読書日記及び過去の読書         〆(・_・ )メモメモ


by merrygoround515

タグ:海外作品 ( 6 ) タグの人気記事

叶えられた祈り (新潮文庫)
トルーマン カポーティ / / 新潮社
ISBN : 4102095071
スコア選択: ★★★




『冷血』を読みたくて書店へ。
あいにく、品切れ。
ならば!と、『叶えられた祈り』を購入。
本書はカポーティ唯一の未完の作品。
及び、彼の遺作となった作品。
私的には、
表紙のホッパーの絵が好きだったので。


セレブたちが激怒! カポーティを破滅に追い込んだ遺作。
ハイソサエティの退廃的な生活。
それをニヒルに眺めながらも、そんな世界にあこがれている作家志望の男娼。
この青年こそ著者自身の分身である。
また実在人物の内輪話も数多く描かれていたので、社交界の人々を激怒させた。
自ら最高傑作と称しながらも、ついに未完に終わったため、
残りの原稿がどこかに存在するのでは、という噂も。
著者を苦しませ破滅へと追い込んだ問題の遺作!
(「BOOK」データベースより)


「冷血」により、名誉を得た後・・・
破滅へと突き進んだ、プレリュードだと感じた。

なんともヤルセナイ読後感だ。
きっと、これを書くことによって
作家生命が絶たれたと言える作品だからだろう。

「社交界スキャンダル小説」を書こうと志すも
アメリカ社交界は、認めなかった。
「道化」と称され、カポーティは追放される…。
ヨーロッパとは異なるアメリカ社交界の
浅はかさが、悔しいかな残念でならない。
カポーティも派手に騒ぎすぎだが…。
せめて完結させてから追放されて欲しかった。

ゴシップ小説な感じが強く漂う。
漂うだけで、完結していないので
なんとも歯がゆくてモドカシイ。
社交界の様々を暴露しようとして、
自爆してしてしまったとしか思えない。
不完全燃焼。

本編プラス「編集者から」と「訳者あとがき」によって
なんとか完結へ持っていった作品だ。

ファンなら文句は無さそうだが
興味本位の私のようなタイプには
辛い作品だった。



『冷血』も読みたいが、
村上春樹氏訳の
『誕生日の子どもたち』という短編を読んでみたい。
そして『クリスマスの思い出』を読みたいと思う。
カポーティ、ちょっと続けてみよう。
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by merrygoround515 | 2008-06-17 11:34 | Book
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アクシデンタル・ツーリスト (Hayakawa Novels)
アン タイラー / / 早川書房
スコア選択: ★★★★★
















この作品は、
私の好きなR.B.パーカーのタッチと似ていることに気付きました。
再読して、本当によかった。  \^○^/

という訳で、やっと再読、終わりました。
アン・タイラーは、私が古今東西で一、二を争う好きな作家♡
本書、文章はとても読みやすくてサラッとしています。 
あっという間に読了でしたし^^;
なのに不思議。 しっかりと臨場感が得られるの。
一つ一つのシーンがくっきりと浮かび上がり、ハッとさせられるフレーズが多々ある。
そしてじんわりと心に残るの。 魔法に掛かったみたい(笑)

この作品は、映画化されています。(観ていませんが^^ゞ)
それに、アン・タイラーにしては…ちょっとシリアスな出来事があるのです。
(邦題「偶然の旅行者」主演:ウィリアム・ハート、ジーナ・デイヴィス)。

主人公、メイコン・リアリーは、ある日20年連れ添った妻のサラと別居します。
彼らは1年ほど前、一人息子のイーサン(12歳)を
バーガーショップに入った強盗の銃撃で亡くしていました。
2人はずっとその喪失感に耐えてきた。  だが、その耐え方には違いがありました。

