読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

タグ:作家名別  な行 ( 20 ) タグの人気記事

『傷物語』 西尾維新

傷物語 (講談社BOX)
西尾 維新 / / 講談社
ISBN : 4062836637
スコア選択: ★★★★





全ての始まりは終業式の夜。
阿良々木暦と、美しき吸血鬼
キスショット・アセロラオリオン・ハードアンダーブレードの出逢いから――。
『化物語』前日譚!!

高校生・阿良々木暦は、ある日、
血が凍るほど美しい金髪の吸血鬼と出逢ってしまった……!?
彼女がいなければ"化物"を知ることはなかった――
『化物語』で大好評を博した
台湾のイラストレーター"光の魔術師"ことVOFANとのコンビ再び!
西尾維新が全身全霊をかけて描く、これぞ現代の
怪異! 怪異! 怪異!

青春は、いたみなしでは過ごせない。


 ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


面白かった!
読後は、『化物語』を再読したくて、たまらなかった。
昨年10月に読了したので、記憶が・・・
老いた私の脳内には、物語の全貌が残っていなくて;;

この二部作(でいいのよね?)は、未読の方へは
是非セットでオススメしたい。
時系列的には、『傷物語』が先になるので、
本書から読み進むのも、良いのではないだろうか。
きっと私のように、刊行順に読んでしまうと、
『化物語』に戻りたくなること、必須だもの(笑)
時系列に沿って、本書から読むこともオススメします!

前作『化物語』で、若干触れていた
阿良々木暦と吸血鬼の出会いから、その後の物語。
う~ん、最高の読後感でした。
最高だと言っても、
圧倒的なバッドエンドで幕を降ろしています(涙)。
この結末には、かなりヤラレマシタ。
バッドエンドと言っても、実にストレートです!
何はともあれ、か・な・り!面白かったのですよ!
当初、¥1,300円という値段から
購入を躊躇していた自分に、
「西尾維新」という作家の力を再認識させられました。
今後、もう二度と迷わないわ(笑)
値段以上に、楽しませていただきました。


とにかく一番は、春休み中に阿良々木君が、
どれほどまで委員長の世話になったのか、です。
いやはや、よーく分かりました。
『化物語』で仄めかされていた春休みの事件…
私の想像を…遥かに越えた助けられっぷりだったわ。
羽川さん、きっと以前から阿良々木くんが好きなのね(笑)
じゃなきゃ、変よ! あはは


“鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。怪異殺し”
 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード

『化物語』において、
阿良々木君の庇護下にある八歳の金髪少女…
忍野忍の元の姿なのね。
刃の下に心…ハートアンダーブレード。 w(゜o゜)w ほほ~う!
しかし、
阿良々木君と幼い少女との関係の裏に、
こんなにも、哀しくて切ない物語があったとは。
感動秘話ですよね。


やっぱり、『化物語』再読しようかしらん。

羽川翼ちゃんのイメージが、ねぇ…
私の中で上手くマトマラナクテ。
ううむ、再読かなぁ(笑)
こんなに親密な間柄なのに、
阿良々木君は羽川さんではなく、
戦場ヶ原さんなのね・・・。
うむむ、ちょっと理解できないかも。


あとは、忍野メメ。
ちょっと格好いいではないかー!
こんな奴だったかしら?
強いってことは覚えているが…
イメージが湧かないわ。
再読、決定かも(笑)


最後に…
「パンツ、おっぱい、ブラジャー」
三点のインパクトが強すぎます(苦笑)
本書、初っ端から
パンチラ(?)の描写が、4頁半ですよぉ(><;
西尾氏っていったい??? ふふふ

「チキン。チキン、チキンチキンチキンチキンチキンチキンチキンチキン――」
委員長の好感度、MAX です! 羽川翼バンザイ\^○^/  
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by merrygoround515 | 2008-06-29 20:53 | Book
七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤 保彦 / / 講談社
ISBN : 4062638606
スコア選択: ★★★★






どうしても殺人が防げない!? 
不思議な時間の「反復落し穴」で、
甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人──。
「落し穴」を唯一認識できる孫の久太郎少年は、
祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。
孤軍奮闘の末、少年が思い付いた解決策とは? 
時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
(「BOOKデータベース」より)


「あたしを信用していただけますか?あたしがあなたの話を
全部信じているというまさにその事実を信じていただけますか?
~略~
本当に心の底からあなたの話を信じているとそう信じていただけますか?
あなたの話を信じているからこそあなたの疑問をあたしが解明できたのだと?」
――友理絵美

