした。
ひと言で言うならば、“ユニークな物語”でした(苦笑)。

難しいテーマなので、堅苦しい展開とおもいきや、
なかなか軽快! とてもテンポ良く進みました。
“宇宙を作る”という難題の割りに、
主人公を取り巻く学生の日常は、
実にリアルで普通っぽい。親近感がもてました。
しつこいが“宇宙を作る”んですよ!
これほどまでに壮大かつ荒唐無稽なテーマでありながら…
決してSFではない、と強く思うのだが。
それって間違いなのだろか…。

次々に難しい言葉や話が続くのだけれど、
落ちこぼれの主人公、綿貫基一くんの知識が、
私と大差がなくて(苦笑)
丁度良いタイミングで「何それ?」と質問してくれるから、
さっぱり解らないってことはなく、面白く読み進めた(笑)。
とは言っても文系なので、基本チンプンカンプンですが、ね。

ラストはなんて言ったらいいのか…
切ないながらも、スッキリ。
いや、でも…結構寂しい感じが強いかなぁ。

映画化されたというので、読んでみたのですが
ここまで面白いとは、予想外でした。
これはどんな映画になっているのか…
実のところ、興味津々です(笑)


どうやら第二作の『メシアの処方箋』では
“救世主の作り方”を扱っているそうですが…
どんな感じなのだろう。
とりあえず文庫なので、リストアップしておこうっと。
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by merrygoround515 | 2008-06-16 20:24 | Book
心霊探偵八雲  赤い瞳は知っている
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4835583442

心霊探偵八雲(2)
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4835591046

心霊探偵八雲 (3)
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 428600001X

心霊探偵八雲 (4)
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4286000087

心霊探偵 八雲(5)
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4286000028






ママ友Yちゃんにお借りしました。
先ず、一巻から三巻をお借りしたのですが、
すぐに手にしたのが 良かったのか悪かったのか… 
その日のうちに三冊読了ww
即効で連絡させていただき(笑)
既刊分の残り、四巻~七巻をお借りしました。\^○^/
Yちゃん、いつもどうも有り難う!

素直に、面白かった。と言いたいww
自分が若返った感じがします。


私自身が読み進んでいた中で
区切りだと感じたのが、五巻だったので
一先ず一巻~五巻の内容紹介を記述します。


【内容紹介】 BOOKデータベースより

『心霊探偵 八雲』 赤い瞳は知っている

大学生の斉藤八雲は生まれつき左眼が赤く、その眼で霊を見たり、
会話をすることができる不思議な能力を持っていた。
そんな彼に、ある日、同じ大学に通う晴香が
「キャンパスのはずれに建つ廃屋を調べてほしい」と相談をもちかける――。
廃屋で起こった幽霊騒動と女子大生の監禁殺人事件を描いた「開かずの間」をはじめ、
交通事故が多発するトンネルの謎を追う「トンネルの闇」、
そして自殺偽装の殺人事件に晴香が巻き込まれる「死者からの伝言」を収録。
巧みなストーリー展開の新感覚ミステリー。
(本書は2003年1月刊行の『赤い隻眼』のリニューアル版)


『心霊探偵 八雲 2』 魂をつなぐもの

あの八雲が帰ってきた! 今度は晴香が危ない! 
次々と起こる不可解な殺人事件。犯行の動機は? 真相は? 
そして、川に出るという少女の幽霊とは……。
何と、晴香が川の中から突き出された手に足首を掴まれ、
そのまま川に引きずり込まれてしまった。
彼女の運命は、そして八雲は事件を解決できるのか──。
生まれながらの“赤い瞳”で死者の魂を見ることのできる大学生、
斉藤八雲の活躍を描く待望の「脳内映像」ミステリー第2弾。


『心霊探偵 八雲 3』 闇の先にある光

読者の熱い要望に応え、「脳内映像ミステリー」待望のシリーズ化決定。
敵か味方か、両目の赤い男現る!
「飛び降り自殺を繰り返す女の霊を見た」という目撃者の依頼で
捜査に乗り出した八雲の前に現れた両目の赤い男! 
彼にも死者の魂が見えるのか? 
そのころ別の場所では、マンションの一室から女性が消える怪事件が発生していた……。


『心霊探偵 八雲 4』 守るべき想い

晴香が教育実習で訪れた小学校には、ある噂があった。
夜中、校庭で遊びまわり、やがて炎に包まれる少年の幽霊……。
噂を裏づけるように、逃亡中の殺人犯が左手首だけを残し、
骨まで完全に燃え尽きた状態で発見される。
それを可能にするのは7千度を超す高温のみ。犯人は神か魔物か? 
そして八雲に似た雰囲気を持つ少年との宿命的な出逢い。
「今度はあの人が死ぬよ!」と少年が指差した先は? 
超常現象「人体自然発火」の謎に八雲が挑む!