メイコンは、几帳面であまり感情を露わにしたりは、しないタイプです。
感情をはっきり表現して欲しいと好むサラには、
とても冷たく写り、物足りなさを感じさせていました。
ある時、サラは、メイコンに対し、息子の死後の態度を罵ります。
「あなたがあの子を愛してたのはわかってる。
 でも、わたしほどは愛してなかった。
 あの子の死をもってしても、
 あなたは見も心も引き裂かれるような思いになることはなかった。
 あの子の死をあなたが嘆き悲しんだことは、わかってる。
 でも、あなたの経験のしかたには、なんというか、
 どこか抑制されたところがあるのよ。
 それが愛であれ悲しみであれなんであれ。」
しかし、メイコンは傷ついていたんです。サラよりずっと深く・・・。

メイコンの仕事は、
ビジネスマン用の旅行ガイドブック「アクシデンタル・ツーリスト」(やむなき旅人)を書くこと。
妻に出て行かれたメイコンは、ガイドブック執筆のため、時折旅に出るほかは、
ほとんど人と接しなくなっていきました。

飼い犬エドワード(イーサンが可愛がっていたのです)の世話に疲れたメイコンは
犬の調教師として雇った、ミュリエルという、風変わりな若い女性と知り合います。
そして、その彼女との出会いが、メイコンを変えて行くのです。
中年のメイコンに対し、ミュリエルは若くてとても個性的です。
だが、楽天的でサラよりも破天荒に見えるミュリエルも、人生で傷を負っていました。
結婚に失敗し、体の弱い幼い息子を、一人で抱えていたのです。

メイコンはそんなミュリエルを意識し始め、次第に惹かれていきます。
でも必死で惹かれまいとするの。その反面、彼女といると不思議と安らぐ自分もいたり・・・。
その微妙な心理が、とてもリアルに描かれています。 素晴らしいわ。
これこそが、恋愛の姿なのね!としみじみ思いましたもの。

そんな中、ちょっとしたトラブルから脚を折ってしまったメイコンは、飼い犬のエドワードと
兄妹たちの住む家に転がり込みます。
このメイコンを含む四人兄妹は、奔放な母に捨てられ、厳格な祖父母の元に育ったため
自分達だけの、なんと言うか独特な世界を持っているの(要はかなり変わり者^^;)。
それ故なのか、二人の兄も離婚を経験。
しっかり者だけど、やっぱり変わってる(笑)妹が、家族と地域の人々(主にお年寄り)の
面倒をみています。


メイコンは人生に疲れ、ミュリエルに語ります。
「毎日ぼくはもう立ち直っていい頃だと自分に言い聞かせてる。
 みんながぼくにそれを期待してるのがわかるから。
 みんな昔は同情を示してくれた。
 でも今はちがう。今は息子の名前も口にしない。
 みんなはぼくはもう人生を再出発させていい頃だと思ってる。
 でも、どうしたことか、ぼくは逆にどんどん悪くなってしまってる。
                  (略)
 サラとは互いに傷つけ合うことしかできなかった。
 このことは自分たちのありのままの姿を
 ぼくたちに見せてくれたような気がする。
 いかにぼくたちは、互いにかけ離れた人間なのかということを。
 でも、残念ながら、
 ぼくたちはそもそも互いにかけ離れていたから結婚したのだ。」と。

今の自分は誰からもかけ離れてしまったと嘆くメイコンを、
ミュリエルは支えます。

やがて二人は、一緒に暮らし始めます。
メイコンはミュリエルの息子のアレクサンダーに、
家の修理の仕方を教え、ジーンズを履かせるのです。 
(この子、アレルギー体質で、やせぽっちで、いじめられっ子なの;;)

メイコンは思います・・・。
「これでまた自分の人生は危ういものになった。
 これでまた核戦争と地球の未来について心配しなければならなくなった。
 イーサンが生まれたあと、しばしばとらわれた、
 誰にも言えないうしろめたい思いにまたとらわれた 
 ”今から自分はもう完全に幸福にはなれない”」

そんなある日、
別居中の妻サラがメイコンの前に現れ、もう一度やり直したいと告げるのです…。
メイコンは、自分の優柔不断さから、決断というものをしてこなかったことに気づく。
そして最後に下した彼の決断とは?