感服。
このセリフは、もう完璧にストライク。あはは
このセリフを読めて、物語の本筋の謎解きなど
どうでも良くなってしまったほど。
謎解きと愛の告白とが一緒になってラストを迎えるなんて。
ドラマチックな結末に、気分爽快でした。


この作品が万人受けするのは
ひとえに、とってもシンプルなSF設定だからだと思う。
何しろ設定がユニークなのである。
“同じ日を九回繰り返す”という体質を持つ青年が
祖父の死をなんとか撤回しようと奮闘するSFミステリー。
そう、それが全て(笑)
登場人物も実に簡略化されており、コメディタッチ(違う?)。
何回も生き返るのだから、
もちろんタイムループものですが、(ワープはしません)
何故?とか、事の理由は「体質」の一言で終わり。
文体や話の進むスピードもスッキリしていて読み易く、
殺人事件の描き方さえも軽~く感じられて、コミカル。
最後になって、じっくりと謎解きを楽しむ作品ですね。


とにかく
この、“同じ一日を九回繰り返す”という説明だけで
十分に、物語を想像し易く、結果、全てに納得できる。

ただ、個人的には期待過多でした、ね。
謎解きを聞いても(読んでも)、それほど驚かなかった。
答えのシンプルさが、かえって無感動に繋がったみたい。
素直さが足りないのかしら…。

でもまぁ、誰でも楽しく読める作品という事は、
間違いないですよ。
読み出したら面白くて止まらないし。
読み易いから、あっという間ですし^^;
誰にオススメしても間違いのない作品です。




信じられないことに、
本書は、日本推理作家協会賞の候補になっていたんですね。
こんなにもコメディ要素のある作品で…受賞は無理でしょー。
と誰しも思うところですが。
案の定、一抜けだったみたい。トホホ
まぁ、他の受賞作を含む候補作が、
京極氏の『魍魎の匣」』 梅原氏の『ソリトンの悪魔」』 
真保氏の『ホワイトアウト」』 香納氏の『梟の拳』 ですよ。
これでは、相手も悪かったといわざるを得ない(苦笑)


次の西澤氏は『麦酒の家の冒険』です。
どんな物語なんだろう。 楽しみだわ。
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by merrygoround515 | 2008-06-06 15:37 | Book
きいろいゾウ (小学館文庫 に 17-3)
西 加奈子 / / 小学館
ISBN : 4094082514
スコア選択: ★★★★★




夫の名前は無辜 歩 (むこ あゆむ)、
妻の名前は妻利 愛子 (つまり あいこ)。
お互いを 「ムコさん」 「ツマ」 と呼び合う都会の若夫婦が、
田舎にやってきたところから物語は始まる。
背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、
周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう
過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。
夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、
ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。
それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった──。
(「BOOK」データベースより)


本書を一言でいうならば、極上の恋愛小説。 
ただただ、素晴らしかった。 たっぷり癒されました。

前半は村での暮らしぶりが楽しく展開される。
魅力的な登場人物が、物語をよりほんわかした雰囲気に導いている。
いつもズボンのチャックが「ぼっかり開いている」アレチさんと、セイカさんの老夫婦、
お隣の駒井さん夫婦とチャボのコソク、
そして駒井さん家で一時的に暮らしている、登校拒否の小学生・大地くん。
ムコさんが働く老人ホーム「しらかば園」の事務員、平井直子さんとその孫・洋子ちゃん。
洋子ちゃんは、都会から来た大地に、本気で恋しているんだ。
小さな村での小さな出来事が、ほのぼのとユーモアをもって描かれていて面白い。
また、ただでさえ大人びている大地くんが成長していく過程は、見逃せない!

ツマは、動植物と言葉を交わしたり、見えないものが見えるという、
不思議なチカラを持った人。
そしてそんなツマが、出会った犬や庭の木々につける名前が最高!
肝油ドロップの缶を、頭から被り、取れなくなったところを助けた犬は、カンユさん。
隣で飼われているチャボのコソク(姑息だからなのだ!)や、
海で出会ったゴールデンレトリバーは、飼い主の苗字(妻鹿)から、メガデス。
どこからこんな発想が出てくるんだろう。
また、名づけの場面が、笑えるのだ。(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!!