『心霊探偵 八雲 5』 つながる想い

15年前にある屋敷で起きた一家惨殺事件。
その容疑者が姿を現した。まもなく時効成立というのに何故?
容疑者を取り逃がした後藤、石井両刑事は事件解決の糸口を求め、
犯行現場で撮影されたというビデオを八雲に見せるが、
映像の中に「何か」を見た八雲は突然姿を消す。
さらには捜査中の後藤刑事までもが行方不明に。容疑者による拉致か?
迷走する謎解きの果てに浮上したのは、八雲の母親にまつわる過去だった。
残された晴香と石井がとった、大胆な行動とは!?


──とにかく、読み出すと止まらない。
すごく読み易いので一冊一冊があっと言う間で。
既刊分を手にしていたら…
きっとこの5巻までは一気読みだったかもしれない。ふふふ


  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆


心霊探偵八雲 (6)
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4286000044

心霊探偵八雲―SECRET FILES絆
神永 学 / / 文芸社
ISBN : 4286000060

心霊探偵八雲 (7)
神永 学 / / 文芸社








この三巻(三冊)は特にイイ! 大好きですww
今までの集大成って色が濃くて。
どっぷり、しっかり全ての主要キャラに
気持ちが入り込みました。
その結果、全て号泣。涙もろいもので^^;
すっきりするほど泣かせていだたきました(笑)



『心霊探偵 八雲 6』 失意の果てに

前回の事件の被告人にして八雲の姉を名乗る女・七瀬美雪が
もう一件の殺人の予告をした。
被害者の名は「未解決特殊事件捜査室」の後藤、石井の両刑事にしか明かさないという。
拘置所へ向かった二人に明かされた名は、八雲の叔父であり住職の斉藤一心であった。
拘置所に収監されている美雪に一心が殺せるのか?
──しかし予告通りに一心は襲われ、犯行現場には美雪の指紋がついたナイフが……。
圧倒的人気に応えて、待望のシリーズ再開! 新展開の幕開けとなる新章突入!


『心霊探偵八雲 SECRET FILES 絆 』

八雲の生い立ちを知るために、一心のもとを訪れた晴香。
そこで語られた驚くべき八雲の少年時代。
自らの異能に独り苦悩し、一切の他者を受け容れない八雲と、
彼を救おうと正面から向き合う教師明美。
そんなある日、中学校を舞台に奇怪な事件が起こる。
絶望の闇の中から、やがて八雲は立ち上がる──。
「B-Quest」に連載され、魅力を堪えた少年八雲が大反響を呼んだ「外伝」と、
八雲・後藤コンビ第2の事件「亡霊の叫び -後藤編-」を収録。


『心霊探偵 八雲 7』 魂の行方

晴香が教育実習で出会った少年、真人から届いた一通の手紙。
楽しい毎日を送っているはずだったのだが、
綴られていたのは「助けてください」という悲痛な想い。
そして一枚の写真が同封されていた。
そこに写っているものを見た八雲は急いで行動に移す。
長野・戸隠へと向かう八雲、晴香、後藤の3人を待ち受ける今回の事件とは!? 



私の感想は、特筆しません。
内容紹介を読めば、しっかり蘇るので。
既読の方には、解ってもらえますよね~?!

