読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

タグ:作家名別  や行 ( 14 ) タグの人気記事

クドリャフカの順番 (角川文庫 よ 23-3)
米澤 穂信 / / 角川グループパブリッシング
ISBN : 4044271038
スコア選択: ★★★★★





待望の文化祭が始まった。
何事にも積極的に関わらず
“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は
呑気に参加する予定だったが、
彼が所属する古典部で大問題が発生。
手違いで文集を作りすぎたのだ。
部員が頭を抱えるそのとき、
学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。
十文字と名乗る犯人が盗んだものは、
碁石、タロットカード、水鉄砲―。
この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!
目指すは文集の完売だ!!
千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、
奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!
米沢穂信が描く、さわやかでちょっぴりホロ苦い青春ミステリ。
(「BOOK」データベースより)


古典部シリーズ第三弾。
いよいよカンヤ祭開幕です!\^○^/
はい、懲りもせず一気読みです。
だって止まらないんだもの!
でも、もっともっと楽しんでいたかった。
文化祭の後の、静かで閑散とした寂しい気持ちが、
読了という事実と重なって、心細くなってしまった。
それに私はどうしたって
彼等の打ち上げには参加できないんだもん(泣)
千反田邸、行きたいよぉ;;

シリーズで一番好きな作品になりました。



まず、最初からハプニングが。
印刷するのは30部だったのに、
手違いから、なんと200部も出来上がってしまった…
古典部恒例の文集「氷菓」。
(出来ることなら、私も一部購入したいわww)

200部を何とかして売りさばくために、
古典部のメンバーたちが、苦心惨憺するのです。

同時に、カンヤ祭りで連続盗難事件が勃発。
文集完売のため、知名度を上げようと、
古典部員はそれぞれに知恵をしぼり、
事件解決に向け、奮闘します!
奉太郎も仲間の後押しに答え、大活躍!(笑)

本書の一番の特徴は、
古典部員それぞれの視点で、進んでいく手法!
千反田える、折木奉太郎、福部里志、伊原摩耶花の四人が
段落ごとに一人称で進むので、すごく判り易くて面白い。
でも…敬語の一人称って難しいのね。
千反田さんには、あまり向いていないかも。へへ;
まぁ、改めて古典部の面々の人物像を掴むことができました。
中でも、摩耶花さんの視点が好き。
う~ん、これが青春だよね~!と、所々で頷いていました。
苦くて重~い人間関係が、青春なのよねぇ~。  ほほほ

しかーし、
一番キャラが立っていたのは、古典部員ではなかった(笑)。
他でもない、「女帝」入須先輩。
彼女が登場した途端、ハートを掴まれました。 ガシッ。

その他、
「わらしべ奉太郎」のエピソードや、
料理対決が面白かった~!
嬉しいことに奉太郎のお姉さんもチラッとだが登場。

事件そのものは、まるでとんちのようなものだったが、
何ていうか、文化祭というお祭り騒ぎのイメージに
しっくりまとまって、心地良い余韻が残ります。
犯行の動機がね、また、切なくて・・・。 イイのよ。

さて、
200部の在庫を抱えた「氷菓」は???
事件と併せてご堪能ください(笑)


次の第四作は、文庫落ちを待ちます。
『遠まわりする雛』 って、短編集なんですね。
手にできるまで、先は長いだろうが、楽しみだなぁ。

古典部シリーズは
本書で大満足ができたので、気長に待ちます(笑)
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by merrygoround515 | 2008-06-27 17:34 | Book
愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)
米澤 穂信 / / 角川書店
ISBN : 404427102X
スコア選択: ★★★★




「折木さん、わたしとても気になります」
文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。
その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。
誰が彼を殺したのか?その方法は?
だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。
続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!
さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。
(「BOOK」データベースより)


古典部シリーズ第二弾。
先日『犬はどこだ』を読んで、一冊では止められなくなり…
米澤作品を読みたくて、読みたくて。(順番は割り込みですが)
本書も手にとって読んでしまった。
一気に読んでしまったので、ちょっと勿体無かったかも;;
古典部シリーズは、
まだ第三弾が控えているので、良しとします!(笑)