こう書くと、なんかシリアスっぽいですが、チガーウ(-_-)ノノ  
基本、物凄~く面白いんです。  
ユーモアとペーソスに満ち溢れていますから。(((*≧艸≦)ププ…ッ!

彼がどんな人生を選ぶことになるのか、気になった方は、是非読んで下さい!


◆ワシントン・ポスト紙より
「美しく、熱く、悲しいくらいに感動的で、そして元気の出る小説…
 常識的に考えて、これ以上の小説はまず望めないだろう」


生きることって、滑稽だし、みじめだけど、なんて素晴らしいの!
人生、なかなか思うようにはいかないけれど、でもやっぱり、悪くないよね―。
と思える素敵な小説です。



と、薦めながら恐縮ですが…本書絶版でした。 。・゚・(*ノД`*)・゚・。 
文春文庫からアン・タイラーの作品がTo;6冊刊行されましたが、 (単行本は全て絶版)
残念ながら本書は、版元が違うこともあって、6冊の中に入っておりません;;
もし、古本屋さんで目にした際は、どうか手にしてみてください。m(_ _)m
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by merrygoround515 | 2007-12-12 15:18 | Book
ここがホームシック・レストラン
アン タイラー / / 文藝春秋
ISBN : 4167218534
スコア選択: ★★★★

(『Dinner at the Homesick Restaurant』 by ANNE TYLER/中野恵津子=訳)



私が初めて彼女の作品に出会ったのが、本書。 (刊行直後の単行本でした)
海外作品は、ミステリィばかりを読み漁っていた学生時代。
社会人になり、とある編集者より贈られたのが、本書。
海外ミステリィ以外は、あまり興味がなかったので、そのまま積ん読の予定だった。
だが、社内で本書をいただいた話をすると、皆が一様にして
「すぐに読んだ方がイイ。その編集者とは、ほぼ毎週顔を合わせるんだから」
そうか・・・。そうだよね。  
次回お会いする時には、お礼と感想言わなければならないのか・・・。

翌日、しぶしぶ手にしました。 あっという間に読了。
魅せられてしまった。  

そして今、その頃の思い出と共に再度手にした本書。 一読後・・・
魅せられた、とか陳腐な言葉では言い表すことが出来ない感情が
後から後から胸に沸き起こっている。
アン・タイラー、嗚呼、あなたはなんて素晴らしい作家なのだろう。
後、三作品所有しているので、全て再読することにします。



さて、物語を簡単に言うと、
訪問販売セールスマンの父親がある日、養いきれなくなった家庭を捨てた。
そして残された家族が、父親の不在を敢然と無視して、それぞれの人生をそれぞれが
自分なりに生きていく・・・という家族物語である。

アメリカ・ボルティモアのカルヴァー通りのテラスハウスに住んでいるタルー家の話。
一家は4人家族。母親のパール、長男コーディ、次男のエズラ、長女のジェニーだ。

物語は、一人一人の視点で進んでいきます。
そこで語られるのは、それぞれの思惑であり、描かれるのは単なる日常である。
ただそれだけなのに、さすがアン・タイラーだ。 グイグイ惹き付けて放さないのだ。

レストランでレジ係をし、家族を支えるパールは、常に怒りっぽい(笑)。
長男は、問題児。 弟は、優しいが、引っ込み思案。 何かに付け、豪快なことをやらかす長女。
と、それぞれが様々な問題を抱え、反発しあい、この家族は、なかなか上手くいかない。
少しずつ内部がズレている家族なのだ。  社会的にはごくごくまともなのだけれど、ね。

やがて三人の子どもは成長します。
コーディは、大学卒業後、実業家になり成功する。 ジェニーは医学部へ進学。 
残ったエズラは母親の反対を押し切って、地元のレストランで働くようになる。
そしてコックのルースに恋をする・・・。


この一家の 「家族」 それぞれの生き様は、きっと絵空事なんかではなく・・・
現実に、ありふれた「家族」の姿なんだと思う。 
「家族」 ゆえの鬱陶しさ、 憎しみ、 愛情、 激しいぶつかり合い・・・ 
それでも「家族」なくして生きてはいけないのが、現実なんだね。  何故だろう・・・?