ツマが一人で、野良犬のカンユさんや蘇鉄のヨルと交わす会話は
とてもユニークであり、寂しげでもあり、そしてとても優しい。
時に幻想的でもあり、それがこの作品の大きな特長なのではないかな。

後半はぐっとシリアスな展開に変わる。
ムコさんがかつて愛した女性が前面に出てきて…
ツマの精神が日に日に病んでいく姿が徐々に描かれていく。
静かな恐怖も感じた。
ツマの心の奥底に潜んだ悩みやとまどいを、率直に表したところは、
実に読み応えがあった。
とても静かなのに、大きく、激しく心を揺さぶられるのが不思議だ。

そしてラストに向かって
「本当に大切なものなんて、たったひとつしかない」
そのことに、ふたりが気づく時がくるのだ(感涙)。



この作品を語るに、外せないのが、
挿入されている 「きいろいゾウ」 の童話だ。
この童話は、本篇の重要なキーとなっている。
なぜこの物語が挿入されているのか、最後に分かるのだが、
それは読んでのお楽しみ。 感動倍増の根源なのだ。
夫婦になって、
まだお互いに気付いてない奇跡があるなんて!素敵過ぎます。


※西さん、三冊読了。  「あおい」<「さくら」<「きいろいゾウ」  となりました。
※挿入された物語 『きいろいゾウ』 の絵本が刊行されました。
  欲しいなぁ。
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by merrygoround515 | 2008-03-26 12:27 | Book
空の境界 上 (1) (講談社文庫 な 71-1)
奈須 きのこ / / 講談社
ISBN : 406275892X
空の境界 中 (2) (講談社文庫 な 71-2)
奈須 きのこ / / 講談社
ISBN : 4062759209
空の境界 下 (3) (講談社文庫 な 71-3)
奈須 きのこ / / 講談社
ISBN : 4062759462






スコア選択:★★★★★


二年間の昏睡から目覚めた少女・両儀 式が
記憶喪失と引き換えに手に入れた、
あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。
浮遊する幽霊の群れ。人の死を蒐集する螺旋建築…。
この世の存在のすべてを“殺す”、
式のナイフに映る数々の怪異。
非日常の世界は、日常の世界と溶け合って存在している―。
―あの伝説の同人小説の講談社ノベルス化が満を持して成就。

2年間の昏睡の後遺症として記憶を失い、
この世のあらゆるモノの死を視ることのできる
“直死の魔眼”を手に入れた少女・両儀 式を襲う数々の怪異。
死そのものを体現化した太極の結界。
永遠を求める魔術師。
そして再来する殺人鬼―。
式を苛む“殺人衝動”の赴く先に、
真実を告げる記憶の境界が開かれる―!?

※NOVELS(上・下)の内容を引用 (「BOOK」データベースより)



私の奈須氏デビューは、『DDD』でした。 (感想は、ここ♪と、ここ♪
その後あまり時をおかず、本書が文庫落ちに。
三冊とも一応、刊行日に購入。
しかし、なかなか手をだせず…待機モード。
(上)を2月27日に、(中)を2月29日に読了。
そして、(下)を、3月5日に読了。   
随分時間を要してしまいました。
でもまぁ、これでも最短だったのですが。 ふふふ
『DDD』でも存分に堪能しているが、
奈須氏の描く独特な世界観に魅了され。。。
殺戮のグロさも、なんのその!素直に楽しめました。

でも、二作品目だからこそ、感じたことがあります。
もし、奈須氏作品デビューが本書、という人は、
この作品の世界観を理解するには、時間がかかると思う。
決して読みやすい文章ではないからです。
何ていうか…ちょっと癖が強いかも。
物語の展開速度も、ページ数の多さにしては…
それほど驚く速さでは、ないですし。
とりあえず、その辺りを、覚悟して手にして欲しい。

あらすじは、上&中の引用と
ここや、アマゾンなのどレビューを参照ください。
ネタバレをしたくないので、割愛。あえて内容には触れません。

物語は、全七話の構成。
「1 俯瞰風景」「2 殺人考察/前」「3 痛覚残留」 =(上)
「4 伽藍の洞「」」「境界式」「5 矛盾螺旋」 =(中)
「6 忘却録音」「境界式」「7 殺人考察/後」「空の境界」=(下)
章番がないものは、外伝ですね。

その一話一話には、“概念”のストーリィがあり、
また別に、しっかりと全話を貫く一本線が引かれています。
伏線が多々存在し、テーマが縦軸として存在する、
作品全体で一環したひとつのストーリィとなっています。