神山高校古典部のメンバー、
主人公・奉太郎、千反田える、奉太郎の相棒でライバルの里志、
里志に惚れてる漫研の伊原。
今回はこの4人の個性が際立っていたと思う。

文化祭の準備の真っ只中。
古典部一同は、
クラス展示のために制作された、
ビデオ映画の試写に招待された。
招待と言っても、千反田さんの手引きなのだ。
果たして古典部は、積極性は個々に差こそあれ
あるクラスの自主制作映画を観ることに。

この映画、未完だった。途中で終了。
結末がないのだ。 なんとも後味の悪い…。
実は、作品への志半ばで、
脚本担当の生徒が倒れてしまったとのこと。
そこで、
脚本の続き、つまりはこの映画の結末を
古典部によって探ることになる。

途中まで作られた、殺人事件の起きる映画。
一体犯人は誰にしようとしていたのか?
脚本担当の“意思”を探るってところが、面白い!

内容も、前作より深く、濃くなっているのは
気のせいではないでしょう。
このシリーズは本当にキャラが立っていますね。
感心し切ってしまった。
この神山高校の生徒達も、なかなかどうして
魅力的なキャラが多いのだ。

今回は、ホータローの活躍の裏に
もう一つの回答がある。
二重構造と言える、小さな謎と、大きな謎。
どうぞ、じっくりとご堪能ください。


読み出したら、止まりませんよ(笑)
さて、次は『クドリャフカの順番』です。
楽しみだわ~(^▽^)
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by merrygoround515 | 2008-06-27 17:24 | Book
犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)
米澤 穂信 / / 東京創元社
ISBN : 4488451047
スコア選択: ★★★★





何か自営業を始めようと決めたとき、
最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。
しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。
そこで調査事務所を開いた。
この事務所“紺屋S&R”が想定している業務内容は、
ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。
それなのに、開業した途端舞い込んだ依頼は、
失踪人捜しと古文書の解読。
しかも調査の過程で、
このふたつはなぜか微妙にクロスして―
いったいこの事件の全体像は?
犬捜し専門(希望)、
二十五歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。
『さよなら妖精』で賞賛を浴びた著者が
新境地に挑んだ青春私立探偵小説。
(「BOOK」データベースより/単行本)


主人公は私立探偵。
今までの著作とは打って変わって
予想外のハードボイルド。
ハードボイルド大好き! ははは
なので、思いっきり嵌りました。

「犬」捜しにこだわりながら、
調査事務所を開業したはずなのに
いきなり人捜しの依頼を受けてしまう…。
が、もちろん、断れない主人公(笑)。
25歳のくせに、
やけに無気力で疲れた感じの紺屋長一郎だ。
いきなり紺屋の前に現われた
後輩・半田平吉(ハンペー)は、ガチガチの探偵志望。
憧れの探偵になりたいので雇ってくれと言い出す。
紺屋とは逆に、ヤル気マンマンなところがイイ。
探偵になりたい!と言うのだから、その熱意はすごい。
ちょこちょことハードボイルド気取って、笑わせてくれる。
打ち合わせの喫茶店で「ドライマティーニを」とか(笑)。
妄想にロマンを託して仕事に励む、ナイスキャラです。
でも意外に真面目でしっかりしているので、
私の中では、好感度が上がりっぱなしだった。

本書の魅力は、全体を漂う雰囲気だ。
その抜群の雰囲気の源は、
紺屋とハンペーが、それぞれに語る一人称。
上手い、としか言いようがない。
結末への展開なんて、もう、お見事!としか言えません。
紺屋が夜な夜な相談するチャット仲間の存在も
なんとも言えない絶妙な空気を出しています。

<白袴>助かります。心強いです
<GEN>まあ、大船に乗った狸のつもりでいてください


それぞれに調査を始めた、
失踪人探しと古文書解読という二つの依頼が、
最後には一つの事件に行き着いていく。
二件の依頼は、関係がありそうなことは、
殆ど初めから提示されているのに…
なかなかどうして簡単には繋がらないのだ。 
繋がりそうで繋がらない…紺屋とハンペーの会話が
ハラハラしながらも面白くて。最高です(笑)。
いつ、どんな風に繋がるのか?
その一点に興味をそそられて、ぐいぐいと引き込まれた。

序盤は比較的地味~な展開だったので
終盤のあれよあれよと解かれたテンポある展開に
思いっきりヤラレマシタ。。。
期待通り!
スッキリまとまったラストが訪れたのだから。
スッキリと言っても、インパクトは大!
紺屋くん、尊敬します。 あはは
このラストは本当にいい。大好きです(笑)