家族というのは、本当に大変だ。
 
初読は、独身時代だったが、当時と今では私を取り巻く環境が全く違うように、感想も違う。
再読した今、私は家族を持ち、母となっているのだ。 
共感し過ぎるほどの共感。 随処に共鳴。  そして・・・唸るばかりだ。

家族は、決して簡単な単位ではないよね。
欠点だらけの人間が親になり、子供を育てていかなければならないことから始まるのだから。
慌しく駆け抜ける人生が、たとえ波乱万丈であったとしても・・・ 
家族と共に生きることに、己の生があるのだと感じる。   
決して、すべてを捨てて、一人で生きるわけにはいかない。
また家族と離れて暮していても、切り離せるものではないのだ。
 「家族」 は 「家族」 なのだから。


「家族」に起こる、このジレンマは・・・共感しやすいテーマなのではないでしょうか。
家族が愛おしくて、たまらなくなりました。 


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by merrygoround515 | 2007-11-22 14:38 | Book
春にして君を離れ (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティー / / 早川書房
ISBN : 4151300813






1944年作品。
当初はメアリ・ウェストマコット名義で出版され、
四半世紀以上、クリスティ自身が著者であることを
漏らさないようにしていたことでも、有名な作品です。
ミステリィではないことを知った読者が、がっかりしないように、と
理由づけられているが・・・
彼女の本心は、喫してそうではないだろうな、と思います。

タイトルからは想像もできないほど、とても重く、悲しい内容。
若い方には不向きかも・・・。人の死なない恋愛小説とも言えるが
ある意味、どんなミステリーよりも恐ろしい作品。
作中、最も恐ろしいのは、
最後の最後に洩らされた夫の一言に他ならない。
気になった方は、どうぞ読んで見てくださいね。

主人公の主婦ショーンのようには、なりたくありません。
友達にもなりたくないし、家族にいたら・・・とんでもないな。
でも、可能ならば、
既婚者である女性には、手にして欲しい一冊です。


「自分(あなた)の見ている世界は、真実のものなのでしょうか?」


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


クリスティーは十代から嵌り、随分読みました^^;
読まれてる方、とても多い作家ですものね。女王ですもの。へへ;
個人的には・・・前述の本書、 「 春にして君を離れ 」 が一番好きかな。
ほかのミステリィ系も、殆ど持っています。( v^-゜)イエィ♪


【アガサ・クリスティ】
1890年9月15日、イギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティー大尉と結婚。
1919年、娘ロザリンドが誕生。
数々の出版社で不採用にされたのち、やっと
1920年、長篇『スタイルズ荘の怪事件』でミステリ作家としてデビューを果たす。
1926年、第六作目『アクロイド殺し』(ポアロ第三作)で一躍文壇の注目を集めた。
以来、生み出す作品全てが愛された、「ミステリィの女王」。
ギネスブックは「史上最高のベストセラー作家」に認定。
1976年1月12日、静養先のイギリス・ウォリングフォードの自宅で死去。

クリスティは、1926年の12月に謎の失踪を遂げています。
様々な臆測が飛び交ったようですが、11日後に発見されました。
それを映画化した「アガサ 愛の失踪事件」(米・1979年)も
なかなか素晴らしい作品です。
ヴァネッサ・レッドグレーブがアガサ役。
ダスティン・ホフマンが彼女を探すジャーナリスト・スタントンの役。
二人の身長差ったら (><;   
長身のアガサと釣り合わないスタントンとのダンスの場面、印象深いです。


彼女は1928年に離婚した最初の夫、アーチボルドを
心底愛してたんだろうな・・・。
彼女が小説で描く犯人の男性像って、何とな~く彼と似てる・・・。
気のせいでしょうか・・・?