「絆」ホントに良いの。再読したいくらい(笑)
早く8巻、出ないかしらぁ~。
Yちゃん、刊行したらまた貸してくださいね!(*_ _)人


 
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by merrygoround515 | 2008-05-15 16:06 | Book

『映画篇』 金城一紀

映画篇
金城 一紀 / / 集英社
ISBN : 4087753808
スコア選択: ★★★★★






読後…
一体何作の映画が出てきたのだ?と、思い、調べたら…
なんと、96本だそうだ。 (><;
それにね、金城氏…
年間300本もの映画を見るのだそうですよ。 すごいなぁ。


金城さんの映画に対する愛が詰まった物語。
実際の映画のタイトルで編まれた5編の短編集。
でも、5つの物語は少しずつリンクしています。
共通しているのが、
夏休み最後の8月31日(日) 18時から区民会館大ホールで行われる
「ローマの休日」 の上映会(入場無料)。
最後の「愛の泉」で開催迄の経緯が語られています。
全ての物語に関係し、そしてそこに終結しているのです。
読後は皆、映画のチカラを再確認させられること、間違いありません。

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「太陽がいっぱい」
僕のデビュー小説の映画化が決まり、撮影現場を訪れた。
駆け寄ってきた女の人。彼女は僕の本名を呼び、
自分は「永花(ヨンファ)」だと名乗った。
久しぶりに出合った小学生の頃の同級生。
訪ね損ねた「龍一(リョンイル)は?」の質問。
龍一は中学時代たくさんの映画を一緒に観た友人。
龍一の人生も関連させながら、
僕の小学生~中学、高校、大学、社会人…
そして作家への道のりと友情の物語。


「ドラゴン怒りの鉄拳」
買い物から戻ると、夫が寝室で自殺していた。
夫の第一発見者となったショックと、
製薬会社に勤めていた夫が薬害事件に関わっていたのでは?
とのマスコミの取材攻勢に疲れ果て、何ヶ月も引きこもりの生活を続けていた。
夫が延滞したビデオをレンタルショップへ返却に出かけ、
そこから彼女の人生が一変する。
学生アルバイトの鳴海が、毎日お薦めのビデオを貸してくれるようになる。
そのお薦め映画により、心の底から笑った私。
それから鳴海のお薦め映画を観る日々が続いた。
オーソドックスな内容なのだが、
ラストの「闘う準備はできた。」と、人生に立ち向かおうとする勇気が素晴しい。
爽快感たっぷり。


「恋のためらい/フランキーとジョニー もしくはトゥルーロマンス」
隣の席の石岡と最初に交わした言葉は
「一番好きな映画ってなに?」だった。
そのまま夏休みに入り、8月31日石岡から電話があり映画を一緒に見た。
そして打ち明けられた石岡のとんでもない計画。
スリリングで何故か可愛らしい復讐劇。
"出て行きたい"と思っている二人の、恋のような友情のような関係が面白い。


「ペイルライダー」
夏休み最後の日、
今日も僕は自由研究「映画ランキングベスト50」の製作の為
レンタルビデオ屋にDVDを借りに行く。
店を出たところでクラスのいじめっ子に囲まれた時、
大きなバイクに乗ったパンチパーマのおばちゃんに助けられた。
ハーレーダビッドソンFXSローライダーを乗り込なす
オバチャン・ライダーと少年の心の触れ合い物語。
しかしおばちゃんは、ある決心をして、この町に来ていた。
おばちゃんの胸に秘めた決心とは…。 
おばちゃんの過去には、グッときた。 (゚ーÅ) ホロリ


「愛の泉」
愛するおじいちゃんが亡くなり、元気をなくたおばあちゃんを
元気付けるべく、5人の孫がなんとかしなきゃ!と立ち上がる。
かおるの提案で、
おばあちゃんとおじいちゃんの思い出の映画を
おばあちゃんに見せてあげることに。
僕はプロデューサーを頼まれた。
孫5人の健闘ぶりとおばあちゃんへの愛が眩しいほど。
笑いあり、感動あり。 涙と笑がテンコ盛りです。
笑い泣きからティッシュが手放せなくなり、
最後はポロポロ涙が…止まらなかった^^;





全編通して、泣いて、笑って、切なくて…。 
最終話「愛の泉」を読み終えると、心がほかほか。
誰もが、笑と涙と感動を覚えることでしょう。
何度も読み返したくなる作品ですね。
とにかく、上手い。 上手いなんてもんじゃないわ!
それに、確かに「救い」の物語です。
寒い冬、心から暖かくなれる本書、特にお薦めです!