これは早くシリーズ化して欲しいな。
シリーズ化の要素もテンコ盛りだったもの。
いつ頃刊行なのかしら。 
期待して待ちたいと思います。


次は、
古典部シリーズ第二弾『愚者のエンドロール』。
実は先日第三弾も購入済み!
楽しみだなぁ~(^▽^)
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by merrygoround515 | 2008-06-23 11:46 | Book

『氷菓』 米澤穂信

氷菓 (角川スニーカー文庫)
米澤 穂信 / / 角川書店
ISBN : 4044271011
スコア選択: ★★★★




いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。
あるはずの文集をないと言い張る少年。
そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。
何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、
なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を
次々と解き明かしていくことに。
さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!
第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。
(「BOOK」データベースより)

好きですね。
米澤氏、四冊目となりましたが、
これまでのところ外れがない! \^○^/
本書、特に好きだなぁ。
多少無理があったり、キャラに頼りすぎた感はあるが、
全体的な観点から評価すると、いい!とてもいいのだ!(笑)

本書は、
高校を舞台にした、人の死なない日常系ミステリィ。
人が死なない分、謎解きに緻密さが求められるジャンルだが、
謎の提示の仕方から、解決するまでの運びの巧みさ、
高校での部活の描写、その殆どが見事だった。

舞台となるのは、神山高校の古典部。
この高校の文化祭は、地元では有名。\_(・ω・`*)ココ重要!
そんな訳で、それぞれの部の活動が、とても活発な高校だ。

主人公・折木奉太郎(新入生)が、同校OGの姉から指示を受け、
廃部寸前の「古典部」に入部するところから物語りは始まる。
「古典部」と古典部員を中心に、
様々な謎解きが散りばめられていた。

謎を解決するのは、もちろん主人公の折木奉太郎。
僅かな手がかりから、
持ち前の頭脳で解決を導き出す、安楽椅子探偵だ。
部員は、主人公の他に三人。
千反田える(ちたんだ)。
黒髪の美少女。成績優秀。名家のお嬢様だ。
奉太郎の親友の福部里志。 
手芸部にも所属。ひと言で言うなら、人間データベース。
そして、
奉太郎とは小・中学校と同じクラスだった、幼馴染み。
毒舌な図書委員、伊原魔耶花(漫画研究会とかけもち部員)。
以上、総勢四人。

でもって謎は、
地方の高校という舞台レベルにぴったりなスケール。
青春ミステリィとして、絶妙な趣です、ね。
部室に知らぬ間に閉じ込められた謎。
毎週金曜日になると、貸し出され、同日返却される謎。
そして、三十三年前にこの高校で起きた事件の謎。

また、主人公・奉太郎くんの省エネキャラがイイのだ!
「やらなくてもいいことなら、やらない。
       やらなければいけないことは手短に、だ」
このモットーは、拍手ものだね。
とは言っても…
いい若い者がこんなこと言っていいのか? アハハ
あと、ヒロイン・千反田えるちゃんのね、
好奇心爆発モードがまた可愛い。
彼女の「わたし、気になります」結構ツボでした(笑)
他の登場人物も青春していて、何気に微笑ましかった。

事件の真相を含んだラストは素晴らしい余韻を残してくれました。
「カンヤ祭」という学園祭の別名、
「氷菓」という周到なタイトル。
すぐには忘れられない作品になりました。

どうやら本書は「古典部」シリーズというらしい。
第二作 『愚者のエンドロール』   〆(・_・ )メモメモ
急いで購入しなきゃ! ε=ε=ε=ヘ(* - -)ノダッシュッ!!


※本来ならば、評価は⑤をつけたい作品なのです。
 ただ、三十三年前の事件の概要と、「氷菓」の意味、
 主人公より先に、閃いてしまいました(笑)
 評価⑤を、④にした、大きな理由です。 m(_ _)m
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by merrygoround515 | 2008-04-03 11:44 | Book
夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
米澤 穂信 / / 東京創元社
ISBN : 4488451020
スコア選択: ★★★






小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、
それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。
賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。
諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!
そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは
“小佐内スイーツセレクション・夏”!? 待望のシリーズ第二弾。
(「BOOK」データベースより)