そして、全ての伏線と
伏せられていたテーマの意味が明かされる、ラスト!
いや、驚きました。
その終結の仕方には、人間としての感動がありました。
その上、(ラストの)切なさときたら…。  
思わず(゚ーÅ) ホロリ。
“概念”云々だけではなく、
切な~い恋愛小説としても、魅了されました。


追記したいのは、文庫三冊の解説。
(上) 綾辻行人氏  
    とても本書を分かりやすくしてくれています。
    個人的に面白かったのは、
    『DDD』を読み、
    「文章の操り方にプロの風格が出てきた」と
    おっしゃった箇所(笑)
(中) 菊池秀行氏
    (中)ということもあるのか、月並みでした。
    (生意気言ってすみません)
(下) 笠井潔氏
    凄い、のひと言。
    本書からこれほどの解説を書けるなんて!
    才能をしっかり感じました。
    ちょっと小難しい感はありますが、
    一読の価値は十二分に。
    NOVELS(上下)も笠井氏なんですね。
    是非、立ち読みしてみたい。


う~ん、悩んだが、記します。
惜しむらく… まぁいろいろありましたが
「てにおは」を、ね。直せなかったのかなぁ。  
もう少し文法も、学んで欲しいかな。
あと、説明が無駄に多く、ちょっと先が読めてしまうことも。




さて、次は何を読んだらいいかしら。
『DDD』 3巻、早く出ないかなぁ~~~。
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by merrygoround515 | 2008-03-06 11:33 | Book
DDD 2 (講談社BOX) (講談社BOX)
奈須 きのこ / / 講談社
ISBN : 4062836335
スコア選択: ★★★★







前作同様、立ち上がりから、読み辛い。
何故なのだろう?
私だけなのだろうか?  ちょっと不安。
序盤、読み進むスピードの遅さといったら、他に類を見ない。
でもだからって、止められない。 手も目も離せないのだから不思議。
しかし、1巻よりも読み易かったことは、間違いない。
序盤を越えたら、知らぬ間にどっぷり浸ってしまっていたからなぁ。
恐るべし、奈須きのこ。


前作『DDD 1』の続編ですが、
時系列的には全く続きではありません。
う~んと、そうですねぇ…
時間的には前作の丁度中間辺りに位置するのではないかしらん。

 『 DDD 2 』  Decoration Disorder Disconnection いざっ!

「S.VS.S-1」      = 野球対決・前編
「S.VS.S-2」      = 野球対決・後編
「/FORMALHAUT.」    = 日守秋星・大暴れ
「/Vt.in day dream.」 = 石杖火鉈・大暴れ
といった全4編 (勿論すべて連作)

まず「S.VS.S」は、野球伝奇。
オリガから退院後、アリカが初めて悪魔を祓ったエピソードでもある。
ですが、ひと言で言うなら何というか…青春小説でした(笑)
「スラッガー」が野球を辞めたきっかけのエピソードも面白い。
「シンカー」の母親のエピソードも、まぁなかなか面白かった。
物語の裏に、ドロドロとしたエピソードが隠れていたり…
個人的には「野球盤」に夢中になるカイエが、最高だった♡
褒められることに不慣れのツラヌイちゃん、いいわぁ♡ GJ 049.gif
アリカが語る野球に関する講釈も楽しめて、
野球好きには、二度楽しめる。(突っ込みどころ満載だよ!)

「/FORMALHAUT.」では、最強キャラの登場です。
アリカを差し置き表紙イラストに選ばれた新人、日守秋星。
「灼熱のフォウマルハウト」さまです♡
言動も形態も、好き!好き!大好き!
悪魔憑き同士の戦いが、凄まじいんだけど、格好イイの。
何たって死なないんだもん。素敵じゃない。うっとり♡
アリカは、ある意味同類のような気がするのだけれど、
どうなのだろう。
3巻以降、はっきりさせてくれると思うので、期待しちゃうな。
秋星のキメゼリフに、しっかり同調していた私。
センスが80年代ということなのでしょうか?
トマトさん・・・ 付いて行きます!(笑)
それにしてもトマトさんの食いっぷりには圧巻。
秋星、トマトさんとまともにやり合ってる…かなり強い、ね。

「/Vt.in day dream.」は…       
オリガ記念病院壊滅しちゃってます。
しかもカナタの仕業。
モンスターが世にでてきましたよぉ。
うむむ…さて、さて。



オリガを壊滅させたカナタとの対決とか…
日守秋星の動向とか…
ネタ的に振られっ放しなんだもん。
気になることがてんこもりで幕を閉じた本書、2巻。

アリカはカナタと麗しい兄妹愛を見せてくれるのでしょうか?
果たして地球は滅びてしまうのでしょうか?(笑)
あと、気になるのは銀河最強ニート。
アリカはカナタを銀河ランカーと評してたけど、
どんな戦いだったんだろう。 気になるわ。

嗚呼。
早く3巻が読みたい。 
発売日はいつなの???