★以下5編のタイトルになった映画のジャケ画像★

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by merrygoround515 | 2008-02-12 14:42 | Book
 ★人気シリーズ 「円紫さんと私」 北村薫・著 (創元推理文庫)



空飛ぶ馬 (創元推理文庫)
北村 薫 / / 東京創元社
ISBN : 4488413013

夜の蝉 (創元推理文庫)
北村 薫 / / 東京創元社
ISBN : 4488413021

秋の花 (創元推理文庫)
北村 薫 / / 東京創元社
ISBN : 448841303X

六の宮の姫君 (創元推理文庫)
北村 薫 / / 東京創元社
ISBN : 4488413048

朝霧 (創元推理文庫)
北村 薫 / / 東京創元社
ISBN : 4488413056





スコア選択:★★★★★ (全作品!)



シリーズ第1作目の 『空飛ぶ馬』 は1989年刊行の北村氏のデビュー作。
第2作の 『夜の蝉』 で第44回日本推理作家協会賞受賞。
名探偵の噺家・春桜亭円紫師匠と、ワトソン役の女子大生・私が活躍する連作推理噺。




推理小説なのですが、“謎”は人間心理に深く通じ、日常の事件が主。
「私」の一人称で綴られる、温かくもあり淋しくも感じる様々な人間模様・・・
何ていうか、ミステリの奥が実に深いんです。
でも解決そのものはスッキリしていて。 安心&納得づくし。
主人公「私」の学生生活がまた、とてもステキです。
正ちゃんとの深い友情は、とても憧れます。ホント羨ましいほどに。。。
全女子大生の憧れ♪(時代を問わず)なのではないでしょうか。

著書の中には、北村氏の豊富な知識が満載。惜しげなく出されいるわ。
もう、唸らされてばかり。 凄い方だわ~。
読後は毎回、吸収しきれない知識と見解の多大さに、潰れそうになるんです(苦笑)。

こんな低レベルな私の視野が、少しずつ広がっていくんですよ。
自ずと興味の幅も広がり始め、連鎖的に深まって・・・
なんと仕舞いには、欲まで出てくるんです。 へへ;
主人公の「私」に、並びたいな~! 少しでも近づきたいな~!って、ね。
もちろん、未だに「私」の足元にも及びません。;;
「私」=北村氏ですものね。
こりゃ一生かかっても並べそうにありません(苦笑)。

シリーズを通して、読者は「私」の人生を共に歩みます。
大学生から社会人へ。 
「私」の成長一歩一歩に、一喜一憂。

読後は、私も「私」と一緒に成長していけたらいいな。してるといいな。
って心から願ってしまいます。 年齢関係なくね。
皆さんはどうでしょうか?


私的には、秋という季節に一番向いている作品ではないかと思います。
現在は真冬ですが…(笑)  興味を待たれた方は今すぐどうぞ。
5作全てお薦めなので、一気に全作を読み通すのはちょっと辛いかもしれません。
どうぞ、ゆっくり読み進んでください。
目標は秋までに! だって構わないと思います。 もちろん、年内だってOK!アハハ
取り敢えず、ぱーっと5冊読んで、1冊ずつ読み返すのも、お薦めです。
何回も何回も読み返したく作品になるはずです。
読み返す度に、次々と新たな発見に出会い、考えさせられます。
何度読んでも、新鮮なんですね。 
いつまでも飽きることがない、稀有な作品です。



「私」、とてもステキな女性です。
円紫師匠、とてもステキな男性です。
是非、お二人に出会ってください。
人生変える何かにも・・・出会えるかもしれません。




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『私は闇の中で、不特定の我が内なる神に向かってこうつぶやく。
                          ──神様、私は今日も本を読むことが出来ました』
 
(『空飛ぶ馬』 赤頭巾より)
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by merrygoround515 | 2008-02-05 09:54 | Book

『蛍坂』 北森鴻

螢坂 (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062758318
スコア選択: ★★★★





ビア・バー 「香菜里屋」シリーズ 第三弾。
マスター工藤が5つの謎を解き明かす、連作短編集。

毎度ながら、小さい店とはいえ、大繁盛。
一人で切り盛りしている工藤さん。
あなたには、目と耳がいくつあるのかしらん…?
それから前々から気になっていることがひとつ。
一体、ワインレッド色したヨークの刺繍入りエプロンを、
何枚お持ちなのでしょうか…?
決して判明し得ない疑問だとは、分かっています(笑)
一度言ってみたかったの。

本書、昨夜手にしました。連日ですねぇ。 
ええ、止まりません(笑)。     ∑(〃゚ o ゚〃) ハッ!!
『それが当店の陰謀なんです』    
  
   