タイトルからも分かるように、
前作 『春期限定いちごタルト事件』 の続編。
今回は、
高校二年生になった小鳩くんと小佐内さんの、夏休みの事件。

のっけから今回はちょっと雰囲気が違いました、ね。
展開が早すぎる上に、あまり小市民ではないのだ。
テンポよく読めたのだが、夏休みの所為なのか、サラッとしていた。
「春」が魅力的な作品だった故、残念でならない。
それに、
今回の事件には、あまり魅力を感じなかった。

しかし・・・
何故二年生の夏休みなのだろう。
前作から一年以上も経過してしまっている。 
高校時代の一年って…もっと成長する時期ではないの?
それも一年生から二年生ですよ!
最も話題に富んだ時期ではないのか?
一年経過した今回の二人には、違和感がある。
それに、ラストもちょっとねぇ。
(キャラクタのファンには、受け入れられそうに無い、ね)
私は別にこのラストでも構いはしないが、
「春・夏・秋・冬」と四部作にするのであれば、
この「夏」はないな、と思う。
「春」で期待を持たせた、小佐内さんの過去や
小鳩君の武勇伝だとか、小出しに進めてくれればいいものを。

言いたいことを言ったが、
作品として嫌いな訳ではない。キャラも好きだし。
本書も読んでよかったと思っている(苦笑)。


さて、「秋」はいつ、刊行されるのかしらん。
公式HPを見てきたら、「秋」は今年刊行予定だそうだ。
タイトルは  『秋期限定マロングラッセ事件』 。
「夏」を払拭させてくれる作品であること、期待したい。
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by merrygoround515 | 2008-03-31 21:25 | Book
お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き (角川文庫)
吉野 朔実 / / 角川書店
ISBN : 4043640013

お母さんは「赤毛のアン」が大好き (角川文庫)
吉野 朔実 / / 角川書店
ISBN : 4043640021

弟の家には本棚がない―吉野朔実劇場 (吉野朔実劇場)
吉野 朔実 / / 本の雑誌社
ISBN : 4860110129

犬は本よりも電信柱が好き (吉野朔実劇場)
吉野 朔実 / / 本の雑誌社

本を読む兄、読まぬ兄 [吉野朔実劇場]
吉野 朔実 / / 本の雑誌社
ISBN : 4860110706







スコア選択: ★★★★★

 『本の雑誌』 誌上で連載されている
イラストエッセイ 「吉野朔実劇場」


 「読書は自分と本との融合の時間ですが、
  私は本を、好きな人とキャッチボールすることから始めました。
  だからでしょうか、今でも面白い本に当たるといろんな人にぶつけたくなるのです」


この素敵な一文はシリーズ第二作『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』の
あとがき最後の一文です。
本シリーズ「吉野朔実劇場」を言い当てた、全てではないかしら。

「吉野朔実劇場」は、
本に関したことを雑談風に語っているコミックエッセイ。
雑談の軽やかさが一番の魅力!
漫画家である著者の日常を覗いつつ、その人柄が随処に現れていて。
何とも微笑ましい時間が過ごせます。
「面白い本に当たるといろんな人にぶつけたくなる」という彼女から
数々の本をぶつけられ、読んでいる内に自分自身も雑談の輪に
加わっているような気持ちになるのです。
とても幸せな気分になってくる。  ほっこり。

趣味は『読書』!
と言う方ならば、きっと気に入るはずです。
是非、ご一読を。

   

ここ数年、「本雑」は常に立ち読み(笑)
殆ど購入をしていない。 
本シリーズも、文庫化されている2冊のみ所有。   (^0^ヘュ-オッホホ♪ 
早く他の作品も文庫落ちしないかしらん。
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by merrygoround515 | 2008-03-03 15:52 | Book
デッドエンドの思い出 (文春文庫)
よしもと ばなな / / 文藝春秋
ISBN : 4167667029
スコア選択: ★★★★






よしもとばななさんを読んだのは大学生以来。
本書を手にしたきっかけは、書店でふっと…
合田ノブヨさんの装画の暖かい雰囲気が目に留まり、
あとがきに書かれた
「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。
 これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。」
という著者の一文に惹かれて。

「哀しい予感」や「キッチン」。
「うたかた/サンクチュアリ」や「TSUGUMI」など
初期の作品は読破しています。
彼女の文章はとても優しい。 単に読み易いのではなくて、
ひと言ひと言に言霊を感じるのです。
ただ読み易いと感じる文体の作家さんは、大勢います。
でも、ばななさんはなんかこう…一味違うのですよね。
う~ん、私だけの感覚かもしれませんが^^;