失踪し、記憶喪失に陥るほどアガサに愛されていたアーチー。
結局二人は二年後に、離婚してしまったわけですが。
彼は離婚後すぐに愛人と再婚してしまいました。orz
アガサがアーチーへの想いを、すぐに断ち切ったとは、思えないな。

その他、トリックに対するフェア・アンフェアが論じられていますが、
純粋に、凄いんだからいいじゃない!って思ってしまいます^^ゞ
文化の差ですかねぇ^^;

「アクロイド殺人事件」なんてね、 初めて読んだとき
驚きすぎて声が出せなくなった記憶があるもの。 ( ☉_☉) パチクリ
強烈だったな~。


ミステリィでは、マザー・グースの唄にからんだ
「そして誰もいなくなった」が、私の中で、最高傑作!
「エッジウェア卿の死」も好きです。
ポアロの意外な一面が見られますよね。危機一髪!

そう言えば、アガサは晩年、年に1作品のペースで、
クリスマスに合わせて発表をし続けたそうです。
きっと、クリスマスには、クリスティだったのですね。
素敵ですね~。(〃▽〃)
晩年は過去の殺人を扱う形式が多かったですね。


『わたしは生きていることが好き。
 ときにはひどく絶望し、激しく打ちのめされ、
 悲しみに引き裂かれたこともあったけれど、 
 すべてを通り抜けて、わたしはやはり生きているのは
 すばらしいことだとはっきり心得ている。』
                         (「アガサ・クリスティー自伝」より)

85歳の生涯を閉じるまでに、長編だけで70作近くの作品を残し、
灰色の脳細胞を持ち、見事な口髭を生やしたムッシュー
ベルギー人探偵・エルキュール・ポアロと、
モデルとなったのは、作者アガサの祖母と見られている
独身の老嬢探偵・ミス・マープルを創造。
100語以上の言語に翻訳され、世界中で10億部。
聖書とシェークスピアの次によく読まれていると言われる
アガサ・クリスティーは、まさに
「ミステリーの女王」の称号にふさわしい。


もっともっと生み出して欲しかったなぁ。


ここ数日、
偶然アガサ・クリスティの名を目にする事が重なったので、
懐かしさのあまり、書いてみました(笑)


作品の詳細は、悲しいことに…殆ど忘れかけているので、
何冊か引っ張り出して、読み返してみようかな。
『火曜クラブ』がいいかなぁ。『ポアロ登場』もいいなぁ。
探してみよう。
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by merrygoround515 | 2007-09-29 09:28 | Book
ブリージング・レッスン
アン タイラー / / 文藝春秋
ISBN : 4163114203
スコア選択: ★★★★★






1941年アメリカミネソタ州生まれ。
コロンビア大学院でロシア文学研究に専念した後、
図書館勤務を経て、1964年より小説を書き始める。

アン・タイラーの本にショッキングな事件は起きません。
でも面白い。
次から次からページをめくる手が止まらない。
『ブリージング・レッスン』 は、まさにノンストップでした。

結婚28年目を迎える妻マギーと夫アイラ。
周りの人の幸せを願うあまり、ついお節介をやいては
何かと話をややこしくしてしまう、マギー。
友人の葬式のため、車で出かけていくこの夫婦の
たった一日のお話です。

マギーはお節介で時にうんざり…
とてもいらいらさせられてしまう、おばさんです(笑)。
がしかし、読み進むうち彼女の心情に入り込んでしまいました。
そして、アイラのマギーへの愛。
ユーモアとほろ苦さ。
しみじみと心に残る作品でした。


※ピュリッツァー賞受賞作。
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by merrygoround515 | 2007-09-25 20:04 | Book
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スコア選択: ★★★★

☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆|☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★