「蛍坂」  元カメラマン有坂裕二。 (元彼女が常連客だった) 
16年前恋人・奈津実を残し、一人中東へ写真を撮りに行った有坂。
彼を待てずに結婚していた奈津実だが、5年前に事故死している。
ううむ、出だしにしては、重い。

「猫に恩返し」  タウン誌の編集人・仲河の話。
焼鳥屋で預かった一匹の黒猫の心温まる話を、タウン誌に採りあげた仲河。
すると店の面々から慰労碑の寄付を募る広告を頼まれる。
もしや、これは金集めの為のでっち上げだったのでは・・・?
猫の慰労碑問題が、とんでもない人情話に発展。奥が深い。

「雪待人」  元駅前の金物店主・南原の話。
駅前商店街の再開発に乗り遅れた老舗画材店が店を畳む。
南原は画材屋の一人娘と10年ぶり再会する。
彼女が皆に恨まれながらも同じ場所で待ち続けていたものとは・・・。
待ちきった彼女と待ちきれなかった彼。ちょっと切ない。

ここで、南原は工藤の薦めで香月へ行く。
そこで香月は工藤との関係を話します。「15年前に同じ店にいた」と。
そして工藤は「香菜里屋」で誰かをずっと待っているのだとも・・・。

「双貌」  常連客・多数登場!
同じ人でも服装髪型が違えば全く別の印象になる。
2つの貌を持つ人々をモチーフにした、作家秋津文彦の劇中作。
実に楽しい展開でした!ラストの余韻がタマラナイ。 ほっこり。
柏木彰が二次選考を通過した作品が…読みたい!

「孤拳」  ほぼ常連客・谷崎真澄の話。
病床の叔父(脩兄)との想い出、幻の焼酎”孤拳”を探したい。
真澄と脩兄のまっすぐな想いが切ないです。
真澄を傷つけまいとする香菜里屋の面々の優しさが沁みますね。
工藤さんをはじめ、石坂夫妻、有坂、七緒、東山…
そしてここでは、何といっても香月さん。 
可憐な物語です。 (゚ーÅ) ホロリ




次回作は最終話…。
だれかを待ち続けている工藤の過去が明らかになるのでしょうか。
知りたいような、知りたくないような。
知ってしまうと、香菜里屋も工藤も私の前から姿を消してしまう気がして、
哀しいかな、ちょっと怖い。

文庫落ち、気長に待ちます。
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by merrygoround515 | 2008-01-29 17:00 | Book

『桜宵』 北森鴻

桜宵 (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062753693
スコア選択: ★★★★






昨夜、疲れていたのですが…
まだ眠るには少し早いかな?と感じていたので
何の気なしに、手にしてしまった、本書。
いやはや、なんとまぁ、気付いたら読了してしまった^^;

ビア・バー 「香菜里屋」シリーズ 第二弾。 全5編の連作短編集。 
今回は、とにかく料理が素晴らしかった。  流石は北森氏。 


特筆したい見所は、
マスター工藤の友人であり、旧知の仲であるバーマン香月圭吾の登場です。
≪バー香月≫を営む香月は、自らの店を「プロフェッショナル・バー」と標榜しているのだ!
第四話「旅人の真実」に登場します。
でも、この二人は、いつから、どんな友人なのやら… 
具体的にはされていないので、さっぱり分からない;;
今後の作品で明らかになるのかしら? 興味津々です。



「十五周年」  常連客、タクシー運転手の日浦映一の話。
故郷(花巻)で贔屓にしていた居酒屋の15周年パーティーに招待された日浦。
しかし、知った顔もなく、居心地も悪い。
5年前に故郷を離れた自分が、なぜ招待されたのか・・・ 
常連の東山も同様な披露宴に招待されて、首を捻っていた・・・

「桜宵」   新座署の神崎守衛の話。
亡くなった妻・芙佐子の残した手紙を見て、一人「香菜里屋」をたずねる。
亡くなった妻からの最後の手紙、そこには
最後のプレゼントは「香菜里屋」に用意されていると、記されている・・・
5年前の事件の容疑者・高任由利江の不思議な行動の話しになり・・・
桜飯に託された妻の想いとは・・・         感動を誘います。