今回、本書を読んで、サラッとした読後感だったのですが、
よくよく考えてみると(レビューにしようと思い立ち、思考してみると)
全5話の短編集なのですが、
なんとも悲惨な悲劇がベースになっていたことに気付き、
実に驚かされたんです。

「幽霊の家」 「おかあさーん!」 「あったかくなんかない」
「ともちゃんの幸せ」 「デッドエンドの思い出」  の全5編。
巻末には 「あとがき」 & 「文庫版あとがき」。

一話では、一酸化炭素中毒で死んだ老夫婦。
二話では、毒入りカレーを食べてしまった不運な出版社の女性編集員。
三話では、母親に無理心中させられてしまう少年。
四話では、母親から虐待を受けていた過去を持つ女性。
五話では、父親に幼少の頃、監禁された過去のある青年。
ほら、すごいでしょう^^;
日常とはかけ離れた悲劇のオンパレード。

でも、読み終わり、改めて考えてみると…。
それぞれの悲劇の感じ方、受け方が、悪くない。悪くないのだ。
ばななさんは、様々なネガティブな世界にいる主人公を、
闇雲にそこから脱却させようとするのではなく…
先ずは、悲劇の中にどっぷりと身を置くことを必要とし、
その中で、自然に浄化されるまで、浄化させるまで待たせるの。
自然な浄化によって、きちんと悲劇を受け入れて、乗り越えてから
生きて行く姿を、書きたいのだなぁ。 と、思いました。


五話の 「デッドエンド(袋小路)の思い出」 で、
主人公・横山ミミ(25歳)は、
婚約者からある意味では突然の(笑)、婚約破棄を言い渡されました。
現実を上手く受け止められず、しばし日常から逃れることを望みました。
そして、おじがオーナーをしているバー「袋小路」の2階に、仮住まいすることに。
そこで、お店の雇われ店長、西山君と出会ったのです。
彼は子どもの頃、母親に捨てられ、父親に軟禁生活を送らされた過去がある。

若くして何かを悟った感が漂う西山君がガイドとなり、
ミミは、新たな人生の一歩を踏み出すのです。 

この西山君の説得が、実に素晴らしい。
世間知らずだった自分を恥じるミミに、西山君は言いました。

「いい環境にいることを、恥じることはないよ。武器にしたほうがいいんだよ。
 もう持っているものなんだから。
 君は、帰って、またいつか誰かを好きになって、いい結婚をして、
 お父さんとお母さんと交流を絶やさず、妹とも仲いいままで、
 その場所で大きな輪を作っていけばいいんだ。
 君にはそういう力があるし、それが君の人生なんだから。
 誰にも恥じることもないよ。相手が君の人生からはじき出されたと思えばいい。」
グッときました^^;

ミミは西山君と別れ実家へ戻ると決めたとき、
どうしようもない気持ちだった私に神様がふわっとかけてくれた毛布のように、
たまたま訪れた日々なのだ…。 と、幸せいっぱいに感じました。
「一生感謝してるし、一生忘れない。」  
陽だまりを感じる物語でした。


本書は、作品としてとても暗い。
決してハッピーエンドとは言えない物語ばかり。
でも、前向きな姿勢は一貫しています。
それが全体を明るく、暖かいものに感じさせているのかしら、ね。


これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。

この言葉の持つ“魔力”に魅せられました。
何度も読み返してしまう作品になりそうです。



次は、以前からちょっと気になっていた… 
『アルゼンチンババア』 を読んでみよう。 
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by merrygoround515 | 2008-02-16 12:47 | Book
さよなら妖精 (創元推理文庫)
米澤 穂信 / / 東京創元社
ISBN : 4488451039
スコア選択: ★★★






本書は、東京創元社のミステリ・フロンティア第3弾
として発表されたそうですが、ミステリィなのだろうか?
確かに「日常の謎」は多々点在している。
でもミステリィと言えるのかな?
これが「ライトノベル的社会派ミステリ」ってことなのかなぁ。

結構スロースターターな作品だった。
そうです、序盤から中盤は、とても退屈でした。
何度、このまま半永久的に閉じてしまおうかと思ったことか・・・
実際のところ、中断に継ぐ中断でやっと読了したのだ。
米澤氏の文体は、好きな方だ。(まだ二作目だが…) 
だから諦めきれなかったのかも、しれない。
終盤になってからというもの、意外や意外!
流れというか展開が、絶妙だった。