※追記忘れっぽいので記載しておこ。
 ≪DDD2の主な登場人物≫
●石杖所在(アリカ)
●迦遼海江(カイエ)
●霧栖弥一郎(キリス)
●戸馬的(トマトさん)
●貫井未早(ツラヌイ)
●日守秋星(フォウマルハウト)
●石杖火鉈(カナタ)
●鋳車和観(シンカー)
●月見里朋里(芝刈り機)
●午宮留是留(ダブルバインド)
●瀬倉弓夜
●藤梧木更    
  他
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by merrygoround515 | 2008-02-08 13:59 | Book
DDD 1
奈須 きのこ / / 講談社
ISBN/ASIN:4062836092
スコア選択: ★★★★






人の弱さを痛感した物語 

突発的な精神障害。
アゴニスト異常症患者。 通称「悪魔憑き」。
感染者の人格(精神)だけでなく、肉体をも変貌させる、原因不明の奇病。
この「悪魔憑き」が蔓延る世界で、左腕をなくした青年・石杖所在(アリカ)と、
肢体の不自由な迦遼海江(カイエ)が悪魔祓いを行う物語。全三話。


最初にマイナス面から。
文字がね、独特のフォントを使っていて、いきなり参りました。
見慣れないので、しばらくはとても読みにくかった(笑)。
でも読み進むにつれ、それなりに雰囲気が味わえて、
次第に違和感は感じなくなったけど(ただ慣れただけ?)。
あまり好きではないな。
それと、一話目。
キツイ。一切の説明がないまま、物語がが進んでいくので、
常に「???」 状態。  (-"-)
ここまで読者を無視した展開はあまりない。 でしょ?
どうにもノリきれず、頭を抱えたことは、事実であり残念なところだ。
また、感染者が、その日常であまり普通ではなかった点。
皆、何かしらコンプレックスを抱えていた。
その欠点や弱さに「悪魔」が憑くのだが。 
何故か悲哀感に駆られる…。憎みきれない悪魔たちばかりだった。
出来れば弱さではなく、残忍性を衝いて欲しかった。
まぁ、あくまでも私的な感想ですが。

私自身、奈須きのこ氏、初挑戦だったので、
とにかく読み通そう!と意気込んだ。
結果、挫折せずに済んだのかもwww


物語の内容については、何を書いてもネタバレになる…。
とても私には上手く書けないので、
何とか雰囲気から汲み取っていただきたい(苦笑)。
率直な感想は、
奈須氏の作品には、きっとはっきりとした
「好き」「嫌い」が現れるのではないだろうか。
文体、構成、キャラ、e.t.c.  
それから、物凄くグロい描写が多々あることも。
一番は、伏線の張り方かなぁ。
読者をここまで混乱させるやり方は…なんとも言えない。
ううむ、考えれば考えるほど、賛否両論への確信が強くなるな。

私が人に薦める際は、駄目元で薦めたい作品。
本書で嵌れば、素晴らしい出会いとなるはず。 
奈須氏、ついて行きますよ~!
私は本書、大好きですから(笑)。
読後、一話目の辛い気持ちは何処へやら~! 
「いい!いい!面白ーい!」   思いっきりお気に入り(*^^)v
最終章が特に好きだ。二度読みしたほど^^;  
戸馬的さんにキュン♡ 恰好イイんだ! アハハ
石杖所在(アリカ)と貫井未早(通称・ツラヌイ)のコンビもイイ!
物語の雰囲気を一気にグロから明るい方向へと変えてくれる。
それに加え、
迦遼海江(カイエ)の冷徹な天然ぶりには、何故かほっとさせられる。


タイトルの 『DDD』 は、
Decoration
Disorder
Disconnection
とのこと。
上から訳すと、装飾、混乱…病気、切断。 みたいな感じかな?
意味は無さそうだ;;  (あるのなら誰か教えてください) 


本書は全4巻で完結するらしい。
この1巻では、明確になっていない箇所が多々ある。
事件以外に未解決なネタがたくさんあるのだ。 気になってい方が無い。
早く2巻を読みたい。