「犬のお告げ」  常連客、際波美野里と石坂修の話。(修は東山の甥っ子)
修の会社の人事、湯浅部長が≪悪魔のリストランテ≫と異名をとるリストラ要員選びの
ホームパーティーを毎週開いているらしい。
部長宅の愛犬に、噛まれたらリストラという恐怖のホームパーティーらしい。
果たして修のところにも招待状がやってきたが・・・
シャンパンを抜くタイミングといい、銘柄といい(笑)、工藤さん!素敵だわ。
お二人の幸せを、心から祈ります。

「旅人の真実」   広末貴史(飛び込み客)の謎を常連客のライター・七緒が調べるお話。
突然やってきて「金色のカクテル」を依頼し、満足せず捨てぜりふを吐いて去っていく男。
一人の男の悲劇的な結末でした。依存って、怖いなぁ。
「黄金のカクテル」を追い求める青年の謎よりも、先に記述した、二人のバーマンの関係の
方がずっと、気になります・・・^^;

「約束」   日浦の店での、工藤の話。
年末に、「香菜里屋」の水まわりの工事を行うことになり、休暇をとることにした工藤。
工藤は、花巻の日浦の店「千石」をたずねる。そのまま工藤は助っ人に入ることに。
ある日、ベストセラー作家の土方と古い知り合いの女性がやってきた。
聞くと、二人は10年ぶりの再会で、たった一つの旅の思い出、それがこの店だったらしい。
締めくくりにあえて充てたのか、とてもインパクトの強い作品。 悪意の極み。

「困るのです。わたしの作る料理に、調味料以外のものを入れられては」
物静かな、工藤の口から、思いのほか放たれた力強いセリフに・・・
この後の激しい口調に…  胸がスッとしました。



さて、次は 『蛍坂』 ですね。 ちゃんと食後に手にします^^;
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by merrygoround515 | 2008-01-28 12:40 | Book
親不孝通りディテクティブ (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062754746
スコア選択: ★★★★







博多の長浜で、おでんとラーメン、そしてカクテルを出す屋台を営む
テッキこと鴨志田鉄樹。  テッキとは腐れ縁な同級生、
華岡結婚相談所の調査員、キュータこと根岸球太。
高校時代は「鴨ネギコンビ」と呼ばれた、どちらも29歳。
という二人が主人公だ。
どう云う訳か…二人の下へ日常的に調査依頼が舞い込んでくる。
その結果、様々な事件に巻き込まれることに。
そして、それぞれのやり方で解決していく。
センチメンタル&ハードボイルドなミステリィ連作短編集。全6編。
手法がまた、面白い。
テッキとキュータが、それぞれの一人称で交互に語っていくのだ。
短編の作中でいきなり語り手が代わるのって、掛け合い的で、
なかなか面白い経験だった。

北森作品とは、『花の下に春死なむ』で出会い、本書はまだ二作目。
今回も、『花の下・・・』程ではないが、調理師免許を持つ北森氏らしく、
おでんとカクテルがいくつか登場する。  アルコール片手が必須の作品だww

萌えポイントだったのがww テッキの許に難題が持ち込まれる前触れ・・・
≪いやな予感がした。こうした夜に限って、疫病神はこの店に降臨する。≫
そして、キュータが現れる。そう、疫病神とはもう一人の主人公のキュータ。
この二人、お互いを理解しているからだろうが、ホントにいいコンビなのだ。
行動力と話術に長けたキュータと、頭脳と冷静さで事の真相を見極めるテッキ。
お互い話し合って調査に当たるわけではないのに、自然と分担されているのが
心地イイ。 相手を理解する心意気も実に、頼もしい。

またサブキャラも個性的!凄いのばかりが登場する。
一押しは、何といっても “歌姫” だ。
ライブハウス<ヘブン>の経営者&シンガーなのだ。
彼女の物語だけで、一冊書けそうなインパクトなんだもの。
あっ!ハードボイルドに欠かせない悪徳警官も、もちろん登場しますよ(笑)。

キュータの博多弁に、ついつい笑ってしまったが、
「~ったい」 「~やろうもん」 「~じゃと」 という聞きなれない言葉の数々に
なんかこう、温かみがあってテンポがあっていい感じ。(*^^)v
博多には、全く馴染みはないが、読後は近くに感じたもんなぁ。
 