物語は、
ユーゴスラビアの解体が始まった1991年~1992年のこと。
主だった主人公は、
ユーゴから来たという、マーヤと名乗る17歳の少女と、
偶然出会った高校三年生の守屋路行と太刀洗万智。
2ヶ月間、日本に滞在するのだが、
行き場が無くなり途方に暮れているというマーヤ。
行きがかり上、マーヤの面倒を見ることになった主人公たち。
マーヤは、彼らの同級生、白河いずるの許で暮すことになる。
いずるの家は、民芸旅館「きくい」を営んでいたからだ。
果たして、主人公たちがマーヤとともに過ごす2ヶ月間が始まった。
それは、ささやかな謎に満ち満ちたた2ヶ月間。
そして、主人公たちの人生に、また心の中に、
深く刻み込まれた2ヶ月間となるのだ。

物語は、2ヶ月の滞在を終え、
必ず手紙を書く、と約束を残し、
マーヤが日本を去ってから1年後・・・
それぞれ大学生になった守屋たちが、
手紙の約束が果たされないことからも、
マーヤの謎について調べることへ展開している。
この物語は、
「マーヤはユーゴの何処へ帰ったのか?」
という謎が仕掛けられているのだ。

終盤・・・
マーヤの帰国前日、「きくい」で開かれた送別会で、
守屋の懇願をにべも無く断るマーヤ。

一年が経ち、ユーゴを調べ・・・
それでもマーヤの力となり、助けになりたい、と決心した守屋。
マーヤの居所を探求することが、自身のやるべき事だと信じる守屋。

届いた手紙。
太刀洗の心の内。 
次々と明かされる驚愕の数々。

惜しむべきは、
彼女の国名から、ある程度このラストが見えてしまったことかな。

スタート時の苦痛はどこへやら(笑)
深い余韻を感じながら、満腹で読了。



私、ユーゴに関する知識を、全く持っていなかった^^;
読後、気になったので、少しだけ、調べてみた。

≪ユーゴスラビア≫
クロアチア、セルビア、モンテネグロ、マケドニア、
ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロヴェニアの六つの
共和国から成る多民族国家。
その統治の難しさは
「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、
 3つの宗教、2つの文字により構成される1つの連邦国家」
と表現されたらしい。

≪ユーゴスラビア紛争≫
1991年
クロアチア(クロアチア紛争)→ 4年後、独立。
スロヴェニア(十日間戦争)→ 独立。
マケドニアが独立宣言 → 翌年、独立。  
1992年
ボスニア・ヘルツェゴビナ
(ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争)が独立宣言。
残ったセルビアとモンテネグロが、
『ユーゴスラビア連邦共和国』に改名。
しかし、この力関係が、セルビア>モンテネグロ。

そして2003年
「モンテネグロの独立を、向こう3年間凍結すること」を条件に、
力関係をセルビア=モンテネグロとしようとした
『セルビア・モンテネグロ』が誕生。

しかし2006年
やっぱりモンテネグロは独立したかった。
欧州連合の条件を満たす国民投票により、
『モンテネグロ』は独立。
承認した『セルビア』は単独国家となった。
“ユーゴスラビア”を構成していた6共和国は、
それぞれ完全に独立した。
ほんの16年ほどで、急変してしまった国だった。
「哲学的意味がありますか?」
※参考「ユーゴスラビア」Wikipediaにて


次は 『夏期限定トロピカルパフェ事件』 にしよう!
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by merrygoround515 | 2008-01-28 10:22 | Book
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
米澤 穂信 / / 東京創元社
ISBN : 4488451012
スコア選択: ★★★






小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが
互恵関係にある高校一年生。
きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。
それなのに、二人の前には頻繁に謎が現われる。
名探偵面などして目立ちたくないのに、
なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、
果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?
新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。
(「BOOK」データベースより)


とあるコミュで知り合った学生さんに、薦めていただきました。
若い作家さんの作品です。もちろん初めて手にしました。
参りました。 
世の中まだまだ未開の分野が多々存在していることに、感無量です。