奈須氏が『ファウスト』誌上で掲載していた挿絵のギャラリーは こちら
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by merrygoround515 | 2008-01-08 08:55 | Book

『さくら』 西加奈子

さくら (小学館文庫 に 17-2)
西 加奈子 / / 小学館
ISBN : 4094082271
スコア選択: ★★★★





陶器のように美しい。 性格は明るく、常に笑顔を絶やさない。
その全身で家族を愛する母。
優しくてハンサムで働き者。無口だが確実に一家を支える存在の父。
生まれながらにして、ヒーロー。誰もが憧れ、誰からも慕われる。
人生の全てが「はじめレジェンド」になった兄「一」。
生まれながらの美女。誰もが必ず立ち止まり、振り返る超美形。
美しい顔とは裏腹に、
異常な喧嘩っ早さと野生児の感覚を持つ妹「ミキ(美貴)」。
「長谷川君の弟」「長谷川さんのお兄ちゃん」と言われ育った僕「薫」。
そして、
愛すべき上品な女の子(笑)タワシ好きな雑種犬の「サクラ」。
長谷川一家5人と1匹家族。

「僕(薫)」が、兄妹それぞれの際立った個性を、
時にユーモラスに、時にシリアスに、
しかし、いたって軽い口調で淡々と語り続ける物語。

まるで“幸せの魔法”にかけられていたような、
幸せだった5人と1匹の家族が・・・
兄の交通事故から、一変する・・・。


前半は、この家族が、
どれほどまでに幸せで、どんなに輝いていて、
どんなに眩しい家族だったかを…
これでもか、これでもか!と、読者にぶつけてくる。
兎に角、受け止めるのが、やっとこさだった(苦笑)。 
三人の子どもの成長過程はとても分かり易く、
アップテンポで爽快に綴られる。
父と母のラブラブぶりを惜しみなく披露し、
「サクラ」の発する言葉を交えながら、
まるで、そう・・・ 
映画を観ているような気持ちになった。 

どの登場人物にも、感情移入はできない。なのに、なのに、だ。
この西加奈子という作家の生み出す「魂」のような、
目に見えない強靭なモノに惹き付けられ、
この一家が、まるで存在している錯覚に陥る。
弾むような語り口に惹き付けられながら読み進むと、
「比喩」の魔法に驚かされる。そう、斬新な「比喩」の所為なのだ。 
次から次へと端的で、リズミカルで、決して装飾過多にはならない
美しい表現に気付けば魅了され、そしてはっきり実像化されていく。

中盤からは、
はっきり言って、一つの作品の中に詰め込むテーマが多すぎる。
只でさえ、彼らにはいろいろあるというのに…。
そしてこの終盤にきて、長男「一」が自殺した。 
そう言えばそうだったんだ…。 
と、我に返らされ、最終章では、泣きっぱなしだった。

作者が本書に籠めた「思い」の深さに見事、KO。

両親からとびっきりの愛情を受けて育った子どもは、
その愛されているという力が、やがて確信に代わり、
己の強さになるのだと感じた。
「家族愛」
それはどんな不幸をも乗り越えられる、唯一なのかもしれない。
本書ではペットではなく、家族である「サクラ」。
誰よりも冷静に愛情を理解していたのは「サクラ」かも知れないね。
「うふふ。」              合掌。


読後、実家の父や義母さん、
その他親戚付き合いをしている人からの「着信音」… 
「Top of the World」 になりました。
「うふふ。」



次は 『きいろいゾウ』にします。この作品は、絵本も欲しいなぁ。
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by merrygoround515 | 2007-12-20 12:11 | Book

『あおい』 西加奈子

あおい (小学館文庫 に 17-1)
西 加奈子 / / 小学館
ISBN : 4094081739
スコア選択: ★★★






『さくら』 が、文庫落ちになったので、買いに行きました。
すると、同じイラストレーターらしき表紙の 『あおい』 が並んでいました。
見ると、著者のデビュー作とのこと。 こちらも購入です(笑)。
順序良く、デビュー作から読むことにしました。



表題作「あおい」と「サムのこと」
文庫化で収録された「空心町深夜2時」の三編。
西さんお初なのですが、驚きました。 
「率直」というモノが、ここに存在していたから。