アン・タイラー/Anne Tyler 1941-
1941年アメリカミネソタ州生まれ。
コロンビア大学院でロシア文学研究に専念した後、図書館勤務を経て、
1964年より小説を書き始める。
1982年の『 ここがホームシック・レストラン 』 以来、
アメリカでは発表する作品がベストセラー。

☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆|☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★


彼女の作品は、どの作品も、あらすじを聞いたら、
おそらく誰も気にも止めないような…極めて、至極、地味なお話。
普通の人々の、普通の生活を、普通に書いている、のが特徴と言えるのでは?! 
なのに、読み始めると、途中で頁を閉じるのが、惜しくて大変。
それだけ、不思議な魅力がある。不思議だ。

我が愛する北村氏のように、
一見つまらないエピソード(笑)から、細部を丹念に積み上げてくことで、
登場人物同士の関係をリアルに描きだす。  それはそれは、驚くほど緻密。 
人物描写のリアリティは、ずば抜けて上手い。


<あらすじ>
教師の父親と優しい母親、三人の子供達。
(長男ダニー30歳、次男イアン17歳、長女クローディア・既婚)
典型的なアメリカン・ファミリー♪ ベドロウ家の24年間を綴った物語。

長男ダニーが、二人(3歳と6歳)の子連れのルーシーと結婚したことから、
一家の幸福が崩れはじめる。
7ヵ月後、ダニーとルーシーの間に子供が生まれる。
しかしルーシーは、イアンにベビーシッターをさせ、子供(ダフニ)の世話もせず、
気分転換を口実に外出三昧。
そんな彼女を見て、イアンは浮気をしているのでは? と感じる。
そしてある日、イアンは兄ダニーに、ルーシーの浮気を告げる。
するとダニーは自らの命を絶ってしまった。
その後、しばらく三人の子供たちと暮していたルーシーも、自殺をしてしまうのだ。 

アン・タイラーの作品には、ショッキングなことが起こることは、ない。
本書内でも、この部分が唯一のショッキングなのである。

残された三人の子供のうち、連れ子であった上の二人は、
ルーシーの前の夫に引き取ってもらおうとしたが、彼の所在が、わからない。
結局、三人の子供はそのままベドロウ家に引き取られる。
両親は、子育てをするには…既に年をと取り過ぎていた。
兄の死に責任を感じたイアンは、贖罪を求め、
たまたま入った教会の牧師の勧めに従い人生の転機を迎える。
大学を辞め、子供たちの面倒をみる決心をするのだ。 
教会の名は「セカンド・チャンス教会」(苦笑)

言ってはなんだが、ここからは、ただの日常。日常。日常。日常。日常。日常! 
18歳だったイアンが、22歳、30歳、そして40歳になる。
生まれたばかりだったダフニも成人に。

ほぼ内容の全体とも言える、日常。
この、日常の面白さといったら!アメリカのホームドラマそのもの。
子供たちとイアンには血の繋がりは無い。
なのに誰よりも、強くしっかり繋がっている。
明るく、楽しく、ステキな家族なのだ。
一人一人のキャラが…イイ!  細かい描写に魅了されまくり。

日々さりげな~い、暖か~い、可笑しさが溢れています。  
子供ってサイコー! 本当に面白い!
ごく普通の日常や人生模様が、
これほどまでに読み応えある物語になってしまうとは。
さすがです。
アン・タイラーの得意とする描写は「子供」。  右に出るものは、いないと思う。

自分自身の人生を、この物語のように傍観してみたい気分になった。 

本来なら、重苦しくなるはずのテーマも、彼女の手にかかるとユーモアたっぷり。
且つ淡々と、休みなく描かれている。
24年間という、長~い時間をかけて、家族の姿を追っている作品です。

読後、様々な情景が、映画のシーンのように浮かび、頭から離れない。
今また、「ヘリコプター」を思い出しちゃった(笑)
  
少しでも、興味をお持ちいただけたら…  
是非、本書、読んでみてください。m(_ _)m
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by merrygoround515 | 2007-03-14 13:15 | Book