本書は連作短編として、
4つ(いや5つでイイのかな?)の謎解きが行われます。
目次、記載しておきます。

 プロローグ
羊の着ぐるみ
For your eyes only
おいしいココアの作り方
はらふくるるわざ
孤狼の心
 エピローグ

殆どが日常のとても事件とは呼べないような、謎なんです(苦笑)
殺人事件などは一切起こらないし…。
ただ「日常の謎」を扱った、学生生活の物語。
でも、一応は、青春ミステリィなのかな?
「青春」と言っても、
登場人物は決して多くは無い。極めて少数なのだ。
主人公は小鳩常悟朗くん。高校一年生。 
小鳩くんとは同級生で、中学が一緒だった小佐内ゆきちゃん。 
小学校が一緒だった堂島健吾くん。が主な登場人物。
その他主だったキャラは…
堂島くんのお姉さん・知里先輩や高校での面々だけ。
大した範囲でもないのに、なぜなのか、「謎」が
彼ら(小鳩くんと小佐内さん)を巻き込み、事件が起こる。
そしてその気は全く無いのに、彼らは事件を解決していくのだ。
小鳩君の、いやだいやだを装いながらの解決談議は、
コミカルで私のツボでした。
小佐内さんは、同性だからでしょうか? 
私には、早い段階で本性(本質)が見えていました。 (^0^ヘュ-オッホホ♪

面白かったのは、事件や謎解きよりも、
小鳩君のジレンマと小佐内さんのジレンマ。
二人が日々精進し、一生懸命に己と戦っているのが、
ヒシヒシと伝わってくる。
「小市民!」 それがたまらなく面白い。
こういう謎解きも、アリなんだねぇ。

二人の会話も魅力的だった。 
とにかく、どこかズレていて、言葉足らず。
なのに相手には、しっかりと真意まで伝わっているの。
何とも言えない、和みの雰囲気を醸し出しています。 ほっこり。
読者の中には…
もっとはっきり言って!と、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
でも、ここはそう、チラリズムをご堪能、ということで^^;

なかなかどうして、二人とも頭の回転が速いのだ。
成績もほどほどに良いの。 
言葉遣いも格好イイですよぉ~! 
小難しい言葉を普通に使って会話していて、
でも、違和感を感じさせないキャラ達なんだ。素晴らしいでしょ?!
小鳩君は自分自身を
「小賢しい」と形容しているくらいですから。うん、ぴったり!

本当にサラッとしていて、
ミステリィではなく、青春小説を読んだ感じ。
このサラッと感って、如何せん、とても地味なのだ。
暗いのではなく、純粋に地味・・・。分かるかな?
ここまで地味なミステリィは、ないですね(笑)。
あえて内容には触れませんが、
すーっと、本当に軽~い感じのまま、読み終えてしまうので、
忙しい方にもオススメです。 
どうぞ軽い気持ちで、楽しみながら読んでみてください。

最後の最後に、
二人の本当の姿が浮かび上がりますが、とにかく可愛い。
本当にいそうな16歳(15歳)なんだもん。 
彼らの悩みさえもが愛おしくなってしまった。
このコンビ! これからも活躍を期待していいのかしら?
早く、次作『夏期限定トロピカルパフェ事件』を読みたいな。 
昨年、文庫化になっていました!\^○^/


でもその前に、もう一冊お薦めいただいていました。
『さよなら妖精』 でしたね。
先ずはそちらから読ませていただきます。


「じゃあ、始めよう。
 ぼくが思うに・・・・・・、これは推理の連鎖で片がつく」
米澤さん、ついて行きまーす!
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by merrygoround515 | 2008-01-16 14:04 | Book
「子どもは勉強しろ!」といっていい15の理由
山中 恒 / / 講談社
ISBN : 4062123169
スコア選択: ★★★★






『「子どもは勉強しろ!」といっていい15の理由』

1 入試は決してなくならない
2 勉強に無駄ということはない
3 大人になっても勉強は続く
4 勉強しなければ「個性」ものばせない
5 点数という「ものさし」からは逃げられない
6 学力がないとパソコンも使えない
7 考える力は学習量が決め手
8 子どもまかせにしたら、子どもは勉強しない
9 勉強はしてしすぎることはない
10 金を稼ぐためには勉強しろ!
11 勉強は世のため人のためだ
12 逃げない親だけが「勉強しろ」と言える
13 平和を守るためには勉強だ
14 規制緩和の時代だからこそ勉強しかない
15 我が子を守るのはやっぱり親だ!


是非、お読み下さい。
また、お子さんにも(適齢期になったら)薦めてください。
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by merrygoround515 | 2008-01-10 10:53 | Book