しかし、どの物語も、取り留めがない。  
何か…基本線が足りない。 ストーリーが、ないのだ。
思考で行間を埋めるのかな? そんな作品でした。
ひとり言がそのまま文章になり、延々と続くのです。 
それも、関西弁で。 ふふふ
また、女性ならではなのか、支離滅裂この上ない。 
私的には、とても上手いと思うのですが、
どうやら賛否両論のようですね。
そうは言っても、語り口は絶妙です。 
とにかく、青春グラフィティなんです(笑)
ううむ?  
でもきっと、男性には理解不可能かもしれないなぁ。


「あおい」は、
27才スナック勤務の「あたし」と、
3才年下のダメ学生「カザマ(風間)」くんの
同棲生活をベースにした、日常の物語。

主人公「あたし=さっちゃん」は、
過去にレイプの経験があったり、
カザマくんは、当初職場の親友が好きになった人だったり、
スナックで知り合った年上の男性を、ママから奪ってみたり。
いろいろ多彩で、波乱万丈なのです。
が、何故だろう?
危機感や切羽詰った感じや、罪悪感や悲壮感が、全くない(苦笑)。
話し言葉で綴られると、
ただ聞き役に徹していた感じが残るだけなのね。
「あおい」というタイトルの意味が、
終盤で分かるのだが、なるほど。って感じただけ(苦笑)。

でも、登場人物はしっかりキャラ立ちしている。
スナックのママ、
40代になっても若い女には意地を張るし、見栄っ張り。
一番強烈なのは、みいちゃん。無口で無愛想な書店員さんだ。
ゆくゆくは、作家になるつもりらしい。
日々辞書をひいて意味を覚えている。
「自分の中に言葉を溜め込みたい。」そうだ。 
頑張れ!! アハハ
また彼女、巨漢なの。 食欲は、物凄い (><;
ある時、あたしがみいちゃんに
「痩せようと思ったことないの?」 と聞いた。
「書き出したら、一気に痩せると思うから。」
「なんで?」
「小説書くってゆうのは、自分を切り売りすることやろ。」
思わず「上手い!」って思ったのは私だけだろうか…?
みいちゃんの書く、小説が読みたい。


「サムのこと」は
亡くなった仲間、伊藤剛、通称サムのお通夜のこと。
サムとの思い出を語ったり、エピソードを話したりする。
ただ、それだけ。
ここでの彼らの姿は、現代っ子の実像なのかなぁ。
もうちょっと、しゃきっとしよーぜぃ!


「空心町深夜2時」は
ちょっと事故って、JAFを呼んだ。
その間にラーメンを食べている。
大阪から東京へ経つ彼女と見送る彼。 
別れを迎えるカップルの話。
全く、取り留めがない・・・。



さて、次は『さくら』。
期待してもいいのだろうか? まっ気楽にいってみます(笑)
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by merrygoround515 | 2007-12-18 10:28 | Book
村田エフェンディ滞土録 (角川文庫 な 48-1)
梨木 香歩 / / 角川書店
ISBN : 4043853017
スコア選択: ★★★★






まずタイトルについて。
「村田」とは、主人公の名前。
著者の作品 『家守綺譚』 の主人公・綿貫と高堂の友人(同窓生)だ。
本書の最後の最後で 『家守綺譚』 と一致する場面がある。
「エフェンディ」、これは本文中の説明をそのまま引用する。
「おもに学問を修めた人物に対する一種の敬称だが、彼からそう呼ばれると、
ちょうど日本で商売人が誰彼となく先生と呼ぶのと全く同じ印象を受ける」とある。
要するに、尊称であり、意味は「先生」って感じのものだ。
「滞土録(たいとろく)」の「土」は、「土耳古(トルコ)」の「ト」。
ということで、つまりは 『村田先生トルコ滞在録』 という意味になる。
また、本書の位置づけは、『家守綺譚』の姉妹編ってところ。

物語の時代は1899年(明治32年)。
村田は、トルコ政府の招聘によって、考古学の研究の為、トルコへ留学し
英国人女性(ディクソン夫人)の屋敷に下宿滞在している。
この屋敷には、村田のほかにも、
ドイツ人の学者「オットー」、ギリシア人の研究者「ディミィトリス」が下宿しており、
トルコ人の「ムハンマド」という男が、下働きをつとめている。
主だった登場人物はそんなところだが、
忘れてはならないのが、「ムハンマド」が拾ってき鸚鵡だ。
『家守綺譚』の犬のゴローのように、重要な役割を持ち、しっかりと全体を見渡している。