 
「セブンス・ヘヴン」  登場人物紹介編といった感じ。
キュータが勤める結婚相談所で出会い、結婚したカップルが心中した。
発見者は、キュータ。でもって容疑者。

「地下街のロビンソン」 サブキャラ「歌姫」登場。
歌姫から人探しを依頼されるが、複雑な人間関係から事件が入り組み…
結末は、重くて辛い。

「夏のおでかけ」  テッキの謎に迫るサスペンス劇、かな?
テッキは毎年、夏の間の二週間だけ店(屋台)を閉める。
その理由が明かされ、さらには別な事件へと発展。
軟派なキュータに、イラッとしたww

「ハードラック・ナイト」  二人の本名とコンビ名が判明!
過去も明らかになる重要な作品。テッキの元カノ小坂奈津美が登場。
女子校生の暴行屍体を軸に事件の真相解明は楽しめる。が、
女子高生の考えていることには、納得できない。

「親不孝通りディテクティブ」  テッキの店では、カクテル「雪国」は永久欠番。
その理由となった、ホームレスのヒデさんが巻き込まれた、二年前の事件を語る。
事件の裏には、ヒデさんの人柄が、人間味が溢れていた。情感たっぷりな表題作。

「センチメンタル・ドライバー」  二人の高校生活の一部が明らかに。過去の因縁物語。
性根の腐りきった悪党には、どう対処したらイイのだろうか。
本書はこれで完結なんだと、締め括られた作品。  
結末には、いろいろと考えさせられた。  
   

しかし、北森氏って、すごい多作な方なんですね。
「蓮丈那智シリーズ」や「冬狐堂シリーズ」というのもあるらしい。
これからも地道に追い続けたいと、思う。
先ずは、「香菜里屋シリーズ」二作目からだけどね。
既に刊行されている 『親不孝通りラプソディー』 は、
本書の「ハードラック・ナイト」にちょこっと出てきた・・・
二人の高校時代のエピソードが描かれているみたいですね。
文庫落ちしたら、そちらも読んでみようっと。  ワクワク

北森氏、ついて行きまぁ~す。
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by merrygoround515 | 2008-01-23 11:48 | Book
花の下にて春死なむ (講談社文庫)
北森 鴻 / / 講談社
ISBN : 4062733277
スコア選択: ★★★★






「香菜里屋」シリーズ 第一弾。 (シリーズは全4巻)
三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」を舞台に、マスター・工藤哲也と常連客たちとの
日々の会話のやりとりから、様々な謎が展開され、その人生の悲哀を解き明かす。
マスター・工藤による、安楽椅子探偵もの。 全6編の連作短編集。

「花の下にて春死なむ」     常連客“飯島七緒”(フリーライター)が主人公。
戸籍を持たない一人の男性俳人・片岡魚草の死。
俳句仲間によってひっそりと葬儀が営まれる場面から始まった。
無縁仏となってしまった彼を、故郷へ帰してあげたい思いに駆られ、
七緒は、かつて彼が漏らした言葉とマスターの助言を手がかりに山口へと向かう・・・。
いきなりガツンと先制攻撃をくらいました。 
物凄くスケールの大きな真実に、ただただびっくり。

「家族写真」  常連客“野田克弥”(離婚歴の有るサラリーマン)が主人公。
マスターから常連客に一枚の新聞記事を見せることから、始まる。
真実は一つではない・・・。  真意は裏の裏まで読み通して、見えるものだった。
とても奥の深い、マスターの人柄を表した作品になっていた。

「終の棲み家」  常連客“妻木信彦”(カメラマン)が主人公。
多摩川の河川敷を撮影中、とあるきっかけで知り合った老夫婦の謎。
個人的には、本書で一番好きな物語だ。
河川敷に小屋を建て、ひっそりと暮らす老夫婦、彼らは妻木と出会い、何を感じたのか…。
妻木の写真展のポスターは、何故みな剥がされたのか・・・。
答えがわかったとき、哀しい思いと裏腹に、爽やかな涙が流れました。

「殺人者の赤い手」 常連客“笹口ひずる”(派遣プログラマー)が主人公。
ひずるが店に入ると、「香菜里屋」の近隣で殺人事件が起こったと聞かされる。
この事件と、この地に伝わる都市伝説「赤い手の魔人」に関連した謎が広がる。
この物語では、渋谷で街頭占い師をしている北君彦(通称ペイさん)という常連客と、
新参者として警官・百瀬健次が登場します。
七緒の推理を真ん中に、探偵団思しく事件の究明談話が繰り広げられ楽しい。
ひずると百瀬の展開に、密かに期待しているのです(笑)。