彼らの下宿には「神」もいる。
日本のお稲荷さんやエジプトの神(置物)を村田が持ってきたときは傑作だった。
お守りも置物もその都度、たまたまやってきただけなのに…
夜中に、壮大な覇権争いが巻き起こるんだもん。  アハハ
よそ者との縄張り争いで、八百万の神々が騒ぎだし… 五月蝿いのなんのて。
堪りかねた村田が、大声で説教すると…急に物音がやんだの。  シーン(笑)。
その様子がね、なんだか物凄く微笑ましかった。

本当に日記のような、生活感に溢れる描写で、日々村田をはじめ、
同居人が活き活きと生活し、鸚鵡が絶妙なタイミングで鳴くのだ(笑)。
いやぁ、鸚鵡って賢いんですね! 飼いたくなりそう。
村田の綴る日常の語り部は、とても臨場感があった。 見事です。

既読者なら、誰もが心にずっしりくるセリフ・・・
醤油を手に入れてくれたことに感激して、お礼をいう村田に…ディミトリアスは言います。

「私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない。」

物語は次第に、第一次世界大戦へ向かっていきます。
また、土耳古という、西洋と東洋、そしてイスラム文化の接点のようなこの国の
歴史や時の流れの気配を、濃厚に感じます。
故に、宗教も文化も考え方も全く違う5人が、この宿で友情を育んでいく様子が、
とても、とても美しい。
後に、村田は考えます。   国とは、いったい何なのだろう。

ラストは、胸を打たれます。
「──ディスケ・ガウデーレ。」 ※①
「──友よ。」


『家守綺譚』 同様、余韻の深い作品でした。 
余談ですが、【味噌玉】※②  作ってみようかな。



※①=ラテン語で「楽しむことを学べ」 の意。
※②=兵糧食。
    削った鰹節を炒って粉末にし、葱と共に味噌に突き込んで球状に丸め、焼いたもの。
    お湯をかけ、味噌汁として食す。
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by merrygoround515 | 2007-12-08 00:45 | Book
被害者は誰? (講談社ノベルス)
貫井 徳郎 / / 講談社
ISBN : 4061823175
スコア選択: ★★★★







貫井氏の既読作品の感想を残そうと、書棚へ行った。
なんと、恥ずかしいことに、私、本書を2冊所有していた…。

NOVELS刊行時に購入し、比較的早く、読了した記憶がある。
積読時間は短かったはず。 
なのに、文庫版があった。  一体、いつ買ったのだろう???
きっと文庫落ちの際、大喜びして買ったに違いない…。
NOVELSで既読の記憶がバッチリあるというのに。 はて???
ったく、すでに老化がここまできていたとは。   
我ながら情けない;;

さて、本書。
吉祥院慶彦と桂島刑事のコンビモノです。
最高に面白い。
男性のコンビって、必ずどちらかが優位に立っていて、片方が低姿勢ですよね。
たとえ同級生であっても(笑)。 もちろん先輩後輩であれば、必然的に(笑)。

本書の主役二人のキャラは凄い。
超売れっ子人気作家で頭脳明晰、自他共に認める容姿端麗。で、傍若無人。
その性格には難あり! な、推理小説家・吉祥院慶彦(笑)。
その後輩、警視庁捜査一課の刑事でちょっぴり冴えない桂島。 (ってこれだけ?)
二人の会話だけでも、事件より楽しめる。

また、本書は一風変わった設定だ。  事件の犯人探しでは、ない。
被害者や探偵、目撃者等を、探し出すというか、暴くのだ。
桂島から相談を受けた吉祥院が、安楽椅子探偵とばかりに(笑)
その謎を言い当てていくものなのだ。切り口がちょっと変わっていて、面白い。
要するに、犯人以外の登場人物を推理する、形式なのだ。
(のようにみせかけ、実は犯人を探すのだが・・・ね)


   「被害者は誰?」
   「目撃者は誰?」
   「探偵は誰?」
   「名探偵は誰?」               

の四話収録。どの作品も、どっぷり、本格ミステリィ。 
さあ、思い切り騙されてください。


終始、ワトソン役の桂島を、おちょくり、苛める吉祥院を楽しめる。
最後の話では、流石にちょっと桂島くんが、可哀相になってしまったが…。
オレ様吉祥院と、天然桂島のコンビ、最高です!


あっ、もしかしたら、本当の被害者は…桂島くんかもしれない。 ∴∵ゞ(゚ε゚ )ブッ
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by merrygoround515 | 2007-12-06 12:51 | Book