「七皿は多すぎる」  常連客“東山朋生”(古参)が主人公。
東山が、「回転寿司で鮪ばかりを七皿食べる男の謎」をマスターに話しだした。
すると、他の常連客、夕刊紙の記者・高林と占い師のペイさんもノリノリで参加し、
皆で謎解きがはじる。
又聞きの又聞きで進んでいく話の展開と東山の語り部にお腹が一杯になった。

「魚の交わり」 一話目同様、“飯島七緒”が主人公。
「香菜里屋」に、七緒宛の手紙が届いた。佐伯克美という鎌倉に住む見知らぬ者から…。
七緒の知らない30年前の魚草のことが書かれていた。
最後にこんなにも素敵な涙を流すことになろうとは。 人生の深さをヒシヒシと感じた。



忘れていたが、「香菜里屋」はビアバーなのだ。
4種類の度数の違うビール(上は13度から下は3度まで)を、
マスターが作り出す絶品料理と共に楽しめるのだ。 
思わず、謎解きを忘れ舌鼓を打ってしまったことも、多々あった(笑)。
サラリと流れるような文体に、魅力的な料理の数々。
読後は、お腹が一杯になりました。  
13度のビール、一度呑んでみたいな。
シリーズ残り3作、早目に購入して来よう!っと。


※第52回日本推理作家協会賞「短編」および「連作短編集」部門ダブル受賞作。
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by merrygoround515 | 2008-01-18 09:46 | Book

『パレード』 川上弘美

パレード (新潮文庫 か 35-6)
川上 弘美 / / 新潮社
ISBN : 4101292361
スコア選択: ★★★★





センセイとツキコさんの微笑ましい夏の日。会話が映像となり瞼に浮かび、幸せが伝染します。
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by merrygoround515 | 2007-12-05 20:55 | 一行review
センセイの鞄 (文春文庫)
川上 弘美 / / 文藝春秋
ISBN : 4167631032
スコア選択: ★★★★





この作品は、うまく説明ができない。
なんて言ったらいいのか・・・  
ううむ。 言葉じゃ無理だ。

30歳の年の差カップルの出会いから別れまでの物語。
恋愛に駆け引きも、波風も、もちろん支障すらない、二人。
ツキコ37歳&センセイ70歳手前。 共に一人暮らし。
それぞれが行きつけにしている駅前の居酒屋「サトルさんの店」
そこで偶然に再会した二人は、教え子と恩師だった。

飄々としたセンセイと、ちょっととぼけた感じのツキコさん。
二人の会話はとても楽しい。
センセイは、どこまでも丁寧な言葉で話し、ツキコさんはきちんと敬語を使う。
惹かれ合う二人の会話に、不思議な面白さが滲み出る。

日常は、まったり、のんびり。
二人の生活は、極々普通。
そんな中、第一印象は、美味そうに酒を飲むなぁ(笑)。
それに注文する酒の肴が、やたらとシブい。
無類の酒好きである私。もちろん焼酎グラスを片手に読んでいたが、
何かあてが欲しくなってしまった。
主人公のツキコさんとは、年齢が近いので共感する点が多かった。
日常に起こる些細な状況は、誰にでも経験があるような感が強い。
ツキコさんの生活観には、簡単に感情移入してしまった。

あえてマイナス面を挙げるなら、
ツキコさんの気持ちには、最後まで同感できなかった。
どうしても想像しにくい展開なのだ。(あくまで、私がね)
至極自然に描かれており、微笑ましいのだが…。
当事者目線に立つことは、やはりちょっと苦しい。

本当の愛ではないのではないか?と、
最後まで、素直になりきれない自分がいた。
そんな私の邪念はムダ骨だったのですが(苦笑)

心からの安らぎは、自分にとって最高のパートナーと
出会ってこそ、得られるものなのだ、と教えられました。
他に類をみない「恋愛小説」だった。

本書は、寒い冬に、ぴったり。 
心から暖まりますよ。  ほっこり♡
二人の人生、是非覗いてみてください。


『センセイの鞄』 というタイトルの上手さに、脱帽。
ラストは、私にも「センセイの鞄」が見えた気がする。


※2001年谷崎潤一郎賞受賞
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by merrygoround515 | 2007-12-05 20:36 | Book